小樽最後の秘境 オタモイ海岸
今回で最終回です。
午前7時40分、「オタモイ地蔵尊」に着きました。
オタモイ海岸の最深部であり、最終到達地点です。地蔵尊の扉は閉じられておりました。
年季の入った建物の壁には、全盛期に売られていたと思われる「地蔵せんべい」のホーロー看板が。「参拝記念に!」の文字が泣かせる。
ともかく貴重な遺物だ。
地蔵尊周辺は広場になっており、参拝客用のベンチや住人の生活道具が並んでいましたが、人の気配は無し…。
おそらく、こちらが管理者の住居。1階部分はかつて商店を営んでいたと思われます。
ガラス戸から内部をのぞいてみると、年代物の自動販売機がいくつか並んでいて、時間が止まっていました。中に入ってじっくり観察したい~!
既に人が去ってしまった後なのかと思っていましたが、カーテンの閉まりきった2階から人の話し声が聞こえたような気がしました。
もしかしたら…まだひっそりと生活を続けている?
しかし、ここまで来る道中はクモの巣だらけだったぞ。
ここの住人、今まで歩いてきた断崖絶壁の遊歩道を原付バイクで移動しているという武勇伝をお持ちでしたが、現在は危険なので止めてしまったのでしょうか。
噂によると、ここからも山の向こうの住宅街に抜ける山道があるらしいですが、よくわかりませんでした。
海を見下ろす場所に小さなベンチが。「シャングリ・ラ」という単語が頭に浮かぶ。
オタモイ海岸の最後の住人は、この場所に腰掛けて何を思うのでしょうか。
ここはオタモイの最後の楽園だ。
しかし、いつ崖崩れに飲みこまれて消えてしまうか分からない。
この場所からは、今まで歩いてきた断崖絶壁の遊歩道を遠くに見る事ができ、なかなか良い眺めです。
往時の様子と比べてみましょう!
ここに「竜宮閣」が建っていた!!
↓
土台部分や支柱の基礎部分が見事に残っているのがお分かりでしょう。
窓から眺める夕暮れ時の光景は最高で、遊園地内の名物であったと聞きます。
秘境の地蔵尊周辺を散策し、断崖絶壁がつくりだす壮大な景色を眺める。
結局、この場所にまだ住人が居るのかはよく分かりませんでしたが、人の気配が無いわけではない。
勝手に侵入してここまで来てしまったので、あまり長居していたら怒られるかもしれない。
名残惜しいですが、このへんで引き返すことにしました。
遊歩道をひたすら戻り、
午前8時10分、生還。
案内板の立つ広場に帰ってきて、なんとか死なずに済みました(笑)。
最後に。
せっかく小樽に来たので、このまま札幌に帰るのはもったいない。
小樽の中心部まで戻り、「小樽市博物館 運河館」を訪問しました。
こちらにオタモイ遊園地の展示があると聞いていたのです。
「小樽市の歴史」など館内の見物もそこそこに、お目当てのオタモイコーナーへ。
こぢんまりとした展示が端っこの方にありました。
オタモイ遊園地の資料は現存するものが数少なく、非常に貴重なのだそうです。
竜宮閣で使われていたという食器や、従業員の制服が残っているというのは素晴らしい!現物を見る事ができて感動です。
オタモイ遊園地の絵ハガキと、案内のパンフレット。じっくり拝見させていただきました。
この博物館には、オタモイ遊園地の現役時を収めた貴重な動画も収蔵されているという事でしたが、現在は公開していないようです。
残念だなぁ。見られるかと期待して訪れたんですが。
小樽運河周辺をブラッと散策し、小樽駅でオタモイ遊園地の繁栄に思いをはせながら「和風きのこパスタ」を食べて、JRで札幌へと帰りました。
おそらく、もうオタモイ海岸を訪れる事は無いでしょう。
思い出もたくさんあるお気に入りの場所なのですが、また今回のような危険を冒してまで探検するのは嫌ですので…。
これからは、こうした記事で記録に留めておくとともに、自分の記憶の中に残していくのみにしたい思います。
今回、6年ぶりの訪問をしてみて分かりましたが、あれほど傷んでしまった遊歩道を補修し、人々に開放するのはもう不可能だと思われます。
これからもあの場所は少しずつ崩壊の危機にさらされ、ひっそりと、人知れず存在し続ける事でしょう。
そして崖崩れに飲みこまれて完全に消えてしまう時、オタモイ海岸は「幻の遊園地」の記憶とともに海の底に沈み、伝説の場所となる。
それがいつになるのかは、誰にも分かりませんが。
オタモイ海岸 6年ぶり潜入レポート
完。
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
※オタモイ海岸の遊歩道について。
近年は大規模な崖崩れが頻発しており、柵が壊れた箇所が存在し道も崩れかけています。また、いつ崖崩れが起きてもおかしくない状況のため非常に危険です。訪問はお勧めできません。
詳しくはこちら。
今回で最終回です。
午前7時40分、「オタモイ地蔵尊」に着きました。
オタモイ海岸の最深部であり、最終到達地点です。地蔵尊の扉は閉じられておりました。
年季の入った建物の壁には、全盛期に売られていたと思われる「地蔵せんべい」のホーロー看板が。「参拝記念に!」の文字が泣かせる。
ともかく貴重な遺物だ。
地蔵尊周辺は広場になっており、参拝客用のベンチや住人の生活道具が並んでいましたが、人の気配は無し…。
おそらく、こちらが管理者の住居。1階部分はかつて商店を営んでいたと思われます。
ガラス戸から内部をのぞいてみると、年代物の自動販売機がいくつか並んでいて、時間が止まっていました。中に入ってじっくり観察したい~!
