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金融のプロが「1ドル=500円の大暴落が起きる」と断言する理由>日本人は「みんなで貧乏」になるしかない…

2022年12月20日 13時03分42秒 | お金のこと
巨大累積赤字を異次元緩和という名でカモフラージュした財政ファイナンスにより先送りしてきた危機が表面化しようとしている。

 これこそ今後とも円安が進行し、そして最後に円大暴落となる原因なのだ。  
日本人は「みんなで貧乏」になるしかない…金融のプロが「1ドル=500円の大暴落が起きる」と断言する理由


10/22(土) 13:16配信
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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

日本円の価値がどんどん下がっている。今月20日には、一時1ドル=150円を突破し、32年ぶりの円安水準が続く。モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)元日本代表の藤巻健史さんは「お金のバラマキを続けてきたツケだ。政府や日銀に止める方法はなく、日本人は貧乏になるしかない」という――。

 【写真】衆院予算委員会で立憲民主党の階猛氏の質問に答弁する日本銀行の黒田東彦総裁(左手前)。右端は岸田文雄首相 2022年10月18日 国会内

■円安はどこまで続くのか 

 G20直後の15日、バイデン米大統領はドル高を容認するとともに「問題は他国の経済成長や健全な政策の欠如だ」と述べた。ことドル/円に関しては、そのままズバリの分析だ。  

巨大累積赤字を異次元緩和という名でカモフラージュした財政ファイナンスにより先送りしてきた危機が表面化しようとしている。

  これこそ今後とも円安が進行し、そして最後に円大暴落となる原因なのだ。  

私が昨今、1ドル400円から500円を経て天文学的数字になるだろうと朝日新聞、週刊エコノミスト、文藝春秋等で主張してきた理由である。 

 この結論を過激だという人が多いのは承知している。しかし、私はオーソドックスな金融論を学び、それに基づきマーケットで勝負をして実績をあげ、一橋大学経済学部や早稲田大学商学研究科等でオーソドックスな金融論を教えてきた人間だ。 

 その人間から見ると、日銀が極めて過激な行動を取っている。  世界中で「禁じ手中の禁じ手」といわれていた財政ファイナンス(政府の借金を日銀が新しく紙幣を刷って賄う)然り。価格が変動の大きい株や長期債などを大量保有している現状も然りなのだ

。 ■国の借金を日銀が肩代わりする禁じ手 

 発行国債残高の半分以上を日銀が保有しているのは、政府・日銀がいかに詭弁を用いようとも財政ファイナンスそのものだ。

 「価格が変動の大きい株や長期債などを大量保有している」のは「通貨の信用棄損を避けるため、中央銀行は価格の上下動の激しい資産を保有してはいけない」という中央銀行の鉄則を破るものだ。

  私が銀行員の時は、中央銀行は価格の動きが少ない約束手形や3カ月程度の短期債しか保有しなかった。それらの鉄則や常識をことごとく破っているのが黒田日銀だ。 

 オーソドックスな金融論からすると、あまりに過激なことをする日銀の将来に対して、私の考える結論が過激になるのは致し方ない。 

■円安が止まらない二大要因  

今現在、ドル高/円安が進行しているが、マーケットは日米金利差をその理由としている。もちろん、これはドル高/円安進行の強力な理由だ。

  私が「こんなに簡単なマーケットは、長いディーラー人生でも初めてだ。ドル高/円安が進む」と春先から声を大にして申し上げてきたのは、これが理由だ。 

 ディーラーとしての経験から、

ドル/円の方向を決める二大要因は「日米金利差日本の経常収支動向」だと思っていた。この二大要因が、同時に円安方向を向いているのは私の長いディーラー生活でも初めてだからなのだ。

  「経常収支が赤字化すると長期金利高、通貨安又はその両方が起きる」というのはオーソドックスな金融論が教えてくれるところ。  

日米金利差拡大はいろいろなチャネルを通じてドル高/円安を推し進める。

  まず、投機筋によるドル高進行だ。低い金利の円を借りて高金利のドルに換えドル投資するキャリートレードがその1例だ。ただしマスコミや識者がしばしばキャリートレードに触れるが、実際にそれをやっているのはミセス・ワタナベがやっている(注:日本人の個人FXトレーダーのことを海外ではなぜかミセス・ワタナベと呼ぶ)FXくらいだ。 

