ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

新幹線開業前の函館を旅する その6

2016-03-13 02:36:19 | 北海道内の旅行・風景
※内定先の研修等があり、更新がままならず失礼いたしました。m(__)m
また、コメントを頂いたにもかかわらず返事が遅くなってしまった事をお詫び申し上げます。

(多少の余裕が出て来たので、これからは再び通常の更新ペースに戻っていくと思われます(^-^))

元・客室フロアの一画に「喫茶・軽食コーナー」が。

窓からは船の先端部分と函館のベイエリアを望むことができます。
残念ながら、この時は喫茶コーナーは営業していませんでした。

船内から函館山を望む


コーナーの一角には「洞爺丸台風」のパネル展示が。

青函連絡船の歴史を語る上で避けて通れないのが、「洞爺丸台風」による悲劇的な事故です。
1954(昭和29)年9月26日、北海道に接近中であった台風15号の影響により青函連絡船「洞爺丸」が函館港内で転覆。悪天候で運行を見合わせたのち、4時間遅れで函館桟橋を出た後に起こった事故でした。
乗船していたうちの1155人が死者、行方不明者となり、日本海難史上最悪の事故と言われています。
洞爺丸の他にも、「第十一青函丸」「北見丸」「日高丸」「十勝丸」の貨物船4隻が函館港内で転覆し、犠牲者は総数1430人。
この事故により、連絡船は最新鋭のものに設計の見直しがなされ、また計画段階であった青函トンネルの建設が具体化されたとも言われています。

3階「船のしくみ」コーナー

歴代の連絡船で使われていた設備、部品、救命用具、また各種模型などが展示されています(*^_^*)。


港に敷かれた線路とをつなぐ可動橋は、様々に変化する港の潮位、船体の揺れ、気象条件などに対応できる構造をしており、導入当初は他に例を見ないものであったそうです。
右の写真の器具は、船内で貨車を固定するために使われた「緊締具」と呼ばれるもの。


貨車を積み込む「車両甲板」は非公開エリアのため立ち入りは出来ませんが、ご覧のようにライブカメラでリアルタイムの様子を見る事が出来ます。モニター下のマウスを使って遠隔操作も可能ですよ(*^_^*)。

階段を上り、いよいよ4階「操舵室」へ。

…こりゃスゴイ!


おぉ~!ほぼ原形のまま♪
ここまで自由に見学できるとは思っていなかったので、とてもワクワクしています!(*^_^*)
複雑に配置されたスイッチやボタン類、時代を感じる受話器…。自由に触れるのがまた嬉しいですね♪


これが操舵輪ですか♪大きなのりものを操縦するのは男の子の永遠の夢(笑)。こんな所に立てるなんて嬉しいですね!
僕も思う存分グルグル回して船員気分に浸らせて頂きました(笑)。
…なお、赤いボタンの上には「汽笛を鳴らせます」の表示が。恐る恐る押してみると…。

ドゥーーーーーーーーーーーッ

…すげぇ!!
お腹に響き渡るような重低音が港じゅうに響き渡ります。
もはやこれを鳴らせただけでも函館に来た甲斐が…(*^_^*)笑

操舵室には…やはり神棚が。

一歩間違えば重大な海難事故につながる船の仕事。乗組員だけでなく、数多くの乗客の命を海上の機嫌にゆだねなくてはならない連絡船ですから、神を祭るのも重要な儀式だったのでしょう。

操舵室隣の「無線通信室」。こちらも当時のまま。

うはぁ~、こっちもイイ感じ!(*^_^*)
部屋の真ん中に存在するのは、もちろん通信士の作業席ですね♪


こちらも数多くのスイッチがズラリと並んでおり、目が回りそうです。
机の上にはモールス信号を送っていた機器(すみません名前わかりません)もちゃんとありました。押すとしっかり音も鳴りますよ。
そして机上には、ご親切にモールス信号の種類を解説した表が(笑)。


通信室内にはタモリが来館した時の写真が♪
昨年放送されていた『ブラタモリ』(NHK)の函館回の時ですね(*^_^*)。僕もきちんと見ましたよ!
自分もタモリのような品のあるオタクになりたいものです(笑)。

普通座席(カーペット敷き)再現コーナー

…なぜか上階の多目的ホールにポツンとありました。こちらはレプリカだそうです。
やはり定期船の客室というと、座席よりもこちらのカーペットのイメージが強いですね(^-^)。

壁に飾られていた当時の国鉄案内

急行「せたな」、特急「おおとり」って…(;O;)ブワッ
古き良き昭和の鉄道…。



さて、これにて「摩周丸」の観光は終了です。
冬期間なので甲板などへは出られなく、見物できるエリアは限られていましたが、それでも大満足でした!(^O^)
新幹線の開業をきっかけに、こちらの「摩周丸」や青函連絡船の歴史にも再び注目が集まると良いですね…。

