「森喜朗前首相をもう一度総理大臣に」という「欲惚け老人」たちの「闇の画策」を許すべきでない

2005年07月21日 13時03分07秒 | 政治
郵政法案「反対確実、10人前後」 首相が「票読み」 (朝日新聞) - goo ニュース

 「確実に反対、10人前後」
 小泉首相が20日、東京都千代田区大手町の経団連会館で開かれたシンポジウム「郵政民営化の意義と日本の改革」に参加して、演壇に立ち、こう明かしたという。
 「(自民党で)今のところ、確実に反対するのは10人前後、反対の可能性があるのは20人前後と言われている」などと述べ、現状が厳しいことを説明した。
 郵政民営化関連法案の参議院での可決成立をめざして、最近の小泉首相は、これまでの強硬な態度と打って変わった「謙虚な姿勢」を示すのに懸命である。
 自民党参議院議員18人が反対に投票すれば、法案は否決されるので、気が気ではない様子である。天王山とも言うべき「決戦の日」は、8月5日か12日と見られている。延長国会の会期末が8月13日なので、小泉政権の命運がどうなるか、多くの国民が注視している。
 小泉首相は、法案が否決されれば、衆議院の解散・総選挙の辞さない構えでいる。衆議院議員は、「首相の精神構造は、普通ではないので、本当に伝家の宝刀を抜き兼ねない」と大慌で選挙区に入るなど、いまや「総選挙モード」で走り出しており、この勢いはもはや止められない。
 この緊迫した状況のなかで、参議院本会議での採決の結果後、政局がどうなるかをめぐって、「3つの選択肢」が議論の的になっている。
 1つは、僅差にしろ、辛うじて可決成立した場合、小泉首相は9月に内閣改造を行い、10月23日の補欠選挙に臨むか、解散・総選挙に打って出る。
 2つは、否決され、「廃案」となるか、「期限切れ」で「継続審議」の見通しとなる場合、小泉首相は、解散・総選挙を断行し、「9月11日」を投票日とし、執行する。
 3つは、解散・総選挙を阻止するため、小泉内閣を「総辞職」に追い込む。その場合、新しい「総理大臣」を選ぶことになる。
 これらのシュミレーションが話題になっているのだが、「3つ目」の道について、自民党内では、「森喜朗前首相」と「青木幹雄参議院自民党会長」とが手を結び、画策を始めているという情報が、永田町周辺に飛び交っている。この動きを察知してか、小泉首相は「明智光秀が出てくるかもしれない」と発言し、警戒している。
 自民党内に渦巻く「小泉憎し」「反小泉」の感情を宥めるには、「森喜朗前首相」が再度登板して、党内を一つにまとめるしかないという考え方である。「ポスト小泉」の最有力候補者と目されている安倍晋三幹事長代理に対して、「まだ早い」という声が強く、「安倍包囲網」がいま数えただけでも「4つ」もある。ならば「福田康夫前官房長官ではどうか」という考え方から、「福田康夫前官房長官擁立」で纏まりかけていたが、「どうも福田さんには、スキャンダルがありすぎる」という悲観論が急浮上して、ポシャリかけてきている。そこで突如、注目されてきたのが、「森喜朗前首相」であり、「本人もやる気満々だ」と言われている。森、青木両氏は、早稲田大学の先輩後輩という関係で、小渕恵三元首相が急死した後に、政界がドタバタしている最中、「青木幹雄、野中広務、亀井静香、それに森喜朗」の4人が都内のホテルに籠もり、「森首班」を決めた経緯がありこれらの人間関係は、いまでも健在のようである。
 ただし、一般世論の趨性は、「安倍晋三首相」が圧倒的であり、「いまさら森喜朗首相でもあるまい」というかなり冷めた見方が支配的である。それどころか、「森首相で選挙に勝てるのか。自民党が崩壊してしまう」という不安がる声も強い。永田町のプロたちの感覚が、一般国民からかなり乖離しているのである。もし、「森政権」が樹立されるような場合、これは、まさしく「自民党崩壊の始まり」となるまは確実である。いかに厚化粧して首相に就任して、「昔の名前で出ています」と歌っても、国民人気が上がるどころか不興を買ってしまうだけである。小泉首相を支持してい国民がいまでも「40%」を超えている現実を無視して憚らない欲惚け老人たちの思うがままにさせてはならない。そんなことを許せば、日本の未来は、「真暗闇」となる。


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金正日総書記は、昭和天皇陛下の身を捨てて「国民に食糧を」とマッカーサー元帥に懇願された実例に学ぶべし

