雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

年々歳々花相似たり ・小さな小さな物語 ( 1863 )

2025-03-20 09:10:52 | 小さな小さな物語 第三十二部

今日は春分の日です。
「暑さ寒さも彼岸まで」などという言葉もありますが、当地辺りでは、どうやら今年もこの言葉のような陽気の移り変わりになりそうです。
昨日は、広い地域で雪の便りがあり、それも「便り」などという程度を越えている地域も多く、首都圏も大荒れの天気に見舞われたようです。
当地は、今朝は快晴の夜明けを迎えましたが、庭や公園の芝生にはしっかりと霜が降りており、テレビの天候欄によれば、僅かですが氷点下になっていました。しかし、この寒さは、見事なほどに今日が転換点となり、明日からはどんどん暖かくなっていくようです。

大騒ぎのMLB開幕戦も、多くの感動とエピソードと共に終了しました。
多くの話題が、大谷翔平選手を中心としたこのニュースに乗っ取られていましたが、この春分の日当たりを転換点として少し変化が見られそうです。
海外では、ロシアによるウクライナ侵攻の悲劇は、大きな転換も期待されていましたが、さすがにプーチン大統領は役者が一枚格上のようで、適当にあしらわれているような気さえします。「一部的な停戦」がどの程度意味があるのか分らないのですが、いくら不十分であっても、終結への一つの足がかりになってくれることを祈る思いです。
国内政治を見ますと、「お金、お金」と叫んでいるように見えて、我が愛する国ながら、こちらは「春分の日」程度では何の変化もなさそうです。

その点、自然の流れは、大荒れのような姿を見せながらも、粛々と歩み続けています。
今日一日は、またまだ「大谷サーン」の話題にあふれていますが、ぼつぼつ「桜前線報道」が主役の地位に立ちそうです。
「年々歳々 花相似たり 歳々年々 人同じからず」などと、ちょっとした詩人気取りで、桜を楽しむ季節の登場です。
もっとも、この詩は、中国の唐の時代の人による詩ですから、この詩に詠われている「花」は桃の花かもしれません。
わが国にも「桃の節句」があるように、その花は可憐で美しいものですが、大勢が連れ立って桃の花を愛でるという風習はあまりないようです。
やはり私たちには、この詩は、絢爛豪華でありながらも、潔く散りゆく桜の花に、我が身を少し寄り添って鑑賞したいような気がします。

大自然は悠々としていて、異常季節だ、自然災害だなどと言いながらも、然るべき時には、桜は桜らしく同じ姿を見せますが、それを見る人間の方は、なかなかそうはいかないで、去年一緒に花を愛でた人の姿が今年はなく、自分自身も、一年の衰えを感じながら花の散る姿をかみしめている・・。
しかし、考えてみますと、桜の花とても、昨年と同じということはあり得ません。各地で、衰えを見せている桜の報道もありますし、荒々しい天候に、自らの命と次の世代に繋ぐために賢明に開花に備えている努力があるはずです。
私たちは、見事に咲き誇る桜を見て、「年々歳々 花相似たり 」などと受取るのは人間の横暴のような気がしてしまいます。
明日からは、昼の時間の方が長くなっていきます。昨日までよりも、少し目線を上げて、少し胸を張って、春爛漫を楽しみたいものです。

 

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さあ 今夜は朗希君

2025-03-19 18:34:28 | 日々これ好日

     『 さあ 今夜は朗希君 』

   MLB ドジャース対カブスの第二戦
   まだ昨夜の 余韻が残っているが
   さあ今夜は 佐々木朗希投手の初陣だ
   立ち上がりさえ うまく行けば
   かなりの好投が出来るはずと 期待している
   カブスの 鈴木誠也選手の 初安打も見たいので
   なんとも 忙しい応援だ

                ☆☆☆ 
   

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忘れるという才能

2025-03-19 07:59:31 | 私の好きなフレーズ

 『 忘れることが出来るものは忘れられるが、忘れることが出来ないものは絶対に忘れられない 』


「忘れるということは、神様が私たちに与えてくれた大きな才能の一つだ」と、かつてある先生が私に教えてくれました。ずっと昔のことですが、今も私の知恵の一つになっています。
しかし、私は、この才能にはムラがあることも知りました。私たちは、「忘れることが出来るものは忘れられるが、忘れることが出来ないものは絶対に忘れられない」ということです。 
結局は、私たちは、忘れられない思い出と仲良く付き合いながら生きていくことが、大切なのではないでしょうか。

   ( 「小さな小さな物語」第五部 NO.242 より )
                     ( 2011 . 01 . 18 投稿分)   

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さあ 大谷サーン 本番!! 

