天井から石灰分が滴り落ちてできた石筒がたくさんあり、きれいだった。奥の方の緩やかな斜面に、環状に石が並んでいたのは、炉と思われる。ロビーの突き当たりかた左に、海岸線と平行して、幅5メートルほどの廊下が北に向かって100メートル以上続いている。ここは昼でも真っ暗だった。この暖かく居心地の良い洞窟の中なら、裸になった人間が20,30人快適に住めそう。火に近く、外の景色が見えるところで団欒しただろう。食糧の優先席や寝心地の良い場所をめぐって上下関係が生まれたかもしれない。
裸になった理由はまだわからない。たとえば寒冷期に食糧が不足し省エネのいために突然変異した可能性がある。理由どうあれ、皮膚も薄くて毛も薄い裸の状態では、洞窟のような保護環境に住まないと生き延びれない。