ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

おばあちゃんのコレクション館

2018-05-04 00:54:56 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編

「やっぱり捨てるの可哀想でしょ…」
山奥に展開する想い出ガレージ!!

(札幌市南区某所・2018年4月訪問)

今回紹介する場所、札幌市民でもまず訪問しないようなかなりの山奥にあります。
この場所との出会いは本当にたまたまでした。
初めてその存在を知ったのは去年の夏ぐらいだったかな。
特にあてもなく、一人でドライブというか探検をしていた時のこと。小雨が降る中、車が1台通るのもやっとな細道を恐る恐る進んでいると、ふと視線の隅にカラフルな一画が。
なんと車用のガレージの中に、子供用の玩具やぬいぐるみが所狭しと並べられているではないですか。
最初は個人商店かな?フリーマーケットかな?と思いましたが、車の窓からちょっと覗いてみると値札は見当たらず。
ああ、この家の人のコレクションなんだな」とすぐに思いました。
自宅の方を見てみると、家の周りには手作りと思しきカカシが何体か置かれていて、ガレージに負けないくらいに賑やかでした。
これは大変な珍スポットを見つけてしまった…とワクワクしたのを覚えています。



そして今回、改めて撮影のために再びこの場所を訪れました。
記憶を頼りに「この辺だったよな…」と細道を進んで行くと…、ありましたありました!
そして今回はちょうど良い事に、持ち主と思しきおばあちゃんがガレージの前にしゃがんで何やら作業をしている!!
近くの空き地に車を停め、早速ご挨拶。身体は小さいですがとても元気なおばあちゃんでした。
「ちょっと見て行っても良いですか?」と聞くと
まだ並べている途中で散らかってるけどね~。こんなの写真に撮ってどうするのさ~。」と少し恥ずかしそう。





おばあちゃんは隣の住宅で現在一人暮らし。お子さんたちは就職を期に家を出て独立。
この数多くの玩具は、お子さんたちが小さい時に使っていた物なのだとか。
こんなに可愛いものなのに、やっぱり捨てるのは可哀想でしょ。だからこうやって並べて飾っているの。しがない老人の趣味だよ」と謙遜していますが、その笑顔はとても素敵でした。

今でも『これ捨ててよ!』ってビニール袋に入れて持ってくるから、自然と集まっちゃうの。
家の中にも沢山あるよ!散らかってて見せられないけど
」と嬉しそうです。




家の敷地にいくつか置かれている手作りのカカシ。キツネや熊が多いので、動物避けも兼ねて置いてあるのだとか。
そして玄関口や家の前にもカラフルなポスターやおもちゃが沢山。ガンダムはつい最近もらった物なのだそうです。




暇さえあれば外へ出てきて模様替えを行っているそうで、この時も新しくもらったおもちゃを並べている最中でした。
お子さんのもの以外も受け入れてくれるようであれば、こんど我が家の古いおもちゃも持っていってあげようかな。

談笑中、近所の人が通りかかり、「おばあちゃんなんでも鑑定団に出た方がいいよ!ガハハハ!」と楽しそうにしていたのが印象的でした。
既にこのガレージは、山奥の名物スポットになっているようです(*^_^*)。

完。
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レトロスペース坂会館・2015

2015-11-11 13:42:52 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編
レトロスペース坂会館(2015年10月 再訪問)

(左)地味に看板が新調されている…。2階にズラリと並んでいたマネキンは片付けられてしまったようだ。(右)入口周辺。何やら劇画調のものすごい絵が…。(下)これが名物の「緊縛リカちゃん」だ!!壁一面に展開されたその光景には圧倒される。目隠しされていたり貼りつけにされていたり、あらゆるプレイ内容を楽しめる…(笑)。