2025-03-18 18:47:31 | 日々これ好日

   『 さあ 大谷サーン 本番!! 』 

   いよいよ MLB開幕戦が始まる
   テレビの前で 準備万端
   当地では 先ほど 大きな雷鳴がしたが
   お茶の間観戦は 何の影響もなし
   大谷選手への 期待が大きいが
   個人的には 山本投手に注目している
   さあ セレモニーが始まる

            ☆☆☆

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猿神と戦う犬飼の男 ・ 今昔の人々

2025-03-18 08:00:53 | 今昔の人々

     『 猿神と戦う犬飼の男 ・ 今昔の人々 』


美作国に、中参・高野と申す神が在(マシ)ました。
その御神体は、中参は猿で、高野は蛇であった。
毎年一度行われる祭りには、生け贄を供える習わしがあったが、生け贄には、その国の未婚の娘を立てるのが、昔からつい最近までの長い習慣であった。

さて、この国に、それほどの家柄ではないが、年のころ十六、七の美しい娘を持っている人がいた。父母はこの娘をたいそう可愛がっていて、わが身に変えても惜しくないほど大切に育てていたが、この娘がその祭の生け贄に当てられたのである。
生け贄は、今年の祭の当日に名指しされると、その日から一年間、大切に養いよく太らせて、次の年の祭には生け贄に立てられるのである。
父母は嘆き悲しんだが、逃れようもないことなので、月日が過ぎるにつれ、共に過ごす日が縮まっていくのを、親子共々に泣き暮らしていた。

ちょうどその頃、東国の方から所用があってこの国にやって来た男がいた。
この男は、犬山といって、多くの犬を飼い慣らして、山に入って猪や鹿を犬に食い殺させて猟をすることを仕事にしていた。また、男自身も、心は極めて猛々しく、物怖じすることなどなかった。
この男は、しばらくこの国に留まっていたが、いつしかこの事を聞きつけた。

そして、あえて用事を作って、この生け贄の娘がいる家を訪ね、話をしているうちに生け贄になる娘の話になった。
蔀戸の隙間から見える娘の姿は、色白でかわいらしく、髪も長くて田舎人の娘とも思えないほど品がある。それが悲しげな様子で髪を振り乱すように泣いている姿は、この犬飼の男の胸を打ち、たいそう哀れに思われた。
父親は、「ただ一人の娘を、このように生け贄に立てられて、嘆き暮らし、思い悩んで月日を過ごしているうちに、別れの日が近づくのが悲しくてなりません。このような国もあるのですねぇ。前の世でいかなる罪を作って、このような国に生れて、このような情けない目を見るのでしょうか」と言う。
犬飼の男は、「世にある人、命に勝る物はありません。また、人が宝とする物に、子に勝る物などありません。それなのに、ただ一人の大切な娘御が目の前で膾(ナマス)にされるのをご覧になるのは、何とも情けないことです。ご主人、いっそ死んでしまいなさい。だが、かわいい娘を取って食おうという者を前にして、無駄死にする者がどこにいますか。神も仏も、自分の命が惜しいから恐ろしいのです。子の為にこそわが身が惜しいのです。それに、娘御はもはやいないのと同じです。同じ死ぬのであれば、娘御を私に下さい。その代わりに、私が死にましょう。それなら、私に下さっても良いではないですか」と言う。

