一昨年の大河ドラマ「龍馬伝」は、長身でかっこいい福山雅治が主役演じたこともあって、高い視聴率をマークした。ドラマの中で役者たちは上手に土佐弁を話していた。あれが正しい土佐弁かどうか、土佐出身ではないので判断できないが、専門の方言指導もあったろうから、何となくそうなんだろうと思っている。しかし、高知市に住む人に言わせると「ちと微妙に違うんだよなあ」と言う意見もあるかもしれない。と言うわけで、今回は地方の言葉、つまり方言について書いてみる。
方言は、東北、関東、中部、関西、中国、九州の日本の各地に存在する。関東地方の人に言わせると、東北地方の人は同じ東北弁を話してるんだろう。また九州の人は九州内に住んでいるから、どの県に行っても通じるんだろと思うかもしれない。
無論そんなことはなく、九州内でも福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県それぞれに方言がある。特に鹿児島弁は、九州の中でも他の県とかなり異なった言葉とイントネーションから成っている。
なぜか?一説によれば、日本列島の端っこに位置する島津家・薩摩藩は徳川幕府の目が届きにくいことをいいことに諸外国との密貿易をするなど禁制に手を染めていた。幕府に知れたらトラブルになるので、幕府の隠密を欺くために、藩士同士でしか会話を理解できないように考案したものだとある。しかし、言葉なんてそう簡単に統制できるものだろうか。一部にはそういう面もあったかもしれないが、長い年月の中で、少しづつ変化してできたと考えた方が自然である。
九州でよく知られている方言として博多弁がある。福岡出身のフォークソンググループ「海援隊」の歌う「母に捧げるバラード」をご存知だろうか?若い年代の方は聞いたこともないかもしれない。その歌に出てくるセリフが博多弁である。
「なんばしょうとかいね。こんこは てれーっとして」
標準語に訳すと、「何をしているんだろうね、この子は ・・」である。これがもっと南下して鹿児島弁になると「ないしょっと!か こんわろは」(間違っても、ゴルフで使う「ないすしょっと=nice shot」ではない。)となる。このように、鹿児島弁になるとかなり難解となる。
ついでながら、代表的な鹿児島弁の言葉をいくつかあげてみる。
(1) よくさ、おさいじゃしたもんせ
(2) あいがとさげもした
(3) だいやめ
(4) け、け、け!
それぞれを標準語に訳すと、
(1) ようこそ、いらっしゃいました。
(2) ありがとうございました。
(3) だい=ダレ=疲れ、やめ=止める、
焼酎を飲んで疲れを取る=晩酌
上の3つは何となく理解できるかもしれないが、(4)は理解不能だろう。「け、け、け」の「け」は順番に、け=貝、け=買う、け=来い。の意味である。
つなげると「貝を買って来い」となり、母親が子供に買い物を言いつけているのであ
る。ただし、現代では、使われることはない。鹿児島弁の特徴である「言葉を詰める」を具体的に表した言葉であることには間違いない。
次に、鹿児島弁の歌♪「ちゃわんむしの歌」を紹介する。
♪んだもこらいけもんな あたいがどん ちゃわんなんだ
日に日に三度もあるもんせば 綺麗なもんごわんさあ
茶碗に付いた虫じゃろかい てごなどけ歩く虫じゃろかい
まこてげんねこじゃ わはは
この歌ができたのは、大正時代である。
ある店で客が「茶わん蒸し」を注文した。ところが、嘗て茶碗蒸しを食べたことのない店員は料理名を知らない。客は「茶わんむしがあるじゃろが・・・」怒りだした。その声を聞いた店の主人は、客に出したお茶に虫がいたものと勘違いし、店員を呼びつけて「ちゃんと茶わんを洗ったのか。虫がついていると言ってるぞ」と叱った。しかし、店員は「日に日に三度も洗っているんですよ。いったいその虫は茶わんにひっついていた虫でしょうか。それと目籠(竹製の籠)などを跳ね歩く虫でしょうか。茶わんについている虫なら私の責任ですが。・・」と意気まいた。結局、客の言う「むし」は、虫ではなく、蒸しだと分かって、客も主人も大笑いという一幕を歌にしたものである。
改めて注釈をつけると次のようになる。
♪んだもこら いけもんな (あらま、どうしたことでしょう)
あたいがどん ちゃわんなんだ (うちの茶碗は)
日に日に三度もあるもんせば (毎日3回は洗っているので)
綺麗なもんごわんさあ (清潔なものですよ。)
茶碗に付いた虫じゃろかい (茶碗に付着した虫ですか?)
めごなどけ歩く虫じゃろかい (籠の上を歩く虫でしょうか?)
