~交通資料館展示車両が解放されちゃったよ!!スペシャル~
(写真:2011年撮影 記事:2012年のものに加筆・修正/ホームページ過去記事を復刻しました。)
「レトロなメトロ」企画、第3弾は、記念すべき札幌市初の量産型地下鉄車両である2000形である。1972年の地下鉄南北線開業に合わせて開発された車両だ。日本初の本格的なゴムタイヤの電車という事で、登場した頃は独特のメカニズム・静かな乗り心地が話題となった。
南北線の開業以来、主力車両として長らく活躍していたが、新型車両へと交代が進み、1999年に引退する。ということで、私が幼稚園児の頃はまだバリバリ現役で、乗車する機会も結構あった(いまだにモーター音を覚えているほど)。この当時、南北線には2000、3000、そしてまだ新車のかほり漂う5000形と3種類の電車が在籍しており、乗り物大好き少年だった私には天国のような路線であった。
現在、この世に残っている2000形車両は、南区の交通資料館に展示されている第1号車のみである(※実際は、この車両は「1000形」と呼ばれている試作車であるが、量産2000形とほぼ変わらないので大目に見てほしい)。貴重な車両なので、同施設のほかの展示車両とは違って車内に入る事が出来ない。僕を含む多くの札幌市営地下鉄ファンにとって、この展示車両の中に入って2000形ともう一度触れ合うというのが長年の夢であった(たぶん)。
そんな夢がついに叶えられる時が来た。同施設で年に一度開催される「交通資料館まつり」にて、数年前から内部を解放するという太っ腹な企画が加わったのだ。開催当初から行きたい気持ちは山々だったのだが、私用や学校祭の準備などでなかなか行くことができず2年が経ち…。2011年にようやく行くことができたのである。それじゃ、その時のレポートをどうぞ。
午前10時半ころ、交通資料館に到着。大好きな「廃車部品販売チャリティバザー」コーナーの見物もそこそこに、早速車両の展示ゾーンへ向かう。
車内に入る前に、改めて外観を観察。
どことなく日本離れした雰囲気漂う外観は、現在のガッシリした車両と比べるとずいぶん華奢な印象である(笑)。よくこれで激動時代の札幌の朝ラッシュに耐えたものだ。
そしてやけにタイヤの数が多い。日本では前例のない「ゴムタイヤ走行の地下鉄」だっただけに、そんなに強度が心配だったのか。
開いてある乗務員室の扉(かなり狭い)より、いよいよ内部へ侵入。まずは運転席部分を見物。時代を感じるアナログな計器部分は見ごたえがある。
…それにしてもやけに狭いな!運転席部分のすぐ横に貫通扉(乗客が隣の車両へ移動する通路)が設けられているため、その大きさは公衆電話並みである。当時の日本人ってこんなに小さかったのか?
そしていよいよ客室(←この呼び方でいいのか?)へと入る。
ムホー!すんばらしい!!
うっすらと残っていた記憶が蘇る。
このやけに黒っぽい木目の壁は初期型車両の特徴である。中期型、後期型になるにつれて薄い茶色に変更された。また、東西線6000形の壁とお揃いのレア仕様もあったようである。
私が幼稚園児の頃は中期型、後期型がほとんどであったが、一度だけ初期型に乗ったのを覚えている。その時に記憶に残っているのがココから見た光景で、子供ながら「あれ~、こんなに焦げ茶色だったかな~」などと考えたりした(気持ち悪い子供だ)。
…恐らくあれは初期型の最後の生き残りだったのだろう。
札幌の地下鉄車両は六角形の貫通路が伝統となっているが、意外にも初代は可愛らしい円形であった。いつの間にか見なくなった優先席のマークが懐かしい。
…ところで、何か気付くことがないだろうか。やけに窓がデカイのである。ドアなんて4分の3がガラスである(上の写真参照)。さすがにデカすぎたのか中期型、後期型では若干小さく変更された。
こんなに大きく設計された理由は不明である。
時間が止まった車内には、当時の貴重な広告も。最も注目すべきなのが窓に貼ってある路線図で、南北線「南平岸」の部分が「霊園前」になっていたり、東西線の終点が「宮の沢」ではなく「琴似」、そしてなんといっても東豊線が存在しないなど、見どころ多数。
2011年は偶然にも「札幌市営地下鉄開業40周年」という事で、車内では記念の写真展をやっていた。マニアには感動ものの写真が多数。この「苫小牧港に搬入される2000形」なんて恐ろしく貴重だ。
個人的に好きなのは右の1枚。薄緑の巨大な箱が宙に浮いている様子はなんともワクワクするではないか。
それにしても、トラックがとんでもなく古い。飾りっ気のないデザインはいかにも70年代初頭だ。
ということで、感動の「12年ぶりに2000形と触れ合おう!」レポートは終了。今まで記憶の中のみであった2000形車内の実物が見られて本当に良かった。なお、車内に居ると、他の見物客が歩くにつれてやけにボヨンボヨン揺れるのが印象的だった。これはゴムタイヤの地下鉄ならではのご愛敬だ。
こちらの車内解放は、現在も「交通資料館まつり」で毎年開催されているようなので、興味のある方は行ってみることをオススメします。
