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「SPECIAL特集}
●21日は、お彼岸の日である、ほとんどの家庭では、お先祖のお墓や菩提寺
にお参りして、供養する。
今日は お彼岸の日に因んで、仏教王国タイと日本の最新の仏教事情を特集
する。
■■■■■■■■■日タイ仏教事情■■■■■■■■■
■「タイの仏教と僧侶」
●タイと日本は、130年来の古くからの友好国であり、また同じ王国である。
しかもおなじ仏教国でもある。 そしてお寺が多い国として、世界的に知られて
いる。 しかしタイの仏教は、日本と異なり 国民のほぼ93%が信者を占める
国教というにふさわしい存在である。
●タイにはおよそ3万の仏教寺院と約40万人の僧侶がいる。彼らは「サンガ」
という部教集団に属し、高僧も修行僧層も すべて同じ木綿の黄衣をまとい、
厳しい戒律のもとに、日々の修行に明け暮れている。 20歳までの修行僧は
「沙弥」(ネーン)と呼ばれ10戒を守って修行する。
まとう黄衣は、還俗まで脱ぐ事は許されないという。そして20歳を超える出家
僧は、「比丘」(プラ)と呼ばれ、227 にも及ぶ厳しい戒律すべてを守ることが
求めれれる。
●タイの仏教は、上座仏教(テーラワーダ)といい、 はるか スコータイ時代に
インドからスリランカ、ビルマを経由して伝わったとされる。
日本の仏教の伝来は 1世紀ごろインドから中国に伝わり、その後儒教や道教
の影響を受けながら、変容して「中国化」した大乗仏教画、朝鮮の百済を経由
して日本へ渡来したと言われる。
■「仏教の信者、 国別ランキング」
(順位)、 (国名) (信者数)万人 (人口比)%
1位 中国 24,412 18,2
2位 タイ 6、442 93,2 ●
3位 日本 4,581 36,2 ●
4位 ミヤンマー 3,842 80,1
5位 スリリランカ 1,446 69,3
6位 ベトナム 1,441 16,4
7位 カンボジア 1,370 96,9
8位 韓国 1,103 22,9
9位 インド 980 0,8
10位 マレーシア 503 17 ,7
11位 台湾 495 21,3
12位 ラオス 409 66,0
13位 米国 373 1,2
14位 ネパール 9 33,9、
(出所 Pew Resrch Center 2014)
■「価値ある出家とは」
●タイの社会では、古くから男子は出家して初めて 1人前として認められるし
きたりがある。 タイの人々にとって、出家する事は、最大の功徳であり、家族に
とっても 自分の息子を出家させることは、世間に対して大きな功徳を積むこと
なると信じられてきた。
タイ仏教では、尼僧は認められていないが、修道院で白衣を着て修行生活を
送る女性の修行僧「メーチー」が増えている。最近では「尼僧サンガ」を求める
運動もあるという。、
「タイの人たちにとって出家とは、どういうものなのか」
「タイの人たちは、なぜ出家するのか」
同じ仏教国の日本人にとって、大変興味ある課題である。
■「梅竿忠夫博士の実感」
●梅竿忠夫博士の著書「東南アジア紀行」(中公文庫)は、今をさる約55年前
に、学術調査隊を引きいて、メコン諸国を陸路調査した紀行文だが、 その中
にも「山上の聖地」「お墓はない」「国民皆僧」の各項に、タイ仏教の国民皆僧
ぶりが驚きの中に、鮮やかに紹介されている。
●中でも、高僧のお葬式に出あったくだりでは、大きな楽隊を配した極めて賑
やかな葬式の行列にタイらしさを見出だした驚きの様子が見事に記されている。
特にタイには、日本と違いお寺の檀家や檀徒がないこと。 しかもタイには お墓
がない事が、興味深く紹介されている。
■「日本のお寺の現実」
●日本にはお墓があり、お寺は檀家としてのつながりで、関係を維持しながら、
寺の経営を維持してきた経緯がある、