■円売り・ドル買いでぼろ儲けの「投機筋」 

 ヘッジファンド等の日米金利差利用の勝負は、為替先物で行われる。一般の方は為替の直物と言って、今日、ドルと円を交換する(銀行の窓口で円と当日交換できるが、プロ同士は2日後)のが通常だ。 

 一方、輸出入やヘッジファンドが多用する先物とは、先々の日(例えば1年後)に決済(円とドルの交換)をするのだが、その時のレートを今日決めておく取引だ。理論的に日米金利差が開くとその先物のドル価は下がる。



 例えば今直物が150円、1年の先物が140円だとする。それが日米金利差がさらに開くと110円へと下落する。  あなたは買いたくならないか? 

 もっと日米金利差が開き、1年後の先物レートが80円になるなら、あなたのドル先物購入意欲は更に増すだろう。

年たって、その時点での直物レートが150円と本日と変わらなければ、1年前に約束した80円でドルを引き取り、直物市場で150円で売れば、ぼろ儲けだからだ。  

このように日米金利差が開くと投機家が先物のドル買いに殺到する。(少し専門的になるのだが)ドルの先物レートは「直物の買い」と「直先の幅」の取引の合算。したがって魅力的になった先物のドル買いによって直物のドル買い圧力が生じるのだ。だからドル高。

 ■「マーケットが既に織り込み済み」という解説はウソである  

よく「金利差が開くことはマーケットが既に織り込み済み」などとトンチンカンな解説をする人がいるが、そのような人は素人だと思った方がいい。 

 「上記の取引が増えるだろうからドルが上がるだろう」との先読み(=織り込む)は存在するが、上記の取引自体は、実際に日米金利差が開いた後でないと出来ないからだ。なにせそれまでは魅力的なレートが出現しないからだ。 

 以上のような投機家の動きだけでも充分大きな圧力だが、日米金利差が開くと実需のドル買いもドルを押し上げる。 

 ドルで運用する資金を円で調達しようという行為が、その一例だ。 

■投資の神様・バフェット氏も日本円で資金調達 

以前、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが円の社債を発行した際、日本の株関係者は、「バフェット氏が今後日本株を買う証拠だ」と大喜びをしたが、私はSNSに「そんなことは無い。バフェット氏はさすが頭がいい。円で資金調達し、米国でのドル投資に使うだろう」と書いた。 

 日米金利差が開けば、このようなオペレーションが山ほど出てくるだろう。それが経済的に合理的だからだ。  

世界で最も低い金利の円で資金を調達し、ドルに換えそのドルで投資(設備投資などを含む)をする。為替ヘッジはしない。満期になり借金を返す時に円安が進んでいれば、借りた時よりはるかに少ないドルで借金を返済できる。マイナス金利での資金調達、すなわち借金をして金利が儲かることが可能になるのだ。

以下はリンクで




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自衛隊の離職率は極めて高い。研修終了後10年以内に50%程度が辞め、定年退職まで残るのは

2022年12月20日 08時03分29秒 | 社会のことなど
順位によって出世の仕方が変わる」自衛隊の環境がハラスメントを生む理由

東田俊介
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―[[自衛隊のヤバすぎる]実態]―自衛隊の離職率は極めて高い。研修終了後10年以内に50%程度が辞め、定年退職まで残るのは、同期のうち4割程度ともいわれている。私たち国民を守ってくれるはずの組織が、なぜそんな状況になってしまうのだろうか。 



「時代錯誤」な感覚がハラスメントを生む?幹部候補生の学校生活

 
広島・江田島市にある海上自衛隊幹部候補生学校。通称「赤レンガ」とも呼ばれる



自衛隊で役職に就くにあたり、避けては通れないのが「幹部候補生学校」に通うことだ。部隊によって差はあるが、半年以上の入校が一般的。短い期間のように思うが、元海上自衛隊の3等海佐だった30代の坂口さん(仮名・男性)は「もう二度と行きたくない」と当時を思い返す。

