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マーケティング研究 他社事例 427 「観光立国を目指す日本 2」 ~課題とは何か?~

2019-10-16 10:46:38 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 427 「観光立国を目指す日本 2」 ~課題とは何か?~


急増する観光客は地域社会を分断する危険も秘めています。

東京駅から電車で1時間の蔵造りの商家が軒を連ねる埼玉県川越市。

小江戸とも呼ばれて親しまれています。

都心からのアクセスも良さも手伝い、2018年には外国人観光客が約28万人と、2013年の6倍に達しました。

観光客が集中する「一番街通り」は、片側1車線で道幅も狭く、歩道と車道は路側帯1本で隔てられています。

地元では限られた幹線道路の一つで、交通量が多く、車道にあふれた観光客をかすめるようにして自動車が行きかっているのです。

市民からもかねて「危険」との声があがり、数年前に通りを一時的に一方通行にする社会実験が実施されました。

しかしその結果、周辺道路の渋滞が激化し、一部の住民団体が、「一方通行反対」と大書した立て看板を街の辻々に設置するなど強硬に反対し、市は一方通行化を見送ったのでした。

以来、いつ事故が起きてもおかしくない危険な状況が続いているのです。

観光客と地域社会との共生関係をいかにして作るか?

快刀乱麻な対策は存在せず、各地の自治体は手探りの取り組みを続けているのです。

また、年間63万人の外国人観光客が訪れる神奈川県鎌倉市は4月、観光客にマナー順守を求める全国でも珍しい条例を施行しました。

条例では、混雑した場所での食べ歩きや車道での写真撮影などをしないことを求めています。

外国人観光客の増加が続く鎌倉市ですが、その要因は、中国や台湾で人気のアニメ「スラムダンク」に登場する場所を訪れる、いわゆる「聖地巡礼」という動きによるものです。

撮影スポットとして特に人気なのが、江ノ島電鉄の鎌倉高校前の踏切です。

多い時では100人以上の観光客が訪れ、車道にまであふれ、近隣住民が運転する車がクラクションを鳴らしながら行き交っている為に、条例が施行されてから、状況が改善されたとは言い難いようです。

(続く)


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