 札幌に長らく住んでいる方にはお馴染みの「坂ビスケット」というブランドがある。「しおA字フライ」「ラインサンド」など、味はもちろんのこと、その昭和感漂うパッケージまでもが魅力的な商品を道内に提供し続けており、札幌人ならば一度は食べた事があるだろう。
 坂ビスケットの本社は札幌市西区にある。甘い匂いの漂う工場と、そこで生産された商品をじかに購入することができる直売所も併設しているのだが、それだけではない。建物の一角は、坂ビスケットの経営者・坂一敬氏が趣味で集めたコレクションを展示している怪しげな博物館「レトロスペース坂会館」となっているのだ。館長の独特なセンスで展開された膨大な量の展示物により、北海道を代表する「珍スポット」として全国のマニアにも知名度が高い。

 2009年以来の久しぶりの訪問であったのだが、今回はお友達の佐藤さんに連れてきてもらいました。
佐藤さんの超絶クールな愛車(外国車)で南区まで迎えに来て頂き、そのままレトロスペースへ…。本当にありがとうございました(^-^)♪



展示物でビッシリな館内は迷路のような状態。独特な明かりに照らされ、何の説明もなしに並べられる館長のコレクションたち。注射器などの医療器具、ビーカーにフラスコ、歯の模型、昔の薬たくさん、将棋の駒、シビン、アダルトビデオ(SM系)、マネキンの頭たくさん、ビン入りのスズメバチの巣、ネックレス、手袋、日本刀……う~む、何でもありますな。



食器、湯たんぽ、軍靴、まくら、ガスマスク、消しゴム、竹ぼうき、エロい形の置物、春画が描かれた湯のみに徳利…。たくぎんグッズは今や貴重だ。展示物のあまりの量に圧倒され、どれを見ていいのか分からなくなる…これが坂ワールドだ。

ズラリと並ぶ大量のこけしに日本人形、どれも見るからに年代物だ。館長は全国を回り、取り壊される家から不要な品々を貰って来たのだそうだ。また近年は展示物を寄贈してくれる人もいるらしい。




戦争関連、学生運動関係の品も多い。昔の女性向け週刊誌やSM系の雑誌も充実。その周りにはハッピ、消防服、制服、軍服、甲冑、ミニカー、牛乳パック、香水のビン、値札シール、造花。たばこ、マッチ、ライターのコレクションは綺麗に並べて飾られており、古い銘柄や絶版品もたくさん。壁には昔のヌード写真や日本酒ラベルのコレクションが大事に飾られていた。
この部屋では展示替えをして企画展をよく行っているようで、この時は「生ける骨展」というのをやっており、動物の骨がたくさん…(汗)。

スピーカー、おもちゃのトラック、古銭、古紙幣、ポケットティッシュ、鉄道記念グッズ、切符、駅名表、電車のヘッドマーク、テレホンカード。ズラリと並んだフィルムケースにカメラ、看板、万博記念グッズ、新聞の切り抜き、エロい日めくりカレンダーにトランプ。
最近は心無い見学者による展示物の盗難に悩まされているという。この時も、ガラスケース内の古紙幣がゴッソリ無くなっていて、館長による被害届のメモが貼られていた…。


あまりの見ごたえにそろそろ頭が痛くなってきたが、展示コーナーはまだまだ続く。まち針たくさん、ビクター犬の置物、少女雑誌の付録、山口百恵のポスター、仏像、スプレー画、三味線、ヤシの実、黒電話、石器、薬箱、弁当箱、昆虫標本。外から見える展示スペースには床屋さんのイスに薬局の看板、店頭に立っていた昭和アイドルの等身大パネルなど…。

文房具たくさん、短くなった鉛筆、大量のガラス製コップ、ぬいぐるみ、マネキンの手、戦争遺跡の写真、なめねこカード、観光地のキーホルダー、ガラス細工、ミシン、灰皿、巨大な大皿、マグカップ、シルクハット、石けん箱、箸、牛乳瓶、中身が中途半端に入った洗剤の入れ物まで。隣には未開封の調味料や、コーンやカレー粉などの缶詰各種、味の素、使いきったハミガキ粉。なんでこんな物まで…(^_^;)。