2005年07月19日 22時41分52秒 | 北朝鮮問題
韓国が「金総書記発言」を否定 日朝国交正常化 (朝日新聞) - goo ニュース

 北朝鮮の金正日総書記が「日朝正常化を強く望む」姿勢を示していたことが明らかになった。韓国を訪れていた自民党の山崎拓・前副総裁が18日帰国し、都内で記者団に「17日の鄭東泳(チョンドンヨン)統一相との会談内容を明らかにしたことから判明した。 鄭東泳統一相が5月末に来日した際、山崎前副総裁が金総書記にメッセージを託し、金総書記が鄭東泳統一相との会談で受け取ったメッセージに対して「日本側の意向を真摯に受け止め、正確にお聞きしたと伝えて欲しい。北朝鮮も国交正常化を強く望んでいると」と答えたというのである。
 金総書記のこの言葉が「ウソ」でなければ、近く再開される「6か国協議」に期待できる。アメリカ海軍が日本海に第7艦隊の空母や潜水艦隊を配置して、いつでも「総攻撃」する態勢を取り続けていることから、この「砲艦外交」に恐れをなして、金総書記が、こう答えざるを得なかったとしても、表向きは、少なくとも小泉首相が金総書記との間で交わした「平壌宣言」はいまでも生きていることを示している。
 アメリカは、北朝鮮に対する強硬姿勢を基本的に崩してはおらず「先制攻撃」のチャンスを狙っている。そのうえ米政府高官が、「いつまでも北朝鮮のマラソンを付き合うつもりはない」とすでにシビレを切らしており、北朝鮮にとっては、今回の6か国協議が「最後のチャンス」となっている。中国・ロシア・韓国も同様に「いつまでもタダをこねている金総書記に付き合えない」という気持ちになりつつある。
 韓国は、「北朝鮮に電力を送電し供給する」とまで言って宥和措置を取ろうとしているが、韓国の「太陽政策」にも限界がある。
 今度の6カ国協議が失敗すれば、アメリカは、北朝鮮問題を国連安保理に上げて、「北朝鮮攻撃」の御墨付を取ろうとするだろう。 そうなっては、北朝鮮はお終いである。日本側からは、「一気に叩き潰して欲しい」という声が出始めており、「拉致問題」がなかなか解決しないことに、被害者家族ばかりでなく、多くの国民が、「経済制裁をして圧力をかけて、問題解決を図れ」と強く要求している。
 北朝鮮としては、韓国に一時、経済援助を受けても未来永劫にわたって「ミルク補給」を受けながら、「乞食」を続けるわけにはいかない。早い時期に「自立」することが求められる。そのためには「国家百年の大計である教育」から国家の基礎づくりを進めなくてはならない。「食えもしない核兵器」にいくら大金や労力を注ぎ込んでも、国を守ることはできない。
 金総書記は、日本統治時代の歴史ばかり学んで怨みを抱き続けるのもよいが、もうそろそろ、日本の戦後の復興から経済成長と繁栄の歴史を学んで欲しい。
 「衣食」が足りなければ、いつかは国民から「反撃」を受けるときがくる。それが中国古来からの「革命思想」である。北朝鮮国民の怨みを買い、襲撃を受ける前に、まずアメリカの軍門に下り、「チューインガム」や「チョコレート」を貰った方が、どんなにか得である。
 戦後の日本人の多くは、「アメリカに負けてよかった」とホッと胸を撫で下ろし、「軍閥」を恨んだものだ。アメリカは、有無を言わせず攻撃してくる野蛮な習性を持っているが、「軍門」に下ってしまえば、「食糧」などをドッと送り込んでくれる国である。金総書記も、早く日本の「昭和天皇陛下」の姿勢と態度に学び、「自分の身はどうなっても構わない。国民に食糧を」とマッカーサー元帥に懇願された。この身を捨てての行為にマッカーサー元帥がいたく感動し、陛下を心服するようになったと言われている。何事も「捨て身」でかかれば、「活路が開かれる」という実例である。


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イスラム系思想犯の「テロ防止」には、「思想の監視強化」と「別件逮捕」による未然予防しかない