因みに、2014年の調査では、日本には7万5900のお寺があり、住職の数は、
9万3千人いる。
中でも愛知県が5,145で1位
大阪府が2位、
兵庫県が3位、
京都府が4位、
滋賀県が5位
京都府が6位と
関西が主勢を占めている。
しかし日本の仏教は、今では「葬式仏教」と批判されているが、その上、都市への
人口流失によって、檀家が減少しお寺の経営難が指摘されている。しかも後継者
の僧侶がいないお寺が多いという。お寺離れと、仏教離れが、現実の問題になっ
てきた。
■「世界の宗教の信者シエア別ランキング】
(順位) (宗教名) (世界人口比率)
1位 未リスト教 31,5%
2位 イスラム教 23,2
3位 無宗教 16,3
4位 ヒンズ―教 15,0
5位 仏 教 7,1
■「タンブン(寄託行為)」
●タイの早朝、町の随所で見かけるタンブンは、日本人観光客にとって、珍しい
風景の一つだ。タイの人たち、特に在家信者は、タンブン(寄託、寄付行為)を積
み重ねる事によって、来世では、ますます幸せになる、いわゆる輪廻転生を信じ
ており、毎朝、おとずれる僧侶に托鉢を怠らない。
タイの人たちの主な寄託行為とはーーーーーーー
・お寺に寄付する
・僧侶に托鉢する。
・自分自身が出家する。
・息子を出家させる。
・魚や小鳥を逃がす。
・仏教の五戒(殺生しない、盗まない、犯さない、嘘をつかない、酒を飲まない)
を守る。
●自制と人のためを思う、平和共存を求めた素晴らしい行為だと思う。
チェンマイなどを訪れて、まず、ほっとする街の感触とは、このようなタイの人達
が醸しだす優しさからきていると判って来た、、そして托鉢などに出会うと、正直
いま、日本に失われちゅつあるものに出会ったような気がして、ほっとし感動す
るのである。これも奥深いタイの大きな魅力の一つだろう。、
■「タンブンとNPO」
●日本の社会貢献活動を推進するためにNPO(特定非営利活動法人)法案が
制定されて、既に17年がたつ。
もとはといえば、神戸淡路大震災におけるボランチア活動から、法制化が発案
された。そのモデルは米国のNPO(社会貢献活動、社会ボランチア活動)が元
になつている、
●学説によると、その米国のNPOの発想の原点は、タイの寄託行為(タンブン)に
起因するという。 今をさる約55年前、ベトナム戦争のときに従軍した米国兵が、
戦闘後一時的に帰休したのが、隣国タイ北部の古都チェンマイ、そこで毎日の様
に出会ったのが、今も変わらぬタンブンの風景だった。
穏やかでのどかに分かち合うタイ仏教の寄託行為に出会っていたく感動し、彼ら
の一部の人たちが帰国後、米国で、ボラティア活動を立ち上げ、のちにNPOに
なったと聞いている。こんな素晴らしい話は、もう少し喧伝されてしかるべきだと思
い、敢て紹介させていただいた次第。、
タイの人々の心に潜む優しさ、それが齎されたとされる国民皆僧の伝統的な文化
のしきたり、欲望と混濁の世の中にあって、その揺るがない国を挙げてのタイの伝
統仏教のあり方に、敬服するのみである。
■「仏教、王制、そして国家」
●ただ、成熟化したかに見える中進国タイだが、仏教、王制、そして国家に替わる
社会制度が築かれたどうか、いま問われている。
タイに詳しい北海道大学大学院 桜井義秀教授は、最近の著書の中で、次のよう
に述べている。
「国王は明示的意思表示を控えており、国王に忠誠を尽くし国家を守る軍が直接
政治に介入することにも無理がある。仏教は、徳や善き行いを説くが、政治批判の
域を超えない。社会を形作つて来た制度の限界が見えてきたこれからが21世紀
タイの正念場である」
●タイの国民にとっても、日本にとっても、ASEAN にとっても、一日も早い タイの
政情の民主化が待たれる所以だ。
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