完。
(写真:2011年撮影 記事:2012年のものに加筆・修正/ホームページ過去記事を復刻しました。)
「レトロなメトロ」企画、第3弾は、記念すべき札幌市初の量産型地下鉄車両である2000形である。1972年の地下鉄南北線開業に合わせて開発された車両だ。日本初の本格的なゴムタイヤの電車という事で、登場した頃は独特のメカニズム・静かな乗り心地が話題となった。
南北線の開業以来、主力車両として長らく活躍していたが、新型車両へと交代が進み、1999年に引退する。ということで、私が幼稚園児の頃はまだバリバリ現役で、乗車する機会も結構あった(いまだにモーター音を覚えているほど)。この当時、南北線には2000、3000、そしてまだ新車のかほり漂う5000形と3種類の電車が在籍しており、乗り物大好き少年だった私には天国のような路線であった。
現在、この世に残っている2000形車両は、南区の交通資料館に展示されている第1号車のみである(※実際は、この車両は「1000形」と呼ばれている試作車であるが、量産2000形とほぼ変わらないので大目に見てほしい)。貴重な車両なので、同施設のほかの展示車両とは違って車内に入る事が出来ない。僕を含む多くの札幌市営地下鉄ファンにとって、この展示車両の中に入って2000形ともう一度触れ合うというのが長年の夢であった(たぶん)。
そんな夢がついに叶えられる時が来た。同施設で年に一度開催される「交通資料館まつり」にて、数年前から内部を解放するという太っ腹な企画が加わったのだ。開催当初から行きたい気持ちは山々だったのだが、私用や学校祭の準備などでなかなか行くことができず2年が経ち…。2011年にようやく行くことができたのである。それじゃ、その時のレポートをどうぞ。
午前10時半ころ、交通資料館に到着。大好きな「廃車部品販売チャリティバザー」コーナーの見物もそこそこに、早速車両の展示ゾーンへ向かう。
車内に入る前に、改めて外観を観察。
どことなく日本離れした雰囲気漂う外観は、現在のガッシリした車両と比べるとずいぶん華奢な印象である(笑)。よくこれで激動時代の札幌の朝ラッシュに耐えたものだ。
そしてやけにタイヤの数が多い。日本では前例のない「ゴムタイヤ走行の地下鉄」だっただけに、そんなに強度が心配だったのか。
開いてある乗務員室の扉(かなり狭い)より、いよいよ内部へ侵入。まずは運転席部分を見物。時代を感じるアナログな計器部分は見ごたえがある。
…それにしてもやけに狭いな!運転席部分のすぐ横に貫通扉(乗客が隣の車両へ移動する通路)が設けられているため、その大きさは公衆電話並みである。当時の日本人ってこんなに小さかったのか?
そしていよいよ客室(←この呼び方でいいのか?)へと入る。
ムホー!すんばらしい!!
うっすらと残っていた記憶が蘇る。
このやけに黒っぽい木目の壁は初期型車両の特徴である。中期型、後期型になるにつれて薄い茶色に変更された。また、東西線6000形の壁とお揃いのレア仕様もあったようである。
私が幼稚園児の頃は中期型、後期型がほとんどであったが、一度だけ初期型に乗ったのを覚えている。その時に記憶に残っているのがココから見た光景で、子供ながら「あれ~、こんなに焦げ茶色だったかな~」などと考えたりした(気持ち悪い子供だ)。
…恐らくあれは初期型の最後の生き残りだったのだろう。
札幌の地下鉄車両は六角形の貫通路が伝統となっているが、意外にも初代は可愛らしい円形であった。いつの間にか見なくなった優先席のマークが懐かしい。
…ところで、何か気付くことがないだろうか。やけに窓がデカイのである。ドアなんて4分の3がガラスである(上の写真参照)。さすがにデカすぎたのか中期型、後期型では若干小さく変更された。
こんなに大きく設計された理由は不明である。
時間が止まった車内には、当時の貴重な広告も。最も注目すべきなのが窓に貼ってある路線図で、南北線「南平岸」の部分が「霊園前」になっていたり、東西線の終点が「宮の沢」ではなく「琴似」、そしてなんといっても東豊線が存在しないなど、見どころ多数。
2011年は偶然にも「札幌市営地下鉄開業40周年」という事で、車内では記念の写真展をやっていた。マニアには感動ものの写真が多数。この「苫小牧港に搬入される2000形」なんて恐ろしく貴重だ。
個人的に好きなのは右の1枚。薄緑の巨大な箱が宙に浮いている様子はなんともワクワクするではないか。
それにしても、トラックがとんでもなく古い。飾りっ気のないデザインはいかにも70年代初頭だ。
ということで、感動の「12年ぶりに2000形と触れ合おう!」レポートは終了。今まで記憶の中のみであった2000形車内の実物が見られて本当に良かった。なお、車内に居ると、他の見物客が歩くにつれてやけにボヨンボヨン揺れるのが印象的だった。これはゴムタイヤの地下鉄ならではのご愛敬だ。
こちらの車内解放は、現在も「交通資料館まつり」で毎年開催されているようなので、興味のある方は行ってみることをオススメします。
完。