2005年07月18日 22時40分51秒 | 政治
4人連れ…凶行の1時間半前 英同時爆破テロ実行犯の映像公開 (産経新聞) - goo ニュース

 ロンドン警視庁が16日、ロンドンの同時爆破テロ事件当日の7日朝に実行犯4人を映した監視カメラの画像を初めて公開した、と読売新聞の18日付朝刊が「1面」で報じた。「90分前の4人」というキャプションをつれられた画像には、確かにどこかにピクニックでも行くかのようにリュックサックを背負った実行犯4人の姿がはっきりと映されている。
 ロンドン警視庁によれば、4人というのは、①シェザード・タンウィア(22歳)②ハシブ・フセイン(18歳)③モハメド・サディック・カーン(30歳、パキスタン系英国人)④ジャーメイン・リンジー(19歳、ジャマイカ出身)。
 首謀者は、「英国生まれのパキスタン系で、アルカイーダと関係がある」人物とされ、すでに国外に逃亡している。また、「アジト提供者」とみられるマグディ・ナシャール(33歳、エジプト人の生化学研究者)を、カイロで逮捕しているという。
 ロンドン警視庁は実行犯4人のうち、ハシブ・フセインの死亡が確認、3人の死亡は未確認という。
 それにしても、ロンドン警視庁が、監視カメラの画像から「実行犯4人」と、首謀者、アジト提供者とまられる人物を、事件からさほど時間が経過していないにもかかわらず、それぞれ特定できたということから明らかになっているのは、「ロンドン警視庁が、イスラム系の過激な人物をすでのマークしていた」という事実である。ここの点までは、さすがに「情報の国・英国」の凄さを感じさせてくれる。
 だが、マークしていながら、実際に「テロ」に及ぶというところまでは予想していなかったということでもある。はっきり言えば、一瞬「ノーマーク状態だった」のである。治安当局としては、「怠慢」の謗りは免れない。実行犯4人が背負ったリュックサックのなかに、おそらくは、「爆弾」が入っていたに違いない。
 言うまでもなく、基本的人権尊重の立場からは、いかに危険な人物であろうとも、実際に犯行が行われなければ、ただ単に「危険思想の持主」というだけでは、「予防拘禁」することは難しい。
 そうかといって、被害者や被害が発生してしまえば、取返しがつかない。現行犯を逮捕するにしても、爆発が起きたのを確認してからでは、もう遅い。治安当局としては、極めて辛いところである。 戦前の日本には、泣く子も黙らせたほど恐れられた「特別高等警察」という機関が存在した。「政治思想犯」を取り締まる特別警察で、検察にも「思想検事」がいた。マルクスの資本論、マルンス・エンゲルスの「共産党宣言」ばかりでなく、「自由主義思想」に基づいて書かれた書物をただ「持っているだけ」で逮捕された恐怖時代があった。
 今回のロンドンで起きた同時爆破テロ事件のような「テロ」を未然に防ごうとするなら、「思想」そのものから取り締まる必要があるのだが、「自由と民主主義」を標榜する先進国である英国が、そのような基本的人権を無視する蛮行を行うことはできない。もちろん、いかに「自由と民主主義体制」であるとはいえ、その体制そのものを危機に陥れる「自由」まで許されているわけではない。そのギリギリの線のところで、治安を維持しなければならないのであるから、治安当局の苦労は、並大抵のことではない。
 となると、イスラム系の人々をこうした「テロ」に走らせない社会を築いていくしか妙手はないということになる。
 それにしても、多くの若者たちを思想的、宗教的にマインドコントロール下に置き、「自爆テロ」に踏み切らせてしまう教義や思想を吹き込む「指導者」たちの「罪」は、厳しく問わねばならない。その代表的な人物と目されているオサマ・ビン・ラディンらの指導者は、決して自ら進んで「自爆テロ」を行おうとせず、もっぱら多くの若者たちを唆し、煽り立てているばかりである。オサマ・ビン・ラディンらの指導者が、常に安全地帯にいるのが、何よりの証拠である。実に「卑怯」というか、「卑劣」極まりない。
 先進国とイスラム諸国との経済格差、イスラム社会の貧富の差などの深刻な社会問題を「テロ」を許す合理的な理由にすることを認めるわけにきいかない。これは、これとして解決の道を探るしかないのである。
 米、英、日など先進国の治安当局は、協力体制を強化して、イスラムの過激な思想の持主の割り出しと監視を怠ることなく、徹底的に追跡し、危険を察知した場合は、たとえ微罪を見つけては、「現行犯逮捕」に踏み切り、「自爆テロ」に踏み切らせないよう寸前で食い止めるための「合法的な捜査手法」を早急に確立する必要がある。こうした場合には、違法性が高くとも「別件逮捕」もやむを得ないとしなければならない。何の罪もない一般市民を守るには、これしかないのではないだろうか。


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米軍横田基地の管制権返還を第一歩に「全面返還」に向けて、しつこく要求し続けることが大事だ

2005年07月17日 18時01分24秒 | 政治
横田の管制権、返還で日米大筋合意…民間機に一部開放 (読売新聞) - goo ニュース

 日米両国政府が、在日米軍再編協議の焦点の一つである米軍横田基地(東京都福生市など)について、航空管制業務(横田ラプコン)を日本側へ返還することで大筋合意していることが16日、明らかになった、と読売新聞が17日付朝刊で報じた。
 横田基地の返還は、日本側の悲願だが、この合意が本当だとすれば、全面返還に向けての第一歩となる。
 米軍の軍用機が飛び交うこの空域に、民間機が入るのは禁止されている。東京上空は、民間機がラッシュ状態にあり、常に危険にさらされている。そのうえ、羽田空港に離着陸する民間機は、横田基地が存在しているため、極めて限られた狭い空域を飛び交い、常に「ニアミス」の危険にさらされている。このため日米両国政府は、今回の協議では「横田ラプコンの対象空域の一部を民間機の飛行ルートに開放することでも合意し、現在、空域の削減幅を調整中」という。
 日米安保条約上、横田基地が、極めて重要な役割と機能を果しているのは、十分に理解できる。だが、戦後60年にもなろうとしているのに、首都圏のしかも住宅密集地の近くに軍用基地が未だに存在しているという姿は、「独立国」としては、尋常ではない。
 横田基地の返還については、東京都の石原慎太郎知事が、最初の知事選挙で「公約」の一つに掲げ、アメリカ政府にも要請を続けてきている。その努力が、一部実現したような格好になる。だが、全面返還には、程遠い。
 私は平成15年10月10日付で、「石原慎太郎の日本を救う決断」(青春出版社刊)という本を上梓した。「第5章 大統領『都知事』の国策への布石」のなかで、「米軍横田基地の返還問題に風穴を開ける」という項目で、以下のように解説した。
 「次に兵革の災への挑戦である。日本は第二次世界大戦(大東亜戦争)に敗れて、連合国軍(GHQ)に占領され、平和憲法を授けられて以来、『憲法第9条』の規定に従い、『戦争の永久放棄』と『戦力の不保持』を堅持し、アメリカの核の傘の下で平和を享受してきた。この結果、日本と戦争とは無縁のものと錯覚し、ついには国民の多くが『平和ボケ』の状態にどっぷりと漬かってきた。
 しかし、戦後間もなく勃発した朝鮮戦争から、ベトナム戦争、さらにイラン・イラク戦争、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争と次から次へと戦争が起こり、そのなかで日本は、単なる『資金協力』に留まらない、『血の犠牲』を伴う『国際貢献』を求められて自衛隊派遣を迫られ、いやがうえにも戦争に引きずり込まれている。この結果、『憲法第9条』が、空文化の一途をたどっているのである。ブッシュ政権のイラク攻撃に対していち早く『支持』を表明した小泉首相の姿勢について、石原慎太郎は、
 『やっぱりご主人(アメリカ)の言うことを聞かなきゃいけないという、苦渋の選択はあったと思うね。だけど、今はもうそろそろシャンとしなきゃダメよ』
 と苦言を呈している。
 こうした一連の歴史的流れのなかで、石原慎太郎は、連合国軍(GHQ)の占領が終わった後も依然として『占領状態』になっている米軍横田基地の返還問題に風穴を開けようとしている。
 『日本というのはダメなんですよ。自分の問題だけどアメリカが動かないと動かない。こういう問題はね、ですから、向こうからボールを逆に投げさせるというのは、一種の外圧でしょうけど、私は必要な手立てだと思って準備もしてます』」
 読売新聞は、「一方、東京都は横田基地への民間航空機の乗り入れなども求めているが、日米間の交渉は難航している」と報じており、「風穴」を一気に大きくするのは、難しそうである。それでも「外交交渉」というものは、粘り強く続けていかなければ、こちらの「要求」を実県することはできない。「主張」しなければ、権利を回復することは、できないのである。民法の原則に「権利の上に眠る者は保護されず」というのがあるが、権利を持っていても主張しなければ、「無権利状態」になりかねないのであるから、ましてや「権利を回復」するには、よほど強く、しつこく、諦めず要求し続けていかねばならないのである。東京都知事が主張できるのは、自治体の権限内のことに限られる。「防衛問題」「安保問題」は、「国政マター」である。石原都知事が、自ら本気で横田基地返還を実現しようと思っているのなら、やはり「総理大臣」になるしかないようである。