館内の隅にある小さなスペースがスゴい。あらゆる女性下着のコレクションだ。いやらしく光るマネキンに装着されたものから、ピンで留めて額縁の中で大切に保管されたものも…(笑)。なかなか過激なデザインの物も多い(^_^;)




展示室から繋がっている直売所。商品のデザインもそれぞれ味わい深い…見学の後は購入をお忘れなく。なお、こちらにも到る所に鉱石や化石が飾られており、なんとも独特……さすが坂ビスケットだ。


郷土人形とシルバニアが並ぶ幸せ…。

残念ながら今回も館長には会えなかったが、充実した時間を過ごさせて頂いた。
つい最近「建物に車が突っ込んで閉館した」というデマ情報が流れたものの、無事に続けられているようで安心である。
ただ、館内で読んだ情報によると、現社長はレトロスペースを閉館させたい考えなのだそうだ。
この先もぜひ残ってほしい札幌の珍名所であるが、その存続は危ぶまれているのが現状だ…。

レトロスペース坂会館…西区二十四軒3条7丁目2の22(地下鉄東西線二十四軒駅より徒歩約10分)
日曜祝日休み。入館料無料です。
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札幌市 気になる珍物件コレクション

2015-08-10 16:19:10 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編
札幌の街中にはワンダフルな珍物件があふれている!!

・人形屋佐吉  中央区南1条西6丁目


 この建物、誰もが気になったことあるはず!!ビルがそびえる中心街に、ひときわ小さな建物。真っ黒の看板には大きく「人形屋佐吉」の文字。そして最も謎なのが、ほとんど店が開いていないということ。不気味なオーラを放ち続けるこの人形屋佐吉こそ、札幌を代表するミステリースポットだ。
 僕もこの建物は前から気になっていて、前を通るたび「人形職人さんの工房かなぁ~??」などと考えたりした。中に入りたくても、シャッターがいつも降りていて、入れない。一度あの中に入ってみたかったので、ネットで開館時間を調べてみると、昔は年に1、2回ぐらいしか開いていなかったのだが、最近は頻繁に営業しているらしく、毎日15:00~19:00の4時間だけ開店しているということだ。
 土曜日の16:00頃に行ってみると、確かに開いている!!恐る恐る中に入ると、想像以上に狭い!中は意外と普通のアンティーク雑貨店で、壁には日本人形や西洋人形の写真がたくさん貼られていて、棚にはひな人形や年代物の人形、アクセサリーなどが売られていた。
(※人形屋佐吉は2014年に閉店し、現在は解体されてしまいました。)

・大同生命ビル  中央区北3条西3丁目


 駅前通りにそびえたつこのビル、おもしろい建物だなあと思ったら、なんと数々の珍建築で有名なあの故・黒川記章氏の設計ではないか!奇抜な選挙カーで東京都知事選に出馬したあの人である。
 渋谷109みたいな円筒形の建物の中はらせん階段になっていて、見上げてみるとドキドキしてくる。階段を登りきった先にあるビルの3~4階部分は空中庭園になっており、木が生い茂っていて不思議な雰囲気。建物を外側から見ると、ビルの上にビルが建っているようにも見える。とにかく、周りのビルと比べてもかなり目立つ、氏の作品らしい異色建築物である。
(※近ごろ建て替えられる計画があるようです。見学はお早めに!)

・菊水円形歩道橋  白石区菊水3条4丁目


 菊水にあるこの歩道橋、僕の下手な写真では分かりにくいかもしれないが、上空から見るときれいな円形をしている珍しい歩道橋である。全日本建設技術協会・全建準賞も受賞した美しい物件だ。「水曜どうでしょう」の伝説の企画「雅楽戦隊ホワイトストーンズ」で取り上げられ、一部で有名に。珍スポット雑誌「ワンダーJAPAN」第5号の最初のページにもドドンと紹介されている。直径56メートルのこの歩道橋は、階段を上ってみると緩やかな曲線が楽しく、グルグルと何周でもしたくなる。