11/24/2022


「朝6時にラッパが鳴って起床するんですけど、みんな5時20分ぐらいには起きて、ひげ剃り、洗面、布団を綺麗に畳んでおくなど身の回りのことをすべて済ませています」 起床後はダッシュで校庭に出て体操、乾布摩擦、腕立て伏せなどを行い、部屋に戻れば再び布団のチェックをする。 

「ベッドメイキングは基礎中の基礎で、一切の乱れが許されません。指導者にシーツや毛布をわざと剥がされることもあって、それを再び元に戻す。すべて船上生活を想定しての訓練です」 

「何が楽しくて生きているんだろう……」

 
元海上自衛隊の3等海佐の坂口さん。幹部候補生学校で力尽き、自衛隊を辞めてしまっ

その後は8時間の授業が待っており、

「休憩」や「自由時間」という概念はない。昼食と夕食の後に40分ほど時間があるが、この時間を使い「制服や作業服にアイロンをかける」「靴を磨く」「宿題をする」など決まった日課をこなす。消灯時間の22時まであっという間だ。

 「そもそもスマホも取り上げられていて、言葉は悪いですが囚人のような生活。自分が望んだので当たり前ですが、『何が楽しくて生きているんだろう……』と自問自答することはしばしばありましたね」

 「時代錯誤」とも言える幹部候補生学校の生活。有無を言わせない規律、階級社会を自衛隊員としてのキャリアの序盤に味わうことで、のちのハラスメントにつながってしまうのではないか……そんなことを考えてしまう。 

自衛隊の環境はなぜハラスメントを生むか

 
広島・呉市の海上自衛隊に掲げられていたPR。昔から地元では就職先候補に挙げられるが……


ここまで自衛隊というものが、いかに「一般社会とかけ離れた環境」にあるかを伝えてきた。海上自衛隊に30年近く勤務した元幹部の沖田さん(仮名・男性)は「圧倒的な縦社会に置かれ、他との競争を強いられることが原因」と語る。 

幹部候補生学校でも、例えば200人いたとしたら、1から最後まできっちり順位づけされるんです。それによって出世の仕方も変わってくるので、成績を上げるためにどんなことを考えるかと言ったら、『上司に良い顔をする』『人の足を引っ張る』といったよこしまなこと」 その圧倒的な縦社会こそが、さまざまなハラスメントを生む要因になっていることは容易に想像できる。

 

競争意識に拍車をかける「学歴による待遇の差」



また前出の坂口さんは、「学歴による待遇の差」も競争意識に拍車をかけていると加える。 

3佐から2佐、2佐から1佐に昇進するときの材料として、同期からその人に対する評価を短い文で書く『同期間評定』というものがあります。このあたり、“防衛大卒業かそうでない人”で如実に変わってきて、前者であれば同窓生からの好意的な意見が一斉に集まるんです。

一般大学から入隊した人からすれば『卑怯だな』となりますよね。そうしたやっかみを持った人は周囲にも結構いました」 陸・海・空で、24万7000人を抱える巨大組織、自衛隊。それだけ人数がいれば、中で起こる多少の争いは仕方ないだろう。

 だが、任務の本質は日本の国防。機能不全に陥れば、国家として残された選択肢はほとんどなくなる。失われつつある信頼を取り戻すため、今すぐ自浄作用を備えてほしい。 取材・文/東田俊介


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新型コロナ、見えない先行き──どうなれば「小康状態」や「終息」といえるのか?>2020年3月

2022年12月20日 03時03分36秒 | 国際情勢のことなど
新型コロナ、見えない先行き──どうなれば「小康状態」や「終息」といえるのか?

