「長野たてこもり殺人」両親と大繁盛ジェラート店を経営していた青木政憲容疑者の素顔《昨年11月に自宅担保で300万円借金》《絶えない親子喧嘩》《趣味はサバイバルゲーム》(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
「殺したのは間違いない」
容疑者の名前から名づけられた「マサノリ農園」のウェブサイトより
5月25日夕方、長野県中野市の青木正道市議会議長宅で発生した立てこもり殺人事件で、26日、青木氏の長男・青木政憲容疑者(31歳)が殺人容疑で逮捕された。
【写真】再逮捕された「美人すぎる寝屋川市議」の写真集全カット 26日今朝4時半ごろ、青木容疑者がたてこもっていた自宅から両手を頭にのせて外に出てきたところ、長野県警の捜査員に確保されたという。
青木容疑者は「撃って殺したのは間違いない」と犯行を認めている。
この事件では、近所の住民・村上幸枝さん(66歳)が刃物で刺され死亡。さらにパトカーで現場に駆け付けた中野署警部補の玉井良樹さん(46歳)と巡査部長の池内卓夫さん(61歳)が猟銃で撃たれ殺害された。その後、政憲容疑者が父親の自宅に立てこもり危険な状態が続き、救助できなかった竹内靖子さん(70歳)も死亡が確認された。
政憲容疑者は、合計4人を一瞬のうちに散弾銃で撃ち、刃物で刺して殺害した。母親や親族の女性を人質にとり、約12時間も立てこもった。近年稀に見るみられない前代未聞の事件だった。
「政憲容疑者はあらかじめ、刃渡りが長めのサバイバルナイフを用意して犯行に及んだとみられる。散弾銃の許可証は持っていた。自分の散弾銃を使ったのではないか」 (捜査関係者)
犯行に使用した散弾銃は2015年から許可を得ていたという。政憲容疑者は、迷彩服に赤いベスト、サングラスという、のどかな田園風景が広がる地域には不釣り合いな服装で女性を刺し、警察官に散弾銃を向けたと地元の住民は証言している。
政憲容疑者とはどのような人物なのか。
「普段はおとなしく、両親の経営する農園の手伝いをしていた」 こう語るのは、政憲容疑者を知る近所の人物だ。
本人の名前をつけた「マサノリ農園」
軽井沢のジェラート店の外観
青木議長は、地元で代々続く、農園の経営者でリンゴや桃、シャインマスカットなどを栽培しているという。
「もう大昔から果物栽培を中心にやっておられます。シャインマスカットなど質の高い商品を生み出すことで有名です。また農園の新しい経営、栽培方法などにも積極的で、自ら会社を興して、地元の農家支援もされている。
地元でとれた果物を使ったジェラート店を軽井沢などにオープンさせ、人気店に成長させた。昨年夏には地元・中野市内にも1店舗を開店している」(近隣住民) 青木議長が経営している農園は、政憲容疑者本人の名前が付けられており、ジェラート店にも政憲容疑者が勤務していた。
「マサノリ農園ですね。もちろん長男の政憲さんの名前が由来で、政憲さんが農園長を名乗っていました。
政憲さんはちょっと人見知りというか、人とまじわるコミュニケーションが苦手という印象はある。それゆえか、ジェラート店では、接客などは両親らが切り盛りしていました。
政憲さんは、何か機嫌が悪いと意味不明なことを言いながら『こら』『おい』とか叫んで近所をうろつくので、みんな避けていた。
事件で思い出したのですが、政憲さんはサバイバルゲームが趣味と聞いたことがあります」(同)
引きこもりの時代
ジェラート店内
人気のジェラート店はマサノリ農園のシャインマスカットをはじめ、自慢の果物で牛乳を使用せず作った商品が大人気だった。ジェラート店のSNSでは、青木議長夫妻が仲良く並んで展示会に出品し、果物を生かした商品が高評価を受けて表彰されたことをこう綴っている。
《賞を頂くことができました。これからも、たくさんのお客様に信州産のジェラートをお届けできるよう努めてまいります》
マサノリ農園のホームページを見ると、こう記されている。
《果樹農家が完熟させた果実から作る、フルーツ本来の味が楽しめるイタリアンジェラートのお店です。
牛乳を使わないジェラートを数多くラインアップしています。フレッシュなおいしさをぜひおためしください。》
週末になると2つの店はどちらも行列ができるほどの繁盛ぶりがSNSの投稿からもみてとれる。
青木家をよく知る人物はこう明かす。
「政憲容疑者は引きこもりの時代もあったようで、親子喧嘩が絶えなかったそうです。
政憲容疑者が何か新しい事業を始めたいと、自宅に担保を付けて300万円ほど借りたことがありましたが、この事業はうまくいかず、経費を使うばかりで家庭内がギクシャクしていたとは聞いた。しかし、こんな悲劇が起こるとは信じられれません」
青木家の不動産登記簿を確認すると、昨年11月29日、地元の金融機関から確かに抵当権設定され、政憲容疑者に300万円の融資が実行されていることがわかる。
「政憲容疑者は、興奮することもなく最後はいきなり投降してきた。中野警察署に連行したが、淡々と容疑を認めている。地元の住民、警察官に恨みがあるとは思えず、家族・親族間のトラブルかもしれない。今後、動機を追及する」(捜査関係者)
真実の解明を待ちたい。