・千秋庵の子供  中央区南3西3丁目


 冬の札幌の隠れた名物として、市民には比較的知られているのがこちら。毎年雪まつり期間になると、千秋庵本店の前に現れる子供のマネキンである。スキーウェアを着た後ろ姿はあまりにもリアルで、実際に本物の子供と間違う人もいるとかいないとか。

・東月寒の仰天集会所  豊平区東月寒2条14丁目


豊平区東月寒に存在する町内会の集会所。小さな公園内にあり、1階建ての何とも細長い建物である。
それはともかく、建物の右半分、なんか変だ。何故かドキリとしてしまう、この形と雰囲気。どこかで見たことのあるドアには「自動扉」とある。もしかしてこれは・・・。


うをっ!!廃バス!!
しかも2台!!


…そう、この建物は、前代未聞の「廃バスリサイクル集会所」だった!


なんか怖い!!

後ろから見てみると、「バス2台持ってきて無理やり建物の一部にしちゃいました~」感が伝わってくる。建築費削減のためだったのだろうか?
バスとバスの間のスキマが鉄板で丁寧にふさがれているのが微笑ましい。

この日は建物内は無人だったので、内部を拝見させてもらいたかったのだが無理だった。2台のバスの接合部分や、運転席はどうなっているのかが気になるところ。

完。
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かっぱ淵

2015-08-10 15:23:38 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編
(2010年訪問)

 札幌の奥座敷・定山渓温泉といえばカッパである。現在は温泉街のマスコットとして定着しており、いたるところにカッパをモチーフにした像やモニュメントを見つけることができる。そして温泉街の奥の方には、「かっぱ淵」というそそる名前の場所が。調べてみると、この場所は定山渓カッパ伝説発祥の地というではないか!
 時は明治。この淵で魚捕りをしていた美青年が突然、川の中に引き込まれてしまう。仲間が助けようとしたものの、淵が深かったために救助することは出来なかった。青年はあっという間に川底に見えなくなってしまった・・・。
 青年はその後見つかることはなく、両親は悲しみに暮れていたが、ちょうど1年後の夜に父の夢の中に現れ、「私は現在、カッパの妻と子供と一緒に幸せに暮らしております・・・。」と語る。なんと青年はカッパと結婚していたのだ!・・・以来、青年が消えたこの淵を「かっぱ淵」と呼ぶようになった、というのが、「定山渓カッパ伝説」である。
 それにしても、この札幌という大都市にもカッパ伝説があったというのは驚きである。果たして、かつてカッパの出た「かっぱ淵」とはどのような場所なのだろうか。いざ取材へGO!


温泉街のメインストリートから、「ホテルミリオーネ」の手前を右折し奥へ進み、「定山渓ホテル」裏の細い道を少し進むと、「二見公園」という小さな公園がある。ここがかっぱ淵への入り口だ。なんだかワクワクしてきた。
それにしても、この辺は「岩戸観音堂」もあるし、なかなかディープなスポットである。

公園周辺には、なぜか沢山の野良猫がうろうろしていて、不思議な雰囲気。左の猫はかなりおとなしく、触っても全く動かず。


そして公園内にはカッパのオブジェが多く、B級スポットの空気。テンション上がりますね~!
(左)カッパの水飲み器。
(下左)こんなところにもカッパ。鳥獣戯画的なシルエット。
(下右)川沿いにあった、カッパというよりは人間の子供のような石像。




その中でも特に圧巻なのは、公園中心にデ~ンと鎮座している「カッパ大王」。定山渓のカッパのボスらしい。コンクリ像にコテコテの色合いがステキ。

さて、かっぱ淵に向かいましょう。ここからかっぱ淵までは散策路になっており、紅葉を楽しみながら歩く。
そして散策路の途中に出現するのが、真っ赤な「二見吊橋」。かっぱ淵周辺の不思議な雰囲気をさらに盛り上げている存在だ。

橋の上は予想以上に揺れる。高さはそれほどないが、この日は風が強く、なかなかスリリングであった。
そして、橋の上からは、かっぱ淵を上から眺めることができる。

これが「かっぱ淵」である!!!