既に人が去ってしまった後なのかと思っていましたが、カーテンの閉まりきった2階から人の話し声が聞こえたような気がしました。
もしかしたら…まだひっそりと生活を続けている?
しかし、ここまで来る道中はクモの巣だらけだったぞ。
ここの住人、今まで歩いてきた断崖絶壁の遊歩道を原付バイクで移動しているという武勇伝をお持ちでしたが、現在は危険なので止めてしまったのでしょうか。
噂によると、ここからも山の向こうの住宅街に抜ける山道があるらしいですが、よくわかりませんでした。
海を見下ろす場所に小さなベンチが。「シャングリ・ラ」という単語が頭に浮かぶ。
オタモイ海岸の最後の住人は、この場所に腰掛けて何を思うのでしょうか。
ここはオタモイの最後の楽園だ。
しかし、いつ崖崩れに飲みこまれて消えてしまうか分からない。
この場所からは、今まで歩いてきた断崖絶壁の遊歩道を遠くに見る事ができ、なかなか良い眺めです。
往時の様子と比べてみましょう!
ここに「竜宮閣」が建っていた!!
↓
土台部分や支柱の基礎部分が見事に残っているのがお分かりでしょう。
窓から眺める夕暮れ時の光景は最高で、遊園地内の名物であったと聞きます。
秘境の地蔵尊周辺を散策し、断崖絶壁がつくりだす壮大な景色を眺める。
結局、この場所にまだ住人が居るのかはよく分かりませんでしたが、人の気配が無いわけではない。
勝手に侵入してここまで来てしまったので、あまり長居していたら怒られるかもしれない。
名残惜しいですが、このへんで引き返すことにしました。
遊歩道をひたすら戻り、
午前8時10分、生還。
案内板の立つ広場に帰ってきて、なんとか死なずに済みました(笑)。
最後に。
せっかく小樽に来たので、このまま札幌に帰るのはもったいない。
小樽の中心部まで戻り、「小樽市博物館 運河館」を訪問しました。
こちらにオタモイ遊園地の展示があると聞いていたのです。
「小樽市の歴史」など館内の見物もそこそこに、お目当てのオタモイコーナーへ。
こぢんまりとした展示が端っこの方にありました。
オタモイ遊園地の資料は現存するものが数少なく、非常に貴重なのだそうです。
竜宮閣で使われていたという食器や、従業員の制服が残っているというのは素晴らしい!現物を見る事ができて感動です。
オタモイ遊園地の絵ハガキと、案内のパンフレット。じっくり拝見させていただきました。
この博物館には、オタモイ遊園地の現役時を収めた貴重な動画も収蔵されているという事でしたが、現在は公開していないようです。
残念だなぁ。見られるかと期待して訪れたんですが。
小樽運河周辺をブラッと散策し、小樽駅でオタモイ遊園地の繁栄に思いをはせながら「和風きのこパスタ」を食べて、JRで札幌へと帰りました。
おそらく、もうオタモイ海岸を訪れる事は無いでしょう。
思い出もたくさんあるお気に入りの場所なのですが、また今回のような危険を冒してまで探検するのは嫌ですので…。
これからは、こうした記事で記録に留めておくとともに、自分の記憶の中に残していくのみにしたい思います。
今回、6年ぶりの訪問をしてみて分かりましたが、あれほど傷んでしまった遊歩道を補修し、人々に開放するのはもう不可能だと思われます。
これからもあの場所は少しずつ崩壊の危機にさらされ、ひっそりと、人知れず存在し続ける事でしょう。
そして崖崩れに飲みこまれて完全に消えてしまう時、オタモイ海岸は「幻の遊園地」の記憶とともに海の底に沈み、伝説の場所となる。
それがいつになるのかは、誰にも分かりませんが。
オタモイ海岸 6年ぶり潜入レポート
完。
お読みいただきありがとうございましたm(__)m
※オタモイ海岸の遊歩道について。
近年は大規模な崖崩れが頻発しており、柵が壊れた箇所が存在し道も崩れかけています。また、いつ崖崩れが起きてもおかしくない状況のため非常に危険です。訪問はお勧めできません。
詳しくはこちら。