父親は、「それで、あなたは何をなさろうとしているのですか」と訊ねた。
犬飼の男は、「私には考えていることがあります。このお屋敷に私がいることを誰にも言わないで、精進するのだと言って注連縄を引き渡して置いて下さい」と言った。
父親は、「娘が死なずにすむのであれば、私はどうなっていい」と言って、この男に密かに娘を嫁がせた。
犬飼の男は、この娘を妻として過ごしているうちに、しだいに離れがたくなっていった。
そこで、長年飼い慣らしている犬の中から二匹を選び出して、「お前たちは、私の身代わりになるのだ」と言い聞かせて、さらに訓練を重ねた。山から密かに猿を生け捕りにしてきて、人のいない所で、迷うことなく猿を食い殺す練習をさせた。もともと、犬と猿は仲の悪いものなので、しっかり教えて訓練すると、猿の姿を見ると一心に飛びかかり食い殺すようになった。
男自身は、刀を研ぎ澄まして準備して、妻となったこの家の娘に、「私は、そなたの代わりに死ぬつもりです。死は前世からの定めなので仕方がないが、そなたと別れるのは悲しいことだ」と言った。
妻となった娘もまた、そのわけは分らなかったが、たいそう悲しく思った。

いよいよその当日になると、宮司をはじめ多くの人が迎えにやって来た。
新しい長櫃をを持ってきて、「この中に娘御を入れなさい」と言って、長櫃を寝室に運び込んだので、犬飼の男は狩衣に袴だけを着て、刀を身に引き付けて持って長櫃に入った。訓練を重ねた二匹の犬は、左右の脇に伏せさせた。
両親たちは、娘を入れたように思わせて長櫃を取り出すと、鉾、榊、鈴、鏡を持った者たちが雲のように集まって、大声で先払いしながら進んでいった。
妻となった娘は、どういうことになるかと恐れながら、男が自分の身代わりになったことを気の毒に思った。両親は、「後はどうなろうとも、かまわない。どうせ死ぬのであれば、こうするしかなかったのだ」と思っていた。

生け贄を御社に持っていくと、祝詞を唱えてから玉垣の扉を開き、長櫃を結わえている紐を切って中に差し入れた。そして、玉垣の扉を閉めた。宮司たちは、外に居並んでいる。
犬飼の男は、長櫃を少しばかり開けて外を覗いてみると、身の丈七、八尺ばかりの猿が上座にすわっている。歯は白く。顔と尻は赤い。その左右にはずらりと百匹ばかりの猿がすわっている。顔を真っ赤にして眉をつり上げて啼き叫んでいる。
前には、まな板の上に大きな刀が置かれている。酢塩、酒塩などが置かれている。まるで、人が鹿などを料理して食べるかのようである。
しばらくすると、上座の大猿が立ち上がって、長櫃を開こうとした。他の猿どもも皆立ち上がり、一緒に開けようとした。

その時、犬飼の男はにわかに飛び出して、犬に「食いつけ、それ行け」と命じると、二匹の犬は飛び出して、大猿に食いついて打ち伏せた。男は研ぎ澄ました刀を抜いて、大猿を捕らえてまな板の上に引き伏せ、首に刀を差し当てて、「お前が人を殺して食うときは、こうするのだな。その首を切り落して犬の餌にしてやる」と言うと、猿は顔を真っ赤にして眼をしばたいて、白い歯をむき出して、涙を流して手を摺り合わせるのを、犬飼の男は聞き入れようともせず、「お前が長年の間、人の子を喰らった代わりに今日こそ殺してやるのだ。だが、もしお前が神であるなら、今すぐ我を殺せ」と言って、首に刀を差し当てると、二匹の犬も他の多くの猿を食い殺し、何とか生き残った猿は木に登り、あるいは山に隠れて、多くの猿を呼び集めて、山が響くほどに叫び合ったが、どうすることも出来ない。

すると、一人の神主に神が乗り移り、「我はこの後、永久に生物の命を取ることはしない。物の命を取ることもしない。また、この男が我をこのような目に遭わせたからと言って、この男に危害を加えるようなことはしない。生け贄の娘をはじめ、その両親や縁者にとがめ立てはしない。どうか我が身を許してくれ」と仰せられたので、宮司や村の者たちが社に入り、犬飼の男に「御神がこう申されている。もう、許して差上げよ」と言ったが、「自分の命は惜しくない。多くの人の代わりに此奴を殺して、一緒に死んでやる」と言って、なお許そうとしなかったが、神主たちは、さらに祝詞を挙げて誓約させたので、犬飼の男もようやく許してやったので、猿たちは山に逃げ帰っていった。

これから後は、この村で生け贄を立てるようなことはなくなり、犬飼の男は娘と夫婦として末永く暮らしたという。

       ☆   ☆   ☆






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これって 政治ですか?