うむ。なかなか雰囲気がある。温泉街からすぐの所とは思えない風景だ。岩の上にほこらが乗っているが、あれは何なんだろう。

橋を渡り、さらに散策路を少し歩くと、かっぱ淵ズバリの所に出ることができた。


現在はダムができたため、流れは穏やかだが、かつてはかなり深い淵になっていたようである。そのころはいかにもカッパの住んでいそうな雰囲気だったのだろう。

なんとも不思議な「カッパ伝説」の残る定山渓「かっぱ淵」。かつてこの場所に本当にカッパがいたのかどうか、また、美青年が川底に消え、カッパと結婚した伝説は本当なのかどうかは神のみぞ知る。

完。
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北海道秘宝館跡 ~戦慄の迷宮廃墟~(後編)

2015-08-07 00:20:18 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編
※エロ&ホラーあり。やや閲覧注意!
(2013年1月撮影 2015年に解体済み)前回からの続きです!


で、2階である。割れたガラスの中を照らしてみると、人形や数々の剥製(交尾中多し)が、カラフルなお花やいやらしいキノコに囲まれた楽園が出現。・・・すんごい金かけてるな・・・。


筋肉ムキムキの男は本当は仁王立ちしており、ハンドルを回すと下から風が出てきて服がめくれ、意外にも極小の珍が…という仕掛けだったのだが、先客に倒されたのかこちらに向けてM字開脚状態なので、粗チン丸見え(笑)。
本当はもう2体、マリリン・モンローと美女の人形があったらしいが、こちらも2010年の泥棒によって消えてしまった品である。2年以上経った現在でも行方不明だ。


先へ進むと、何やら充実してそうな「プレイコーナー」が。女の子の人形が並んでいる「フレンチポンポン」は射的で的に当てるとスカートめくれるというゲーム…なのだが、こちらも末期には故障中であったという。…暗闇で見る西洋風の人形は神秘的でさえある。

ガラスの破壊された「酒呑大まら童子」はよく分からなかったが、恐らく珍の先から水が出る、といったものだろう。

こちらは「飛び出す万珍」。ものすごい効果音とともに珍が万の中から飛び出してくるびっくり装置だったらしい(見たかった!!)。よく見てみると鏡に映った3Dの立体画像であった。
この装置は裏のメンテナンス用の扉がこじ開けられており、珍万の像を円形の鏡に反射させて3Dにするという仕掛けが丸見え。廃墟ってこういう「ウラ」が見られて楽しい。

さて、北海道秘宝館の真の見所はここからである。薄暗いゲートの向こうには、交尾中の動物の剥製がふんだんに配置されたパラダイスが待ち構えているはず。実は、僕も今回の探索で最も楽しみにしていたコーナーだ。果たして、剥製たちは無事か?

ゲートの向こうには…お?何やらシマシマの物体が……。


無事だった~!!そのまま残っておる!!


意外な事に、剥製たちは持ち去られることなく、埃を被りながらも相変わらずなスタイルで行為にふけっていた。シマウマ、イノシシ、ダチョウ、ニホンザル、交尾中ではないがペリカン、ツルなど各種鳥類の剥製も配置されており、とんでもない金をかけて作られた事がうかがえる。


壁にはヘビまでも交尾中であった(ロープでもぶら下がってるのかと思った)。「非常に珍しい蛇の交尾」と誇らしげに書かれている。
蛇の周辺には、動物の交尾に関する興味深い解説パネルが多数貼られていた。「シカのオ○ニー」など知らなかった事がたくさん。動物たちも人間同様エロいのね(笑)。

こんなのもあった。
ヘラジカである。しかも雄雌ペア。やはりとてつもない大きさで、展示室の大部分を占めていた。
オスジカはメスのアソコを今にも舐めようといういやらしい構図。


北海道の動物コーナーである。残念ながら、こちらは侵入者により荒らされており、エゾシカやヒグマはブッ倒され、現役時にも増して乱交パーティー状態(笑)。キツネに関しては床にゴロンと放り出されていた。
…それにしても、平気でこういうイタズラをするヤツの気が知れない。だって、もともとは生きていた動物さんですぞ?