まこてげんねこじゃ わはは (本当に恥ずかしいことです。笑い)
鹿児島弁の語源は、宮中言葉から生まれたものもある。その例として、豆腐のことを「おかべ」と言う。豆腐はご存知のように四角て白い。宮殿の白い壁に似ているので、宮中では豆腐を御壁と言った。その御壁=おんかべが詰まって「おかべ」となった。
また、鹿児島では、味噌汁のことを「おっけ」と言う。宮中では味噌汁を御御御付け=おみおつけ、と言った。「おみおつけ」が詰まって「おっけ」となった。
更に、あなた、君、つまり英語のYOUを「おまんさあ」と言う。これも「お前様」が「おまんさあ」となったもの。
鹿児島弁は荒っぽいというイメージがあるが、意外とそうでもないと理解いただけたと思う。ちと、長くなったので、続きは次回にする。(平)
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方言は、東北、関東、中部、関西、中国、九州の日本の各地に存在する。関東地方の人に言わせると、東北地方の人は同じ東北弁を話してるんだろう。また九州の人は九州内に住んでいるから、どの県に行っても通じるんだろと思うかもしれない。
無論そんなことはなく、九州内でも福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県それぞれに方言がある。特に鹿児島弁は、九州の中でも他の県とかなり異なった言葉とイントネーションから成っている。
なぜか?一説によれば、日本列島の端っこに位置する島津家・薩摩藩は徳川幕府の目が届きにくいことをいいことに諸外国との密貿易をするなど禁制に手を染めていた。幕府に知れたらトラブルになるので、幕府の隠密を欺くために、藩士同士でしか会話を理解できないように考案したものだとある。しかし、言葉なんてそう簡単に統制できるものだろうか。一部にはそういう面もあったかもしれないが、長い年月の中で、少しづつ変化してできたと考えた方が自然である。
九州でよく知られている方言として博多弁がある。福岡出身のフォークソンググループ「海援隊」の歌う「母に捧げるバラード」をご存知だろうか?若い年代の方は聞いたこともないかもしれない。その歌に出てくるセリフが博多弁である。
「なんばしょうとかいね。こんこは てれーっとして」
標準語に訳すと、「何をしているんだろうね、この子は ・・」である。これがもっと南下して鹿児島弁になると「ないしょっと!か こんわろは」(間違っても、ゴルフで使う「ないすしょっと=nice shot」ではない。)となる。このように、鹿児島弁になるとかなり難解となる。
ついでながら、代表的な鹿児島弁の言葉をいくつかあげてみる。
(1) よくさ、おさいじゃしたもんせ
(2) あいがとさげもした
(3) だいやめ
(4) け、け、け!
それぞれを標準語に訳すと、
(1) ようこそ、いらっしゃいました。
(2) ありがとうございました。
(3) だい=ダレ=疲れ、やめ=止める、
焼酎を飲んで疲れを取る=晩酌
上の3つは何となく理解できるかもしれないが、(4)は理解不能だろう。「け、け、け」の「け」は順番に、け=貝、け=買う、け=来い。の意味である。
つなげると「貝を買って来い」となり、母親が子供に買い物を言いつけているのであ
る。ただし、現代では、使われることはない。鹿児島弁の特徴である「言葉を詰める」を具体的に表した言葉であることには間違いない。
次に、鹿児島弁の歌♪「ちゃわんむしの歌」を紹介する。
♪んだもこらいけもんな あたいがどん ちゃわんなんだ
日に日に三度もあるもんせば 綺麗なもんごわんさあ
茶碗に付いた虫じゃろかい てごなどけ歩く虫じゃろかい
まこてげんねこじゃ わはは
この歌ができたのは、大正時代である。
ある店で客が「茶わん蒸し」を注文した。ところが、嘗て茶碗蒸しを食べたことのない店員は料理名を知らない。客は「茶わんむしがあるじゃろが・・・」怒りだした。その声を聞いた店の主人は、客に出したお茶に虫がいたものと勘違いし、店員を呼びつけて「ちゃんと茶わんを洗ったのか。虫がついていると言ってるぞ」と叱った。しかし、店員は「日に日に三度も洗っているんですよ。いったいその虫は茶わんにひっついていた虫でしょうか。それと目籠(竹製の籠)などを跳ね歩く虫でしょうか。茶わんについている虫なら私の責任ですが。・・」と意気まいた。結局、客の言う「むし」は、虫ではなく、蒸しだと分かって、客も主人も大笑いという一幕を歌にしたものである。
改めて注釈をつけると次のようになる。
♪んだもこら いけもんな (あらま、どうしたことでしょう)
あたいがどん ちゃわんなんだ (うちの茶碗は)
日に日に三度もあるもんせば (毎日3回は洗っているので)
綺麗なもんごわんさあ (清潔なものですよ。)
茶碗に付いた虫じゃろかい (茶碗に付着した虫ですか?)
めごなどけ歩く虫じゃろかい (籠の上を歩く虫でしょうか?)
まこてげんねこじゃ わはは (本当に恥ずかしいことです。笑い)
鹿児島弁の語源は、宮中言葉から生まれたものもある。その例として、豆腐のことを「おかべ」と言う。豆腐はご存知のように四角て白い。宮殿の白い壁に似ているので、宮中では豆腐を御壁と言った。その御壁=おんかべが詰まって「おかべ」となった。
また、鹿児島では、味噌汁のことを「おっけ」と言う。宮中では味噌汁を御御御付け=おみおつけ、と言った。「おみおつけ」が詰まって「おっけ」となった。
更に、あなた、君、つまり英語のYOUを「おまんさあ」と言う。これも「お前様」が「おまんさあ」となったもの。
鹿児島弁は荒っぽいというイメージがあるが、意外とそうでもないと理解いただけたと思う。ちと、長くなったので、続きは次回にする。(平)
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