■■■■■■■■■■■「日本の戦後秘話」■■■■■■■■■■■
■「戦後70年の秘話」
●「戦後70年」の8月15日が目前に迫りつつある。
「戦後60年」と大きく異なると感じたのは、先週から始まった NHK
ラジオ深夜便の特集「戦争、平和インタビュー」を聞いてからだった。
●最初の話は、終戦の8月15日、満蒙開拓団での出来事、
遥か異境の満州で日本の敗戦を告げられた若い開拓団員数十人全員が、
国を思うあまり、お互い差し違えて集団自決したという。想像しただけ
でも身の毛がよだつ壮絶な出来事である。
ところが,その中の一人の青年が現地人に助けられて帰国後70年、やっ
と重い口を開き、戦争の無残さを語る事になった。 久保田諫さんである。
自責の念にかられ,口をつぐんで過ごした70年の苦悩の毎日からやっと
解放されることになる。よかった。
●次は、終戦直後の中国奥地からの徒歩による集団引揚げの話。
男性たちは、根こそ現地召集で音信不通、そこへ日本敗戦の知らせ、急拠、
中国軍乱入の前に、逃げることに衆議一決。
食料も水もなく、帰国船がいるとおぼしき大連港を目指して、女性集団で
山道を歩き続けること7日間、途中、足手まといになる乳飲み子を次々に
首を絞めて遺体を川に流し、祖国への道を急がるを得なかったという 。
当時22歳 いま92歳の竹中よしさんが初めて語るという悲しくも切ない
懺悔の話である。
いま92歳の老母は 「もしも、あの時のあの子が生きていたとしたら,いま
70歳、充分供養しました」と屈託はない。 しかし 語り部の人たちは、既
に老境にあるため,ようやく戦争の悲惨を広く伝えるために あえて口を開い
たという
●こんな戦争秘話は、どうも今の日本には山ほどあるらしい。しかも昔の
当事者の人たちは、国の戦争という事と、老境にあるために進んで語る事
はなかったと考えられる。そのために戦争の悲惨な真実は、どんどん風化
していく。いわんや、既に戦後70年である。
久保田さんも竹中さんも、よくぞ話をしてくださった事と感謝したい。
お二人の秘話は、戦争がいかに不条理で、人を苦しめるものであるか どん
な平和論議よりも、憲法論議よりも、わかりやすく切実に伝わって来ると
思う。
実を言うと日本の平和は、今日まで70年間 この方たちのご苦労によって
安寧に保たれて来たのではないかと、思えてならない。
■「戦後70年,進む風化」
●あの大東亞戦争を体験した世代、当時、成人だった人は、いま90歳を
超えるが、もうわずか全人口の1,4%、176万人しか生存しない。
その意味では、戦後70年の今年が、あの戦争体験を、直接次世代に伝承
する最後の節目の機会になるのではないかと考えている。
ところが、NHKが調査した「8月15日」と「12月8日」に関する世論
調査では、その正解率は約20%を切ったという。
300万人を超える同胞を失い、敗戦に追いまれたあの痛ましい戦争の真事
を、ほとんどの日本人が、もう心にも留めていない情けない確証なのだろ
うか。
かたや日本の周辺を見れば、竹島はもちろん北方四島,尖閣など隣国による
深刻な懸念が存在するというのに。
■「安保法制と国際連合」
●せめて国防のための自衛力としで、抑止力を保持することは絶対に必要
である。と同時に戦後すぐに設立された国際組織である国際連合(193ヶ国
加盟)と国連安全保障委員会のリファインが期待される。
問題は第2次世界大戦の戦勝5ヶ国の米英仏ソ中が,戦後70年たったいまも、
国連安全保障理事会常任理事国として拒否権を持ち、君臨し続けていること
である。
微妙な大国関係の中で,絶妙なバランスを維持しながら並行感を保ち続けて
いるのは理解できるが、世界平和の根幹には、なかなか迫り得ていないの
も気になるところだ。
■「国連予算分担率上位10ヶ国」
(順位)(国名) (分担率)
1位 米国 22,000
2位 日本 10,833 ●
3位 ドイツ 7,141
4位 フランス 5,593
5位 英国 5,179
6位 中国 5,148
7位 イタリア 4,448
8位 カナダ 2,984
9位 スペイン 2,973
10位 ブラジル 2,934
(出所 外務省資料)
■「常任理事国入りを目指すG4ヶ国」
(非常任理国の期間) (国連職員の数)
●日本 20年 88人 ●
●インド 14年 53人
●ブラジル 20年 35人
●ドイツ 10年 128人
因みに常任理事国は5ヶ国、
非常任理事国は10ヶ国任期2年
■「G4のライバルと思はれる4ヶ国」
●韓国 4年 44人
●パキスタン 14年 11人
●アルゼンチン 18年 39人
●イタリア 12年 128人
●私どもは日本人であるとともに世界人であり、また地峡人でもある。
戦後70年、日本は、あの忌まわしい負け戦から、いまだ抜け切れないで
いる。しかし、くる年くる年 懺悔懺悔で済むわけではあるまい、
それよりも70年間、平和に向けて走り続けてきたいま、明日に向けて、
未来志向を標榜し、謙虚に前向きに貢献することこそ、戦後70年の大き
な課題だと思う。まさにどこでギヤを切るか ギヤを切って何をするかが問
われる。
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