次回!第2章ラストです。
函館市内プチ観光&消えゆく特急電車。

続く。


コメント (4)
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新幹線開業前の函館を旅する その5

2016-03-05 19:18:35 | 北海道内の旅行・風景
大変お待たせしました。第5回目です。

青函連絡船「摩周丸
(函館市青函連絡船記念館 摩周丸)函館市若松町12番地先


…1965(昭和40)年就航、1988(昭和63)年の連絡船運行最終日まで活躍し続けた「摩周丸」がそのまま保存されており、現在は博物館として内部を見学する事ができます。
猛烈な寒さの中、函館駅から徒歩で近づきます。
なお、船の前の駐車場にはツアーの大型バスが何台も停まっていて「意外と混んでそう?」と思いきや、皆さん函館朝市目当てだったようで…(笑)。ほとんどお客さんは居ませんでした(^_^;)

入場料500円を払って乗船~♪

…この入り口、なにやら旅立ちの瞬間みたいでワクワクしますね(*^_^*)

補助汽船の錨と、実際に付いていた「JR」&「国鉄」マーク

国鉄の「JNR(Japanese National Railways)」マークがステキですね♪
青函連絡船、最後の1年間はJRの管轄となっていたため、煙突に付いていたこのマークもJRのものに変えられました。

ロビーには、もはや芸術的ともいえるポスターが。



1枚目は青函トンネル開業1年前のもの、2枚目は連絡船廃止直前のものですね(*^_^*)。いずれもキャッチコピーが秀逸。旅情漂うショットに添えられた文章も感動モノです。
僕も連絡船の旅をしてみたかったなぁ。

3階「青函連絡船のあゆみ」コーナー

おぉ~っ、元・客室だったフロアを展示コーナーに改装しているんですね!
実は僕、連絡船がつい最近まで現役だった勘違いしていたくらい無知な人間なので、この機会にしっかり学んで帰りたいと思います…(^_^;)笑


…この青函連絡船「摩周丸」は、1964年就航の「津軽丸(2代目)」に続いていくつか造られた「高速自動化船」のうちの一つで、津軽丸を含め「八甲田丸」「松前丸」「大雪丸」「羊蹄丸」「十和田丸」が姉妹船となっています。いずれも旅客と共に、鉄道車両をそのまま船内に積みこむ貨物輸送を行い、函館~青森間を結んでいました。


船内に貨車ごと積み込むというのは何とも大胆な輸送方法ですよね。船の下部は線路が敷かれた輸送専用フロアとなっており、停泊時は可動橋を用いて港の線路と接続、函館駅までやってきた貨車を船の後部から積み込んでいました。
現在は行き止まりとなっている函館駅ですが、かつてはその先にある港(ちょうどこの船が保存されている場所)まで線路が延びていたのです。
1925(大正14)年には既に行われていたというこの輸送方法、作業時間が短縮されたことで道内~本州間の物流がかなり盛んになったといい、「流通革命」と呼ばれました。

かつての乗組員の制服


乗船キップと、各種記念乗船券

普通乗船券は当時の鉄道と同じような硬券だったんですね(*^_^*)。その他、グリーン券や入浴券、「遅延証明書」まであります。水色の券は、国鉄時代の最終便乗船証明書。マニア垂涎ですな。
なお、青函連絡船は自家用車の輸送も行っていた模様。
国鉄連絡船」か…、泣かせるぜ。

船員の粋なサービス「飾り毛布」

こちらは「摩周丸」が登場する前のサービスだったようです。寝台室のベッドメイク時、船員が季節に合わせたテーマで毛布を折りあげて乗客を楽しませていたようです(*^_^*)。様々なパターンがあり、その数10種類以上
1964年の津軽丸就航時に折り返し時間が短縮されたため、作業時間が取れず廃止になったようです。

そして…。展示フロアに当時の座席が!!

赤い座席がグリーン席、青い座席が普通座席です。
座席が並ぶ先には大きな液晶テレビがあり、連絡船に関する映像をいくつか視聴する事ができます(自分で選択可能)。これまた粋な計らいを…(*^_^*)笑
自分もグリーン座席を楽しみながら「さようなら青函連絡船」のドキュメント映像をじっくり拝見させて頂きました。


座席に座りながら外に広がる函館港を眺める事もでき、当時の船旅の雰囲気を味わう事ができます♪昔ながらのモケット生地の座席がイイ感じです。
そして座席後部には、折り畳みの机や注意書きのプレートがそのまま残っています。
そして…。


センヌキ
「フタのカドをひつかけて 
 ビンを上へこじる」!!!


あぁ…この塗装の剥げ具合。素晴らしい。
まさかこの旅で2回もコレが見られるとは…!!
函館に来てよかった!

次回!摩周丸の操舵室へ。
そして連絡船といえば…忘れてはいけない悲劇。

続く。
コメント (11)
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