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「法の華三法行」福永法源被告に懲役12年の判決、詐欺教団に騙されないよう気をつけよう!

2005年07月16日 23時21分23秒 | 社会
「法の華三法行」元代表、福永被告に懲役12年判決  (朝日新聞) - goo ニュース

 東京地裁の青柳勤裁判長は15日、詐欺罪に問われている宗教法人「法の華三法行」(解散)の元教団代表・福永法源被告(60)に懲役12年(求刑13年)、元教団責任役員・前沢あけみ被告(41)に懲役4年(同6年)の判決を言い渡した。
 青柳裁判長は「相談に訪れた人の不安をあおり立て、宗教の名の下に金銭的欲望を満たそうとした」と判決理由を述べている。
 「最高ですか~」と演壇から信者たちに向かって大声を張り上げていた光景が、テレビ映像に映し出されていたのが、いまなお鮮明に思い出される。
 医師でもないのに「足裏診断」と称して病気を診断したり、「お釈迦様の骨、仏舎利と称して、サンゴに法外な値段をつけて信者に買わせたり、富士山麓に豪華な宗教施設をつくり、世間を驚かせたりと、話題に事欠かなかった。
 福永被告は、山口県にある小さな宗教団体の信者から宗教活動にかかわるようになり、「出版型の宗教団体」が多くの信者を増やして繁盛しているのに目をつけてマネをしようと思いつき、「法の華三法行」と称する宗教団体をつくり、東京都内の出版社から自費出版で出した本をツールにして布教活動を展開し、病気などに悩む人々を信者にして行った。同じような手口で教団を増殖させたのが、「オウム真理教」の麻原彰晃であった。こちらは、「サリン」によるテロ事件を起こして、何の罪もない多くの市民を殺傷して、アメリカからは、「国際テロ集団」に認定されている。一方、やはり「出版型の宗教団体」でありながら成功しているのは、「幸福の科学」である。
 教義を伝播させて多数の信者を獲得する近道が「出版」にあるというのは、グーテンベルクが印刷技術を開発し、これをフルに活用したプロテスタントが「聖書」の普及して実証している。「聖書」は永遠のベストセラーズなのである。出版は、人々をマインドコントロールにかける有力な武器なのである。
 しかし、印刷技術を活用するのはよいとしても、「悪用」されては困る。福永法源被告は、その最悪な見本である。
 個々の人間というのは、精神的には弱いものである。「四苦八苦」(「生老病死」「愛別離苦・求不得苦・怨憎会苦・五陰盛苦」)悩まされるのが、人間であり、宿業ともいえる。
 この弱みに付け込むのが、「金銭・財産目当て」の悪徳宗教家である。不幸を感じている人は、大金をはたいてでも、そこから何とか逃れようとする。「苦」から解放されて、「楽」になれれば、大金など安いものだと考えてしまう。どこから仕入れてきたのかわからないような「サンゴ」を売りつけられて、ついつい買ってしまうのである。伝統的な宗教団体でも、「供養」や「戒名」「墓地」などに高い値段をつけて信者や檀家から大金を巻き上げている。僧侶は、信者の懐具合を推し量りながら、勝手に釣り上げる。この世界では、「定価」というものがないからである。
 また、やはり伝統的な宗教団体のなかには、僧侶の本務を信者に押しつけて、「新しい信者」の獲得に専念させている者も少なくない。僧侶から説法のなかで、繰り返し繰り返し「信者を増やせ」と言われれば、「地獄に落ちたくないから」とか「信者を増やせば、罪業を切れるから」とか思い込んで、自分の仕事や家庭をそっちのけで、信者獲得に熱中し、なかには、身代を食いつぶしている信者もいるのである。
 福永法源被告に対する判決を読みながら、一つの教訓が脳裏に浮かんできた。それは、「三井財閥」の創業者である三井高利の遺訓を家法の基本とすべく書き残した、高利の子・高平(宗竺)の遺書である。その一節にこう書いている。
 「一 仏神を敬い儒学を心掛け候事は人道に候。しかれども、いずれにても過ぎ候えば、身の家業をおこたり、おのずと異形の人のように罷り成り候。仏に志し過ぎたるものは出家のごとく、神道にたより候えば、禰宜・巫のようになり、儒者は利に屈し、人をあなどる。おのずと商売うとくなり、家滅す。各それぞれの行作あり。しかるに外の事に気を移し、代々の家職疎略に致し候事、仏神の妙慮に叶うべき哉。また仏神のために金銀財宝をなげうち、莫大の費え致し候事大きなるひが事と存じ候。仏神はその人の心にあり。しかるを金銀出して善を調え候ようなる事はあるまじく候」
 こう言いながら、三井高利は、実に信仰心の厚い人で、自分で寺を建てて、仏を供養し、祖先を尊崇していた。大変、タメになる遺訓である。