動物たちは荒らされているものの全部無事か、と思ったが、ある事に気付いた。『珍日本紀行』の写真で見たはしたない顔で交尾中のライオンの剥製が、無い!!
後日、現役時の写真を調べてみると、その他にもウミガメ、トラ等売ったら高価であろう剥製たちがセレクトされて持ち出されてしまっているのが分かった。
…恐らく2人がかりでエッサホイサ担いで真っ暗の階段を上り下りしたのだろう。


静寂に包まれた廃墟の中で、埃まみれでひたすらたたずむ動物たちの剥製(交尾してるけど)。何とも不思議な空間。恐怖というよりは幻想的である。
時が止まった空間の中で、カメラを抱えた自分だけがせわしなく動きまわる。
極寒の廃墟内部、床一面はどこかからか流れ込んだ雪解け水が凍ってスケートリンク状態になっていた。


アニマルコーナーを抜けると、こんな休憩スペースが。残留物多し。小さなブラウン管テレビからはAVが上映されていた様子。
部屋内には大きなガラスケースがあったが、例によってカラッポ。むなしく残ったプレートには「自然奇石」とあり、数々の珍石(十二支の模様が浮き上がったもの、等)がコレクションされていたという。エロと何の関係があるのか不明だが、じっくり見てみたかった。

そろそろ出口に近づいてきたようだ。小さなグッズコーナーが現れた。・・・「のたうちコーナー」って(笑)。
こちらもケース内は何もなかったが、値札は残っており、コンドームや精力増強剤が売られていた模様。レジの付近には、その増強剤の瓶(中身入ってる!)と思われる物が残っていた。


・・・ビビった。
通路の角を曲がると、突然黒ずんだアシカの剥製が。・・・これって交尾してるのかな?
ジオラマ内には他にもアザラシの剥製が多数。ホント、さっきから後ろの書き割りにも力入ってるし、金かけられておるな。


こちらもお土産コーナーだったと思われる。AVとかエロい絵、謎の大量の書類など、こちらも残留品がかなり多い。じっくり見ていきたいのだが、窓のすぐ向こうに国道が面しており、温泉送迎バスとか物流トラックが頻繁に通るのが見えるため、落ち着いて探索できず。

こんな危険物もあった。
これも売り物だったのだろうか。この先も放置され続け、どんどん醸造されていくのだろうか。…恐怖である。

外から見つかりたくないので、そろそろ撤収。
ここから「出口」と書かれたドアがあったが、ノブを回しても開かず(だいたい想像ついたけど)。これから、また動物コーナーを抜けて真っ暗やみの階段を下りてカジュラホゾーンを通って延々と戻らないといけないのだ。つまり、もし後から別の探索者が入ってきたら逃げ場は無いのである。こんな真っ暗な廃墟の中で、ガラスケースや剥製を破壊するヤンチャ者と鉢合わせするなんてまっぴらごめんだ。
さっさと戻ります。


……無事に生還しました。

 それにしてもいい体験が出来たと思う。秘宝館の廃墟なんて、探索できるのはこれが最初で最後かもしれない。マニアの間での「秘宝館の廃墟」といえば、山口県の「秘宝の館」が唯一と言われ珍重されていたが、この「北海道秘宝館」廃墟はそれをはるかに超越するレベルであった。…おそらく、全国の廃墟マニアはこっちの存在を知らないのだろう。
 懐中電灯のかすかな光で不気味な残留物を照らしながら、迷路のような館内を歩きまわるのは、非常に魅惑的な体験であった。ずっと気になっていた内部も知る事が出来たし、逆に冒険気分を味わえた点では、廃墟時代に訪れて正解だったかもしれない。

完。

(※北海道秘宝館は2015年に解体され、現在は完全な更地となっています。無念!)
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