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、世界保健機関(WHO)は、3月11日、「パンデミック(世界的な大流行)」を宣言した。これにより、世界各国で国境封鎖や感染地域からの入国制限、都市封鎖(ロックダウン)などの措置が取られている。今年予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催日程は、1年延期(それぞれ2021年7月23日開幕・8月8日閉幕、8月24日開幕・9月5日閉幕)となることが決まった。

2021
3月31日現在、世界全体で感染者は75万0890人、死亡者は3万6405人。日本では、感染者は2665人、死亡者は63人(横浜港に停留したクルーズ船を含む)に達している。[WHO' Situation Report-71 '(2020.3.31)より]

【チャートで見る】コロナ失業のリスクが高い業種

日本でも、集団感染を避けるために、小中高校の臨時休校や在宅勤務、外出自粛などの拡大防止策が取られている。政府は、換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面、の3つの「密」を避けるよう、注意を促している。こうした措置によって感染拡大のペースは落ち着くのか。そして、どうなれば小康状態に至り、終息宣言が出せるのか。少し考えてみたい。

<集団感染を防ぐカギは「潜在的な感染者」>

現在の拡大防止策は、集団感染を防ぐことを重視している。感染のピーク時の患者の発生を、病床数や医師・看護師の数などのキャパシティ以下に抑えることと、ピークの到来を先送りして医療体制を整備したり、医薬品を開発したりする時間を確保する狙いがあるといわれている。

これは、発症して医療施設で受診する患者以外にも、潜在的な感染者がいることを想定したものだ。潜在的な感染者には、感染したが発症前の人(発症前感染者)、症状が出ない人(不顕性感染者)、症状は出るが医療施設で受診しなくても軽症で治る人(軽症感染者)がいる。こうした潜在的な感染者も、感染力を持つ場合がある。

その場合、発症して受診した患者を隔離しても、潜在的な感染者からの感染を防げなければ、感染は拡大してしまう。

それでは最近の感染症ではどうだったのか、みてみよう。

まず、2002年11月に流行開始し、2003年7月に終息したSARS(重症急性呼吸器症候群)では、潜伏期間や発症初期の患者の感染力は比較的低かったとみられている。患者が本格的な感染力を持つのは、発症して肺炎に至る約5日後からといわれる。このため、発症前感染者や発症初期の患者の隔離を徹底することで、感染拡大を食い止めることができた。その結果、短期間で感染の終息に至ったとされている。

エンデミックとして定着> 
いっぽう、2012年9月に初めて患者が報告されたMERS(中東呼吸器症候群)の場合は、SARSに比べて重症化しにくく、不顕性感染者や軽症感染者が一定割合いた。不顕性感染者からの感染力がどの程度あるのか、現在もよく分かっていない部分はあるが、とにかく隔離は必要とされてきた。ただ、残念ながら潜在的な感染者からの感染は、いまも続いているようだ。中東地域で、いまだに感染が終息していない背景には、こうしたことがあるとみられている。

インフルエンザの場合も、潜在的な感染者が問題となりやすい。インフルエンザに感染して症状が出ても、通常の風邪と見分けがつきにくい。このため、なかなか病院に行って診療を受けず、少々無理をして会社や学校に来てしまう。こうした行動により、感染が拡大しやすいといわれている。

それでは、今回の新型コロナウイルスはどうか。現状では、不顕性感染者や軽症感染者が一定程度いるとみる研究者が多いようだ。感染拡大のペースを落ち着かせるためには、潜在的な感染者からの集団感染を防ぐことが必要となる。そのため、潜在的な感染者を念頭に置いた拡大防止策が実施されているのが現状である。なお、感染の実態解明に向けては、引き続き、疫学や病理学の調査・研究が進められるだろう。

<どうなれば小康状態といえるのか?>

拡大防止策がうまく働いて、最終的に感染症が終息(患者が1人もいない状態)すれば、それに越したことはない。しかし、期待通りにうまくいくとは限らない。専門家の多くは、新型コロナウイルスがエンデミック(風土病として、感染症が地域に一定の割合で発生し続けること)として定着するとみているようだ。