2025-03-17 19:04:25 | 日々これ好日

     『 これって 政治ですか? 』

    石破首相の 商品券配布問題
    野党は 待ってましたと 追求することだろう
    金権政治云々と 騒いでいる中だけに
    国会周辺では 珍しくもないことなのかな
    ところで 行儀の悪い議員を 追求したりするのは
    これも 政治なのかな?
    こうした問題は 国会以外の場所で 当然議員の私費で
    厳しく追及し 反省していただくべきで
    国会を使うなど とんでもないし
    まさか こうした時間まで 給与の対象にしていないだろうねぇ・・

                  ☆☆☆

   

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この国の安泰 ・ 小さな小さな物語 ( 1862 )

2025-03-17 07:59:11 | 小さな小さな物語 第三十二部

ロシア軍によるウクライナ国内への侵攻により始まった戦争は、三年を過ぎて、ようやく停戦への微かな灯火が見え隠れするようになりました。
この戦闘を、軍事作戦とか、侵攻とか、極力「戦争」という言葉を避けているような気がするのですが、辞書などによりますと、「武力による国家間の闘争」と説明されていますから、やはり、この状況は、どのように理由をつけ、どのような説明を展開させようとも、戦争そのものだと思われます。
ロシアの人的・物質的両面の損害は甚大なもののようですが、ウクライナの場合はまさに国家の存亡をかけた戦いになってしまいました。

ロシア軍がウクライナ国内に侵攻とのニュースが流れたときには、数日、あるいは長くても数か月で決着すると述べていた解説者も複数いらっしゃいました。
おそらく、ロシア首脳部もそうした判断のもとで侵攻に踏み切ったのでしょう。これもおそらくですが、ウクライナ軍の反攻がこれほどだとは予測せず、それにも増して、欧米の武器支援がこれほどだとは考えなかったのではないでしょうか。
その結果は、戦いは三年を過ぎ、両国の大きな損害は増え続けています。そして、ウクライナへの支援体制は、揺らぎが見え始めているように見えます。それに加えて、ウクライナ軍の劣勢も伝えられています。現状程度の武器支援を受け続けることが出来るとしても、兵士の損耗をものともしないロシア軍の侵攻が続けば、ウクライナ側のじり貧状態は避けられないかもしれません。
折から、トランプ米大統領が停戦への働きを強めているようですが、プーチン大統領が簡単に自説を放棄するとは思えず、ゼレンスキー大統領への妥協要請が強まるのではないかと懸念されます。

「力による現状変更(国境線)に反対する」という言葉をわが国の政治家から耳にすることがあります。他国に侵略する意志がない以上、これを世界秩序の中心にすえて欲しいと思います。ただ、これは、平和を享受している国の都合、強国に対する牽制、といった気もしないではありません。
国境線の現状維持といっても、国境紛争が起っている地域では、それぞれにそれぞれの言い分が存在しているはずです。今回のロシアのウクライナ侵攻でも、国際的な評価はともかく、ロシアの言い分もきっとあるのでしょう。パレスチナなども同様ですし、何も遠い地域に例を求めなくても、わが国にも国境線を越えられていたり、危機にさらされている地域が存在しています。わが国から見ればとんでもないことですが、相手国はそれなりの理論武装をしていますし、わが国の国力が低下すれば、さらに紛争地域が広まる可能性は否定しきれません。

トランプ米大統領は、関税を武器に多くの国に貿易条件の変更を推し進めています。
貿易の不均衡を是正させるのが目的なのでしょうが、新たに関税を課せられる国としては、「力による現状変更(交易条件)に反対する」と大声を挙げたいところですが、相手が米国となれば、相当の力を有していなければなかなか声を挙げることが出来ません。現在のところ、報復関税を表明しているのは、EU・中国・カナダぐらいで、わが国は、小さな声で「力による現状変更に反対する」とささやく以上のことが出来るのでしょうか。
そして、もし、いずれかの国から武力での侵略を受けた場合、ウクライナのように立ち上がるのでしょうか、「力による現状変更に反対する」と唱え続けるのでしょうか。
そうした危機を避ける手段は、わが国の国力、つまり、経済力・軍事力・外交力・科学力・文化面などのレベルアップ以外はないと思うのですが、思うのは簡単ですが、半歩進めるのも大仕事なのでしょうねぇ。

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喜んで良いのかな??