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「北海道・知床」の自然遺産登録が決定、人類の貴重な財産「世界遺産」を大事にしよう!

2005年07月15日 23時12分41秒 | 社会
知床、世界自然遺産の登録決まる (読売新聞) - goo ニュース


 ユネスコの第29回世界遺産委員会が14日、「北海道・知床」を「世界自然遺産」への登録を決めた。日本の自然・環境・文化遺産のうち12の遺産が「世界遺産」に登録されており、自然遺産は、屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森、秋田両県)に次いで3件目である。「北海道・知床」は、かねてから「推薦」されていたが地元の熱意も伝わり、ようやく念願が叶った。誠にめでたいことである。
 世界遺産に登録されている日本の自然・環境・文化遺産は、以下の通りである。
 ①白神山地
 ②日光の社寺
 ③白川郷の五箇山の合掌造り集落
 ④古都・京都の文化財
 ⑤古都・奈良の文化財
 ⑥法隆寺地域の仏教建造物
 ⑦紀伊山地の霊場と参詣道
 ⑧姫路城
 ⑨広島の平和記念碑(原爆ドーム)
 ⑩厳島神社
 ⑪屋久島
 ⑫琉球王国のグスク及び関連遺産群
 このほか、暫定リストに登録されているのは、武家の古都・鎌倉(神奈川県)、彦根城(滋賀県)、平泉の文化遺産(岩手県)、石見銀山遺跡(島根県)である。
 しかし、日本国民の大半が登録を願っている「富士山」は、ゴミによる汚染がひどく、世界遺産登録が認められていないという冷厳な事実に対して、国民は、深く反省し、「環境破壊」をどう防ぐかをしっかり考え、行動に移していく必要がある。「マナー」を守り、ゴミ拾いにも積極的に参加していかなければ、日本の象徴的な存在である富士山は、永久に自然遺産として登録されることはないであろう。
 だから、世界遺産に登録されるということは、並大抵のことではないという思いを深くするとともに、登録されてからがもっと大変であるとの自覚を持たねばならない。つまり、北海道・知床にしても、単に喜んでばかりはいられないのである。
 世界遺産に登録されれば、登録そのものが生む価値の大きさからいろいろな「ビジネス」が発生することが期待される。それぞれの地域の「歴史と文化」を「町・村起こし」に活かせるからである。 世界遺産に登録されたところでは、いろいろな行事が催され、多くの観光客を呼び込んでいる。
 たとえば、「白神山地」では、「ぶなの学校」を開催、林間学校、修学旅行の誘致、地元ガイドがトレッキング・登山を先導。白神山地の歴史など山を知り尽くした達人の話に耳を傾ける。ブナの森のふところに抱かれた「五能線沿線」の町村が観光誘致。「第2回世界自然遺産会議」(主催:第2回世界自然遺産会議実行委員会・青森県、開催場所:弘前市、鯵ヶ沢町、深浦町、西目屋村、開催時期:平成17年10月15日~17日)
 「白川郷の五箇山の合掌造り集落」では、白川郷の五箇山の合掌造り集落、建築学上の構造解明。これに感嘆している観光客が続々と訪れている。
 「厳島神社」では、厳島神社の舞台の建築学上の構造解明(筏方式の舞台と先人たちの智恵に感嘆!)、参道やのお土産物店、飲食店などで世代交代し、若い世代が店舗を近代的に改装、観光客へのサービス精神を旺盛にしている。
 その半面、観光誘致や観光客がもたらす「マイナス面」にも、用心していく心構えが大事になる。
 たとえば、最近、屋久島の縄文杉の一部が、何者かの「悪質なイタズラ」によって削られたり、白神山地のブナの森にペットボトルや空き缶が捨てられたりして、大事な遺産が損なわれる事態が発生している。熊野古道では、林業を営む所有者が、「勝手に遺産登録されて営業妨害されている」などと木々や岩などに赤いペンキを塗って抗議する騒ぎが起きている。これは山林地主への配慮を欠いたのが原因で、行政がすでに反省と謝罪をしている。「世界遺産に登録されたい」と焦り、地元への十分な配慮と補償措置を欠いたための失態である。何とか善処して欲しいものである。
 自然・環境・文化遺産は、人類の貴重な財産だ! 大事にしようではないか!


