式子内親王集 前小齋院御百首 春
1 春も先づしるく見ゆるは音羽山峰の雪より出づる日の色 はるもまつしるくみゆるはおとは...
式子内親王集 前小齋院御百首 夏
21 春の色替へ憂き衣脱ぎ捨てし昔にあらぬ袖ぞ露けき はるのいろのかへうきころもぬきす...
式子内親王集 前小齋院御百首 秋
36 夏暮れて今日こそ秋は龍田山風の音より色変はるらむ なつくれてけふこそあきはたつたや...
式子内親王集 前小齋院御百首 冬
56 神無月嵐は軒を払ひつつ閨まで敷くは木の葉なりけり かむなつきあらしはのきをはらひつ...
式子内親王集 前小齋院御百首 恋
71 尋ぬべき道こそ無けれ人知れず心は馴れて行き帰れども たつぬへきみちこそなけれひとし...
式子内親王集 前小齋院御百首 雑
86 苔筵岩根の枕慣れ行きて心を洗ふ山水の声 こけむしろいはねのまくらなれゆきてこころ...
式子内親王集 百首 春
101 霞とも花とも言はじ春の色虚しき空に先づ知るきかな かすみともはなともいはしはるの...
式子内親王集 百首 夏
121 春過ぎて又郭公語らはぬ今日の眺めを訪ふ人もがな 玉葉 はるすきてまたほとときすか...
式子内親王集 百首 秋
136 明けぬればさぞと思ふに秋に染む心の色の先づ変はるらむ あけぬなりさそとおもふにあ...
式子内親王集 百首 冬
157 神無月風に任する紅葉葉に涙争ふ深山辺の里 かむなつきかせにまかするもみちはになみ...