2025-03-16 18:24:33 | 日々これ好日

     『 喜んで良いのかな?? 』

   阪神タイガースの 投手陣が
   ドジャースとカブス相手に 18イニングを完封
   いずれも 生きのいいピッチングぶりが目立った
   素直に 喜んで良いのか 
   本番への力を 使い果たしたのでは ないかなどと
   心配したくなるような すばらしい出来だった
   藤川監督の手駒が どんどん増えていると喜ぶべきだが
   開幕時まで 調子が保てるのかと 不安も大きくなって
   良ければ良いで・・  困ったものですなぁ・・

                  ☆☆☆  

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故帥殿の姫君 ・ 望月の宴 ( 139 )

2025-03-16 08:12:10 | 望月の宴 ④

     『 故帥殿の姫君 ・ 望月の宴 ( 139 ) 』


帝(三条天皇)のもとには、まだどなたもお仕え申し上げていない。
尚侍殿(ナイシノカミドノ・道長の次女、妍子)を参上させるようにとのお便りが度々あるが、殿の御前(道長)がはっきり心をお決めにならない。
帝のご後見は殿がお引き受けなさっており、東宮(敦成親王・生母は彰子)のお世話はさらに手厚くなさっている。帝がお代わりになっても、内裏における殿のご様子には何の変化もないと世間の人たちは取沙汰している。

帝の宣耀殿女御(娍子。藤原済時の娘。)の宮たちのうちお三人は御元服なさった。四の宮(師明親王、この時七歳。)はまだ幼くていらっしゃる。
女一の宮(当子内親王、十一歳。)は、斎宮におなりになるべくお決めになった。
御即位、御禊、大嘗会など、あれやこれやと世間は騒ぎ立っている。女御代(大嘗会には通常は女御が供奉するが、出られない場合には、大臣などの女が女御代として供奉する。)には、尚侍殿が参られるようだと世間の人が噂している。ただ、まだそれは決定していない。

ところで、故帥殿(伊周)の姫君のもとには、高松殿の二位中将(道長の次男頼宗。生母は高松殿 ( 源明子 ) 。)が夫として通っていらっしゃったが、最近御子をお生みになられたが、たいそう可愛らしい女君でいらっしゃったので、殿(道長)は、将来のお后よと言ってお抱きになり、可愛がられていらっしゃる。
お誕生祝いの七日間の御有様は、限りなくご立派で、多くの方々からお祝いが寄せられていた。殿の御前(道長)も勿論のことで、万事につけ十分にご支援なさっている。
あの帥殿が、秘蔵の姫君として大切にお育てになられていたことを思い出すにつけても、二位中将とのご縁が悪いというわけではないが、この世で最高の地位にと思い描かれていたことを、思い出し申される人も大勢いる。
一条帝から三条帝へお移りになる間の、詳しい事情や世の騒がしいことなどは書き尽くせないのでご想像いただきたい。
また、この姫君が誕生なさってからは、二位中将は宮中や殿のもとに参上なさるのも、時間が惜しまれるご様子である。

       ☆   ☆   ☆

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せめて今夜は 大谷さん大谷さん

2025-03-15 18:19:35 | 日々これ好日

    『 責めて今夜は 大谷さん大谷さん 』

   トランプ関税だ 報復関税だと右往左往
   停戦へ 向かっているようにも見えるが
   ウクライナが 苦しい状態になっているようにも見える 
   我が県政は 面白くないが
   石破首相まで 何をやってくれるのだ という感じ
   イライラすることが 多すぎるが
   せめて今夜は 大谷さん大谷さんで
   楽しませていただこう

                ☆☆☆ 

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