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扶桑社の歴史教科書は、所詮「商品」の一つにすぎないのだから、「自由と民主主義」に任せればよい

2005年07月14日 23時46分52秒 | 反日問題
つくる会などの著書、独断的廃棄は違法…最高裁判決 (読売新聞) - goo ニュース

 栃木県大田原市教育委員会が「新しい歴史教科書をつくる会」メンバーらが執筆した扶桑社の教科書を採択したことに対して、扶桑社の教科書採択に反対するグループ「子どもと教科書全国ネット21」が記者会見し、採択の撤回を求めているのは、「憲法違反もはなはだしい」蛮行である。
 この教科書が「日本の侵略戦争を美化した教科書で、学校で使うのにふさわしくない」との理由のようであるが、「ふさわしくない」というのは、一体、だれの判断なのか。
 「商品交換」によって経済活動が成り立っている資本主義社会のなかでは、思想、信条、哲学、宗教ともに、所詮は、「商品」にすぎない。「マルクス主義思想」「プラグマティズム思想」「神道思想」などと、市場には、ありとあらゆる思想、信条、哲学、宗教があふれ、「買手」をもとめている。どれもこれも「商品」なのだから、だれがどの商品を買おうとも自由ではないか。偉そうな思想、信条、哲学のいずれも、鉛筆や筆箱、画用紙と同じの価値しか持っていない。
 その商品の一部に対して、「不買運動もどき」の反対運動を起こして、悦に入っている感覚は、頭がおかしいとしか思えない。
 こうなると、扶桑社の教科書採択に反対するグループが推奨する歴史教科書に対して、大々的な「不買運動」が澎湃として起きてこないものかと、気をもんでしまう。
 昭和50年代初頭から、「憂うべき教科書問題」とか「偏向教科書に対する告発」などといった保守体制側からの猛烈な抗議運動が起きた。これに対して、韓国の文鮮明師が指導する「統一協会」が自民党本部と連携して、「反共」の立場から、歴史教科書を徹底的に攻撃した。これに対する反発から、日本社会党・日教組などの反体制側が、中国や韓国に「ご注進」の暴挙に出て、この動きが革新勢力の定型的な示威運動となった。早い話が、中国や韓国の手先を演じてきたのである。これにマスコミが便乗したのだから、始末が悪い。中国や韓国が、日本を脅迫し、騒ぎを収めるために、「金銭」を日本政府にせびり、「乞食外交」を続けてきた。この体質は、今日の中国や韓国も基本的に変わりはない。
 扶桑社の教科書採択に反対するグループ「子どもと教科書全国ネット21」がこれほどまでに憎しみを込めて反対運動を行うのか。並みの常識的感覚では、とても理解し難い。
 やはり、反対者は、何事もイデオロギーで物を考え、共産主義思想に反する教科書は、絶対に許せないという態度を取っている。これこそ、日本国憲法下の「自由と民主主義国」の政治思想や哲学の反している。「自由と民主主義国」は、あらゆる思想、信条、哲学、宗教を許容しているのである。自分の嫌いな歴史観だからといって、全否定するのは、「自由と民主主義国」の原理・原則に真正面から敵対する行為である。
 世の中にどんな歴史教科書が出版されようとも構わないではないか。それが、「自由と民主主義国」というものである。扶桑社の歴史教科書に対して、「日本の侵略戦争を美化した教科書で、学校で使うのにふさわしくない」などと身勝手な論理を振り回して、我田引水するようなPRを繰り返し、いろいろ心配するお節介は、もうヤメにして欲しい。心配しなくても、ナショナリズムに目覚めた若者たちは、教科書に頼らず、図書館から借りてでも、いろいろな歴史書を読むことができる。教科書は、その一環にすぎない。それどころか、「試験」が終われば、教室で習ったことは、大半の学生は直ぐに忘れてしまう。教科書論争は、子どもたちには、ほとんど無意味なのである。徒労に終わるような反対行動は、時間の無駄である。


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小泉外交は「八方塞がり」どころか、「拉致被害者問題」以外は「気楽な稼業」になっている

