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アメリカドリームと云われた華やかな時代、アントニーは人が捨てたものを拾いだし、家賃以外のお金を使うことはなく、質素に暮らしていました。
彼はシャイですが、人に対する思いやりを表現するときにはとても強いアプローチをします。先日もランチの時間にお見舞いに行ったら、私達のランチがなかったので、スグに注文してくれたり、気が利くんです。
セラピストと検査の為にトイレに入ったときもドアを閉めてくれ!と注文したり、恥ずかしさを忘れていません。
アントニーはただのストリートパーソンではなく、人が捨てたものを拾い出す作業は人の心を拾い出しているのと同じように思えてきました。
アントニーとの出会いで私はもつと人生についての深さを感じ出しました。
アントニーの入っているナーシングホームは一日200ドル,1ヵ月6000ドルです。他のナーシングホーム探しをしていますが、マイアミの相場は一人月3500ドル位です。
アントニーは質素な生活をしながら4000万円貯金していました。
残された命があと何年か? 10年だとしたら4000万のお金は今のナーシングホームでは足りません。3500ドルのナーシングホームだと10年は大丈夫です。
人生を終えるために88歳の年齢と4000万円がバランスよく行くようにして差し上げるのはシリィルの仕事です。もしアントニーに家族のケアーがあればこの4000万円は他に使えまが。アメリカで老後を迎えるのが恐ろしくなります。
アントニーは無駄使いをしないで、老後のお金を貯めていました。
彼は小食家です。ゴミ箱から食べ物を拾ったもの、砂糖も好きですが大食しないので、88歳まで病気もなく元気でした。
マクロの人でも大食すると癌になったりしています
母性愛!を感じます。
アントニーの人に対する思いやりの深さを感じた私は、アントニーが愛おしくなりました。
アパートの片付けをしながら、リサイクルの同志としてアントニーの残された人生のお手伝いをしなくてはと強く感じています。
(縄文人はリサイクルの達人だったことからヒントを得て肉体をリサイクルするというのが縄文ストレッチです)
アントニーに必要なものは居心地の良いナーシングホーム。友人はなく、娘二人とは絶縁状態で、アントニーに会わせて上げたい気もしますが、小さな親切は大きなお世話になっても悪いとおもいますので、シリィルに提案しました。
ホームから帰るときには何度も手を振っています。別れが辛くなるほどです。
そんなアントニーを見ていた私は、ある日大泣き!してしまいました。
何故涙が出るのか自分でも分かりません。
大本教の出口なお教祖が御神事を受ける前の仕事は廃品回収の仕事でした。
アントニーにも何か不思議な力を感じるのです。
シリィルからブログに書いても良いと許可がでたので、シリィルの家族のことを書きます。
シリィルの祖父母はチェコスロバキアからアメリカへ移住され7人の子供がいました。
シリィルのお父さんは長男で高校の英語の先生、次男のジョーはパイロットでしたが、30歳と時に飛行機事故死、三男がアントニー、四男会計士、五男会社経営、六男会計士で成功、今はナーシングホーム年間1000万円のところで悠々自適。
長女は弁護士と結婚、こんな感じのお家柄ですからアントニーの存在は嫌がられているようです。
ナーシングホームをリサーチに行った時にシィリルはアントニーがストリートパーソンだったことを隠さずにちゃんと伝えていたので少し驚きました。
アントニーとお別れして火曜日にアナーバーへ帰ります。アントニーと過ごした二週間のマイアミ滞在は一生忘れられない素晴らしい時間となりました。
アントニーがまた元気になってくださることを祈ります。