たとえば、ハーバード大学のマーク・リプシッチ教授は、アメリカの雑誌記事の中で、こう予測している。

〈来年までに、世界の40%から70%の人々が、新型コロナウイルスに感染するだろう。ただし、すべての感染者が重症となるわけではない。感染者の多くは、軽症か不顕性感染となるだろう〉
 (The Atlantic誌/2020.2.24)

そこで、現段階では、感染拡大を小康状態に持ち込むことが、当面の目標となる。

政府は2013年に、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を公表している。この計画は、今回、新型コロナも適用対象に加えるよう改正された、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて作成されているものだ。そこでは、感染症の拡大をいくつかの時期に区分けして、各期に応じた対策を取ることとしている。

まず、海外で感染症が発生した「海外発生期」。次に、国内で初の患者が発生した「国内発生早期」を経て、国内で初めて患者の接触歴が疫学調査で追えなくなった「国内感染期」に入る。この時期には、医療体制を維持しつつ、健康被害を最小限に抑えて、生活や経済への影響をできるだけ小さくすることが、目標となる。
4月現在は国内感染期> 
今回の新型コロナウイルスでいうと、2月19日に開かれた政府の専門家会議で、国内の状況としてはすでに感染早期という初期の段階ではなく、拡大感染期に入ったとの意見が出ていた。現在(2020年4月初め)は、感染経路が不明な患者が各地で発生しており、国内感染期に入っているとみることができる。

そして、患者の発生が減少し、低い水準でとどまっている「小康期」に至れば一段落。大流行は一旦終息している状況だ。小康期には、生活や経済の回復を図り、流行の第二波に備えることとされている。ただし、この小康期に入るための数値基準は示されていない。

<過去の感染症でみる「小康状態」>

そこで、SARS、韓国でのMERS、新型インフルエンザが小康状態に至るまでの流れを、簡単に振り返ってみよう。

【SARS】

SARSは2002年11月に、中国広東省仏山(フォーシャン)市で流行が始まった。当時、WHOには、中国で妙な肺炎が発生している―とのレポートがなされていた。このレポートは中国語で書かれていて、タイトルだけが英語に翻訳されていた。残念ながら当時、情報伝達に用いられていたのは、英語とフランス語だけだったため、レポートの内容が翻訳して読まれることはなく、対応が後手に回ったとされる(※現在は中国語、アラビア語、スペイン語、ロシア語も用いられるようになっている)。

その後、香港、台湾、ベトナム、シンガポール、カナダ、アメリカなどに感染が拡大した。2003年3月に、WHOは警告レベルを引き上げて、感染地域への緊急渡航自粛勧告を発令した。そして、この感染症は「世界規模の健康上の脅威」であると宣言した。

これを受けて、感染地域各国では、徹底した患者の隔離や、海外からの入国者に対する検査が行われた。その結果、5月中旬にピークを迎えた感染は、6月下旬には急激に抑制された。

【韓国でのMERS】

一方、MERSの韓国での感染拡大では、2015年5月中旬から感染した患者が出た。感染していた中東地域からの帰国者が、いくつかの医療機関を受診したうえで入院したことで、あちこちの病院で二次感染が発生したとされる。6月上旬には感染が拡大していった。韓国では、最終的に38人の死亡者が発生した。

このときも、感染者の隔離を徹底したことで、6月下旬には感染拡大のスピードが低下した。また、韓国では感染が医療施設内にとどまり、市中感染には至らなかった。このことも、早期の封じ込めにつながった背景にあるといわれている。

28日間、新患者が出なければ終息> 
【新型インフルエンザ】

また、2009年の新型インフルエンザの感染拡大では、4月にアメリカやメキシコで、ブタ由来のウイルスが、人から人に感染する例が複数確認された。感染は若年層、特に子どもを中心に拡大した。WHOは世界的な広がりに対して、警戒水準のフェーズ(段階)を引き上げ、6月12日よりパンデミックに移行することを宣言した。

日本でも、5月から感染が始まったが、感染が拡大しつつあった大阪府や兵庫県で公立学校の臨時休校を行うなど、拡大防止措置が徹底されたことで、爆発的な感染拡大には至らなかった。日本では公的医療保険制度が整備されており、発症した人が少ない負担で医療施設を受診できたことも、拡大防止の背景にあったといわれている。