2005年07月13日 22時10分06秒 | 政治
竹島の韓国名「独島」を艦名に、大型輸送艦が進水 (読売新聞) - goo ニュース

日朝交渉仲介を拒否 中国、日本の要請に (共同通信) - goo ニュース

米国、G4提出の国連安保理拡大決議案に反対表明 (ロイター) - goo ニュース
 
 このところの日本外交に対して、マスコミがこぞって「八方塞がりの小泉外交」などと批判している。だが、本当に「八方塞がり」なのだろうか。そんなことは、少しもなく、「気楽な立場」と「フリーハンド」を得て、むしろ、「八方開放」の自由な立場になっているのではないかとすら感じられる。とくに3つの点で日本にとって都合のよい状況になっているのではないか。
 ①アメリカが、国連安保理事会常任理事入りに反対するような態度を国連で示してくれたのは、日本国民として感謝すべきである。国連憲章の「敵国条項」がいまだに削除されず、実態はともかく、法形式的には、日本が連合国の「敵国」であり続けているにもかかわらず、しかも、日本国憲法第9条が改正されてもいないのに、国連安保理常任理事国入りを目指すというのは順序が違う。憲法第9条を持ちながら、国連安保理が「国連としての軍事行動」を常任理事国をはじめ加盟国に要請した場合、日本だけは「参加できない」とはっきり拒否できるのだろうか。おそらくは出来ないであろう。そうなると、日本国憲法の辻褄合わせをしなくてならなくなるが、現行憲法の下では、国連安保理の常任理事国入りするのは、難しい。
 ②北朝鮮が「6か国協議」に復帰するに際して、「日本は何ら寄与していない」と言い、中国、韓国が「拉致問題は議題にならない。二国間で処理すべき問題である」と明言しているのは、日本には大変好都合である。そうまではっきり言ってくれているのだから、日本は、「拉致被害者奪還」を北朝鮮に訴えて、これに誠実に応えようとしないなら、この際、「経済制裁」を即刻断行すべきである。日朝2国間の問題であるから、日本が北朝鮮に「経済制裁」しようとも「6か国協議」の議題にもならないばかりか、仮にクレームをつけてくれば、堂々と、「2国間の問題だから、干渉するな」と反撃できる。文句を言われる筋合いではないのである。
 ③韓国海軍が12日、日本の竹島の韓国名「独島」を艦名にしたアジア最大級の大型輸送艦「独島艦」(1万4000トン)を進水させた。全長約199メートルで、乗組員約300人。海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(8900トン)より大型である。盧武鉉大統領が「独島艦は我々の自主国防の意思と世界最高の造船技術が成し遂げた成果である」と絶賛している。
 この韓国海軍の「成長ぶり」は、日本にとっては、大変喜ばしいことである。これだけ最新鋭の輸送艦を建造した以上、アメリカの要請があれば、即時に対応できるはずである。韓国は、ベトナム戦争に最強の「龍虎師団」を送り、その勇猛果敢ぶりは、アメリカ軍を感嘆され、韓国の地位向上に大きく貢献した。
 だが、アメリカはまだまだ韓国を低く見る傾向が未だに続いている。これを覆してさらに評価を高めるには、アメリカが主導する戦場に率先して出撃して、韓国軍の精強さをしっかりと証明してもらわなくてはならない。
 この点については、日本はもうそのレベルのことは、すでに卒業しているのであるから、今後とも、韓国軍の活躍に一切を任せて、日本は憲法の制約の枠内での「国際貢献」に励めばよい。生死を賭けた国際貢献は、できるだけ韓国軍に任せたらよいだろう。
 平和憲法を持つ日本は、海軍力の規模や装備を他国を競う必要はまったくないのである。
 この意味で、日本は、韓国軍の活躍に大いに期待すべきである。韓国海軍が、韓国の自尊心をたっぶり示す輸送艦「独島艦」を建造した今、実戦配備する平成19年が待ち遠しい限りである。
 このように、外交というものは気軽に処理するべきものである。しかめ
っ面して辛そうに行うべきものではない。日本外交の重荷が、少しでも軽くなれば、精力や財力を本当に重点的に注ぎ込むべきところへ、投入できる。
 ちなみに、中国・北京政府には、北京政府の都合があり、韓国や北朝鮮には、それぞれの国の都合というものがある。超大国・アメリカやロシアにも、やはり都合というものがある。相手の都合に合わせて、それらに応えようとすると、こちらは、非常に辛くなり、息苦しくなる。こちらにも、こちらなりの都合があるということを相手に知ってもらい、理解してもらわねば外交は成り立たない。一から十まで「へりくだる」だけが、外交ではないのである。だから、「他国のことを無視してはならない」けれども、同時に他国も日本のことを無視したり、軽くみてもらっては困る。
 繰り返して言うが、小泉外交は決して「八方塞がり」ではない。逆に「気楽な稼業」になっている。
 日本海に集結しているアメリカ軍の総攻撃を受ける寸前まで「瀬戸際外交」を行ってきた北朝鮮の方が、いままさに「危機一髪」であり、大変な状況に立たされている。
 中国は、「石油危機」「食糧危機」「水不足危機」を抱えて、しかも「バブル経済崩壊」という危機に晒され、アメリカ軍からは、台湾と中央アジアの両面から挟み撃ちにされて、まさに危機に立たされている。
 中国、韓国は、北朝鮮に暴発されてもらってははなはだ困る。アメリカ軍が、人民解放軍を警戒しているからである。
 こうした点において、日本は、「拉致被害者問題」という難問を抱えてはいるものの、外交においては、かなり「無責任」なほど、「気楽な立場」にある。外交力学の妙を見逃してはならない。

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2.26事件で処刑された青年将校らの「遺書」発見を機に政治家は「緊張感」を持つべきである

