ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

(広島県福山市)福山自動車時計博物館 後編

2021-10-06 21:12:40 | 日本全国!珍スポット・魔境訪問
(2019年訪問)前編はこちら
兵庫、岡山、広島珍スポットラリーより記事を抜粋しております。




車の周りを囲む展示物は多種多様。壁を埋め尽くす大量の掛け時計が圧巻で、時を刻むコチコチという心地よい音が響きます(^^)。
他、アンティーク木馬やオルゴール、ブリキのミニカーやプラモデル。天井からは飛行機の玩具がぶら下がり、軽飛行機「ハイパーチェロキー」の実物展示もあります。

福山自動車時計博物館のコンセプトは「のれ、みれ、さわれ、写真撮れ」。
大量生産・大量消費の現代こそ、戦前、戦後の激動の時代を五感で感じてほしいという館長・能宗孝氏の思いが込められており、なんと館内のすべての車は自由に乗車可能!
車好きには最高の空間なのです。


T型フォードスピードスター(1915)、ダットサンフェートン(1935)、そしてこちらのダットサンセダン(1936)などのクラシックカーでも、ドアを開けて運転席に座ることができます。
さっそく恐る恐る乗車……。やはり小さいです。


自動車史には欠かせない存在、初代・トヨペットクラウンの初期型(1955)。
先ほどのような戦前のクラシックカーは詳しくないので、この辺りからやっとピンとくる顔ぶれ(^_^;)笑
観音開きのドアを開け、せっかくなので役員気分で後部座席へ。
これまで柵やロープ越しで見てきた初代クラウン、スプリングでボヨンボヨンの座り心地を体験できて感動です。



ズラリと並ぶ60年代以降の国産車たち。初代三菱ミニカ、マツダR360クーペ、トヨタパブリカ、マーク||バンなどなど。
博物館の定番カーから微妙にレアな車まで幅広い。

思う存分「のる、みる、さわる」。



1台残らずドアを開け、ハンドルに触るのはもちろん、クラッチ踏んでギアチェンジも体験させてもらいました。
今まで遠目に眺めていた子と、やっと手をつなげたような感じでしょうか(←気持ち悪い)。
なんて素晴らしい時間なのでしょう!


最初は「バタンコ」博物館をやりたかったというだけあって、オート三輪も充実。
マツダK360と、三輪の代表格ダイハツミゼットの初代、二代目が並ぶ。あとはオートバイに荷台を付けたようなバーハンドル車や、珍しい三菱ペットレオなども。


中でも同館ご自慢の1台はこちら、資料を基に忠実に再現されたマツダ3輪乗用タクシー(1950)。
戦後、GHQによる四輪自動車生産禁止令の中、ここ広島が本拠地の東洋工業(現マツダ)が苦肉の策として製造した「広島タクシー」仕様。
原爆で壊滅的な被害を受けた県内で5年ほど使われ「広島には緑が不足している」ことからこのカラーにされたといいます。なお、乗り合いで料金は一律50円。
製造台数は約20台だったといい、同館いわく「幻のバタンコタクシー」。

昭和の日用品コーナー



古いガスコンロやミシン、桐箪笥などは古民家から譲りうけた物でしょうか。
ここを抜けると、館長が特に力を入れて収集されたという江戸時代中期~末期の櫓時計(本体から垂れたおもりの部分がやぐらを思わせるため、こう呼ばれる)や枕時計が別部屋に美しく陳列。
女性スタッフが丁寧に解説してくれました。


せっかくなので、大好きなスバル360や丸ハンドルのミゼットなどと記念撮影してもらいました(^^)。

なお、館内の展示車両は20台前後ですが、非公開のバックヤードには極めて珍しい商用車を中心に大量の車両がストックされており、頻繁に展示替えがされています。
実際、私が見学している最中も「今からベンツ入れますよ~」と教えてくれ、裏のシャッターから自走で館内に搬入する激アツシーンを見ることができました(^^)。
前回述べた日野コンマースなどもいつかは展示してほしいものです。
ほんと、ここは何度も訪れたい施設ですね。

完。
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(広島県福山市)福山自動車時計博物館 前編

2021-10-06 21:07:52 | 日本全国!珍スポット・魔境訪問
(2019年訪問)
兵庫、岡山、広島珍スポットラリーより記事を抜粋しております。



・福山自動車時計博物館(広島県福山市北吉津町3-1-22)
1989年に館長・能宗孝氏が、家具メーカーだった実家の旧倉庫を活用してオープンさせた旧車とアンティークの博物館です。
古時計から始まり、「バタンコ(オート三輪)」など、昭和当時はあまり見向きもされなかった物を中心にコツコツと集められたといい、故に他の博物館では決して見られない珍しい自動車がそこかしこにあるとか……。


噂に間違いは無く、本館に向かう途中からレア度が極めて高い初代・日野ブリスカ900(1961~67)がお出迎え。
隣にはレストア中のトヨタのボンネットバスもあり、いきなり迫力満点だ。


本館前の道路には屋根つきの屋外保管場がいくつかあり、入場料を払わずとも旧車の数々が見放題
こちらは定番のスバル360を先頭に、ボンネットタイプのいすゞのトラック、そして古い消防車が7台も並ぶ。




日産ジュニア、トヨタ消防車、日産FS581……。バスでは見た事がある顔でも、消防車だと新鮮。
これだけ勢ぞろいすると壮観です。


別の保管場所には、同館がピカピカにレストアしたボンネットバスが3台も。いずれもバリバリ動態保存で、ゴールデンウィークやお盆には来館者の送迎に使われるという太っ腹さ。
道路を挟んだこれまた別の保管場には、中々残らないバキュームカー仕様のマツダT600
そして後ろに顔をのぞかせるのは残存数台というレア度MAXの大型オート三輪、トクサン号。四国の高知県自動車工業が64年~、山道での林業輸送用に製造。


特筆すべきはこちら、かなり腐食が進んでいますが現存個体はこの1台ともいわれるマツダB1500(61~64)の1トン積みトラック。
県内のとある整備工場近くの茂みに埋もれており、2010年に同館がサルベージし、ここに辿り着きました。
このご尊顔だけでも1時間はつぶせる。

また、つい数年前まではこちらも残存2~3台、わずか2年しか生産されなかったミニバンの先祖・日野コンマース(60~62)の極上個体が鎮座していましたが、現在は博物館裏の収蔵庫に仕舞われています。


本館前には、第19次南極観測隊払い下げのトヨタランドクルーザーと雪上車が存在感を放っています。
その他、オースチンのロンドンタクシーやマイクロ、リアエンジンバス、相当古いチチヤスの宣伝車などなど……。



さて、入館料900円を払いようやく入場です。
日差しの降り注ぐ開放的な館内。ズラリと並ぶクラシックカーと昭和家電、日用品、そして蝋人形が出迎えてくれます。

なかなか素晴らしい出来栄え。



オバマ元大統領にヘンリー・フォード、クリントン&リンカーン、ペリー、マッカーサー、吉田茂といった面々。これは楽しい(^^)

塔時計(タワークロック)とエジソン

時計台用の塔時計は1600~1900年代ものを約40台所蔵しているとのことです。

ジェームス・ディーンとエルヴィス・プレスリー


後編へ続く。
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