その後、北中米や南米の地域を中心に、世界での感染拡大は続いた。秋には感染者数の把握が困難となり、WHOは12月に感染者数の公表をやめ、死亡者数のみを集計することとした。しかし2010年に入ると、流行の状況は、通常の季節性インフルエンザとそれほど変わらなくなり、死亡者の発生はピークを越えた。8月10日、WHOは世界的な大流行は終結したとして、パンデミックを解除した。

<コロナで「終息宣言」を出す条件>

SARSは2003年7月5日にWHOより終息宣言が出された。これは、台湾で発生したSARSにかかった可能性のある患者を6月15日から隔離し、2~10日間とされる潜伏期間の2倍の期間が経過したにもかかわらず、新たにSARSの患者が出なかったことによる。

また、MERSの韓国国内での感染拡大について、韓国政府は2015年12月24日をもって終息宣言を発表した。これも、2~14日間とされる潜伏期間の2倍の期間が経過しても、ウイルス患者が出てこなかったことによるとされる。なお、中東地域では、MERSはまだ終息していない。

今回の新型コロナウイルスでは、WHOは潜伏期間を1~14日と見積もっている(WHOのサイトのQ&Aより/2020.3.9)。この潜伏期間を前提として、SARSやMERSと同じ基準によれば、28日間、新たなウイルス患者が出ないことが終息宣言の条件になると考えられる。

新型コロナウイルスについては、現段階では小康状態や終息は見通せていない。そこで、政府や自治体は、引き続き、さまざまな拡大防止策を進めていくものと考えられる。

 一般市民の側でも、一人ひとりが手洗いなどの予防策を取る、集団感染を避ける(換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面、の3つの「密」を避ける)など、感染を小康状態や終息につなげるよう努力する必要があると思われるが、いかがだろうか。



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「京都人は褒めるフリして嫌味」そんなことない 「ぶぶ漬けでも」は都市伝説か

2022年12月20日 00時03分54秒 | 社会のことなど
「京都人は褒めるフリして嫌味」そんなことない 「ぶぶ漬けでも」は都市伝説か

2019/08/31(土) 22:16:45



京都人の褒め言葉には「裏」がある―――

ツイッター上で近頃、俗説的にささやかれる「京都人」独特の口ぶりを茶化したツイートが相次いで投稿された。京都出身を名乗るユーザーからは、ステレオタイプな「京都人」のイメージに対する反論が寄せられている。



「京都人」が主語のネタツイートが流行

発端となったのは、2019年8月22日に投稿された以下の内容だ。


"
「京都の会社と商談していて、『良い時計してますなぁ』と言われ、時計のスペックを語ってしまった。実は本音が『話長えよ』という嫌味だったと気づいたときのおいらの気持ち」
"

つぶやきは大きな反響を呼び、8月30日14時時点でリツイート数は4万、「いいね」数も11万を超えている。

このつぶやきの後、ツイッター上では、

"
「指導医が京都人『えらい丁寧なカルテ書きはりますなぁ』 訳)カルテ長すぎて読みにくい」
「『いい統計してはりますなぁ』と厚労省を煽る京都人」
「京都人が他人を褒めるときは(中略)『平安時代やったらブスどすなぁ』とか言うの?」
"

など、人を褒めるフリをしながら、その発言には「裏」があることを茶化したツイートが相次いで投稿された。

一方、こうしたツイートに対し、京都と縁があるというユーザーからは異論を唱える声が聞かれた。

"
「京都で生まれて京都で育ったけど、京都人は遠回しに嫌味を言うみたいなの、実際には見たことない」
「洛中出身の京都人ですけど、(中略)純粋に他人を褒めたいときはどうすればいいのか分からなくなってきました。そんなに婉曲表現する人ばかりじゃないのですが」
「私は京都で仕事をしているので知っていますが、(中略)京都人も怒らせると普通に「お前ええ加減にせえよ」と言います」
"


在住経験者の「京都人」像は...
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで 
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