2005年07月12日 23時17分29秒 | 政治
2・26事件、将校ら17人の遺書発見 (読売新聞) - goo ニュース
 
 「2.26事件」で死刑判決を受けて処刑された青年将校ら17人分の遺書45枚が69年ぶりに見つかったと読売新聞が12日付朝刊で報じた。読売新聞の「トクダネ」である。この日は昭和11年7月12日の処刑日に当たり、将校らの遺族がつくる「仏心会」が「70回忌」を営んでいる。
 「2.26事件」は、「日本史」の1ページを彩る「過去の事実」として、いまやすでに「風化」しつつある。自由で民主主義の国家である平和な日本という位置から、69年前を振り返っても、当時の実感を共有することは、もはや不可能に近い。これは、中国や韓国から、「歴史認識」を問われても、容易に「反省」や「謝罪」することが、現代人にとって、ほとんど儀礼的にしか対応できないことと同様である。
 だが、青年将校らが処刑前に入っていた陸軍刑務所の看守に宛てた「大君に 御國思ひて 斃れける 若き男乃子の心捧げん」(栗原安秀中尉)などという遺書が、69年ぶりに発見されたという報道に接すると、「時空」を超えて、当時の青年将校たちの最期の「叫び」がにわかに蘇ってくるような不思議な気分にとらわれる。
 昭和11年2月26日、歩兵第1・3連隊などの皇道派青年将校が、兵1400人を率いて首相・陸相官邸、警視庁などを襲撃、蔵相・高橋是清、内大臣・斉藤実、教育総監・渡辺錠太郎を殺害、侍従長・鈴木貫太郎に重傷を負わせ、国家改造を要求。岡田首相は危うく難を逃れた。軍事参議官会議は、反乱軍を警備部隊に編入、天皇、侍従武官長・本庄繁に鎮圧を督促。内相・後藤文夫を首相臨時代理に任命。内閣、辞表を捧呈。27日、東京市に戒厳令布告。29日、戒厳部隊は、反乱軍を包囲して、討伐行動を開始、反乱部隊降服、青年将校逮捕。(埼玉県の畑和・元知事が、反乱軍の兵士のなかにいて、このときの回想録から、小生は「兵士たちの2.26事件」を教えられたことがある)
 大体、こんな経緯で、青年将校の「クーデタ」は、失敗したのであった。失敗の最大の原因は、「準備不足」、「下士官・兵を騙したこと」にあり、とくに、「昭和天皇」を「確保」できなかった点にある。「クーデタ」は、成功すれば、「軍事政権樹立」となり、失敗すれば、「死刑」となるのは、当たり前である。政治というものは、非情である。
 「社稷を思わない政治家・軍閥・財閥」に「天誅」を与えて「世直し」を志した青年将校たちの気概に異議を唱える者は、案外に少ないのであるが、青年将校たちにとって、最大の誤算は、昭和天皇に誉められようと思って決起し、クーデタに走ったものの、昭和天皇を「不快」にさせたことだった。だから、直ぐに「鎮圧」されてしまったのである。陸軍上層部は、青年将校の反乱を逆用して「軍閥政治」を確立し、その果てに日本は、東条英機ら軍閥の下で大東亜戦争に突入していくことになる。
 今日、東条英機ら軍閥の戦争責任を追及する声が、一般的であるが、それは、一面的である。最も悪いのは、軍閥ではなく、軍閥に跳梁跋扈されるに至った「政党政治家」「東京帝国大学法学部卒の高級官僚」「財閥」であった。とくに世界大恐慌以来、経済が破綻し、東北地方の農村における「娘の売買」という悲惨な状況を放置した政治家、財界人、そして学者、マスコミの責任は極めて重い。 このことを忘れては、大東亜戦争の責任問題は、語れない。程度の差こそあれ、今日においても、悲惨な状況は続いている。自殺者が毎年3万4〇〇〇人前後も出ており、ホームレスが全国に2万4000人もいるという現実である。
 政治家は、軍隊や警察という「武装集団」が、いつ「クーデタ」を起こしかもしれないという恐れを持って、政治を行うべきである。また、社会党の浅沼稲次郎委員長が、日比谷公会堂で山口乙矢に刺殺されたり、朝日新聞神戸支局が「赤報隊」を名乗る集団に襲撃されて支局員が殺されてしまったような「テロ事件」が、今後起こらないとも限らない。ロンドンで起きたような「同時多発テロ事件」が、東京でも起こるのではないかと取り沙汰されている昨今である。政治家ばかりでなく、何の罪もない一般市民まで巻き添いにされる事件が多発している現実に一層の危機感を持つべきは、政治家である。政治は、遊びでもゲームでもない。油断していると「凶弾」「凶刃」に襲われる危険がある。政治家は「命」を賭けて「経世済民」「先憂後楽」の仕事を行う職業である。
 こういう意味から、日本の政治家もこれまで以上に「緊張感」を持って政治を行う必要がある。「2.26事件」に関わって死刑判決を受けて処刑された青年将校らの「命日」に「遺書」が見つかったのを機会に、政治家は、その「責任の重さ」を再発見しなくてはならない。


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北朝鮮には、「経済制裁」を断行し、「6カ国協議」は『他人まかせ』にしたらよい

2005年07月11日 23時33分28秒 | 北朝鮮問題
6カ国協議で積極的役割 韓国進展へ全力 (共同通信) - goo ニュース


北朝鮮が、「6カ国協議」に復帰しすることになった。朝鮮中央通信は、
①米が「主権国家」と認めた
②「侵攻の意思」がない
③「朝米2国間協議」を行なう
 と報道している。
 しかし、米国のライス国務長官が北朝鮮を「主権国家」と認めているとは言っても、「圧政国家」ではないと明言しているわけではない。また、「侵攻」については、「当面はない」だろうが、米国が、北朝鮮の現体制維持を確約しているわけでもない。
 ましてや、米国が北朝鮮との「二国間会議」に応じるとは言っても、「二国間交渉」に応じているわけではない。
 北朝鮮の食糧危機は、かなりひどい状態といわれている。中国や韓国から食糧支援しても、際限がないだろう。
「自助自立」しなければ、北朝鮮は、いつまでも他国からの「ミルク補給」を受け続けなくてはならない。
 今回「6カ国協議」に出るごほうびに米国から「食糧支援」を受けることができたとしても、永遠に支援が続くわけでもない。
 日本は、「拉致問題」を解決しなければ、「食糧支援」どころではない。
 北朝鮮は図々しくも「日本は何の貢献もしていない」とウソぶいているが、「食糧支援」のことを言っているのだとしたら考え違いもはなはだしい。
 北朝鮮にそこまで言われるのならこの際、何も貢献していないついでに思い切って「経済制裁」を断行してはどうか。
 北朝鮮の外交手腕を高く評価する向きもあるが、「乞食根性」から出た外交は、「まともな外交」とは言わない。
 日本は、たとえバカにされても北朝鮮政策は、「米国まかせ」「中国・韓国まかせ」ついでに「ロシアまかせ」に踏み切り、「圧力」を加えることが肝要である。
 何事も態度で示さなければ、相手の言うことを認めたことになる。「効果」うんぬんを議論するよりも、政治的アピールが大事だ。



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