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■日本の国防

2022-03-29 | ●日本の国防

■■■■■■■■■■■日本の国防■■■■■■■■■■■

時代の背景」 
ウクライナの戦争は遠い東欧の話ではあるが、日本にコロナ
パンデミックを上回る話題を
投げかけてきた。
ロシアのウクライナ侵攻から既に1ヶ月。国を挙てのウクラ
イナ国民
の挑戦は、予想外の対抗戦となりロシア軍も攻めあ
ぐむ状況が続く。

      
昭和の敗戦から77年、この間わが国は戦争とは無縁の中で
平和を享受してきたが、ここに来て多くの問題が山積する。

尖閣諸島海域への連日の中国公船の不法進出(中国)
北方領土におけるロシアの一方的な渡航禁止(ロシア)
竹島の不法占拠の継続(韓国)
北朝鮮の邦人不法拉致、
など、近隣諸国による我が国への不法行為が相次ぐ。
加えて米中貿易戦争による覇権問題で、中国による台湾侵攻の
惧が迫りつつあるという。

戦後の我が国は、米国の核の傘の中で自衛隊(自衛力)は
つが、戦争はしない事を国是として、平和の維持に努めてきた。

その体制の成果は確かだったが、日々進化する世界情勢の中で
いま大きな歪が
生じてきたと言っていい。
四囲を海に囲まれる海洋国家の日本は、地続きの国境線はない
が、地政的な利点は
ある反面、海洋による国境警備の難しさが
指摘されて久しい。

日本を取り巻く国際環境は表面的には平穏だが、世界の覇権
をめぐる
米国と中国の動向は、日本にとってもアジアにとって
も無視できないものがある。

特に自由の海、南シナ海の岩礁の埋め立て占拠による中国の不
法な行動は、軍用
滑走路まで造成して 他国の警告など目にも
くれない横暴の趣である。

加えて、戦後の世界秩序を制御してきた国連の不備があからさ
まになって来た。
今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、国連
の大半の国々がロシアの戦争中止を
求めたが、常任理事国ロシア
の拒否権が効いて無効となった。他の国々からは
批判が相次いだ
が、支援の仕様もなくロシアの侵攻は続く。


ロシアのウクライナ侵攻の現況


                     (出典ロイター通信


大東亜戦争(第2次世界大戦)後の世界の平和に大きな役割を果
たしてきた国連も、
ここに来て米中の覇権問題や自由主義諸国と
体制主義諸国との対決など、いつも常任理事国の否決権に阻まれ
本来の調整機能が難しくなって来た。
それにしても、機能不全の国連の改革を問題提起する世界のビッ
グパーソンの顔が一向に見えてこないのが気になる。


先送り体質」
仮に、もしの話ながら中国が尖閣諸島を不法占拠したとしよう。
いまの日本は、
国を挙げて島を取り戻す事が出来るのか
それに対し米国は、全面的に日本に協力し参戦してくれるのか
国連は、本当に仲裁の
実行力があるのか
今回のウクライナ侵攻を目の当たりにして、中国による尖閣や台
湾侵攻の危惧が
より鮮明になって来た。

今回のウクライナ戦争を契機にして、今まで平和ボケと揶揄され
て来た日本人の自衛意識や、
当面する憲法改正問題に望まれる国
民意識が大きく変わるきっかけになれば
と願う。

私は外交の専門家でもない、ただ戦争を知る数少ない世代の一
人に過ぎない。しかし、このような日本人
の危機意識が、今回の
ウクライナの問題で、少なからず戻りつつある予感がする。

国連も、あてにできない事が判って来た。それを前提にして日本
対処すべき問題点が明確になって来るように直感する。

残念なことに、往々にして戦後の日本では、政治でも行政でも自
治体でも、企業でも身近な家庭でも、
問題を「先送り」して当面
何もなかった事を良しとするカスタムが常套化して来た。

問題の意味の大小にもよるが、その判断が曖昧なまま先送りされ
る事は時にして過分なリスク
が生じるケースが山ほどある。その
リスクに対しては、たれも責任を負わない。
何かしらこれが、日本の謙譲の美徳のようにさえなっていた。
問題が発生して対処するのはたれでもできる。しかし問題を明確
に先読みして予防するのが、専門家の仕事であり今の政治や行政
や地方自治や、教育や厚生や家庭に求めらる所以だ。

平穏になれると人々はリスクを負ってまで、改善の道を選ばな
くなる。
当然のごとく物事は進まない。
・進まないどころか「停滞」する。
・事によれば「退化」する。
・結果 「経年劣化」が起こる。
・しかもその原因にきずかないでいる。
・いや、きずかない「ふり」をしている。

あの平成の日本の「失われた30年」は、まさに典例だと思う。
そしていまも日本の低成長は続く。
いつになったら「先送りブレィカー」が現れるのか心して待ちたい。

  
危惧の核心
日本を取り巻く国際環境は表面的には平穏ながら、新しい覇権
目指す中国の台頭と動向は、日本にとってもアジアにとっても
無視で
きないものがある。
特に尖閣への中国の船舶の不法立ち入りの増加は、目に余る
北朝鮮のその後の弾道弾の発射など、不確実性への危惧
自由の海、南シナ海の岩礁埋め立て占拠など不法な中国の暴挙
加えて隣国韓国の相変わらずの不可解な目に余る動向
・中国の米国との貿易戦争の行方など。
これらは今の尖閣にも、竹島にも当てはまる。


かって亡き石原慎太郎東京都知事が明確にしたように、彼は
先送りして動かぬ国会と政府に先駆けて、尖閣の都での
買い上
げを先導して国有化を実行した。しかしその後の政府の対応は
どうだろう。
またまた政府の行動は「先送り」である。
 
臭いものに蓋をするがごとく、尖閣は、名目的に存在するだけ、
自衛隊も、島民も
いない無防備の無人島である。
隣国中国からは、なにか弱みがある様に映るはずだ。
だから、
それを格好の口実に連日の中国公船による尖閣接近となる。

これに対し日本のマスコミは、無関心そのもの。
その情報を伝えるだけ。本来のマスコミは
問題情報を捉え分析し
て、その真髄を伝え、それを政治や行政や
経済や日々のあるべき
行動に導
くのが、本来のマスコミの真のありかたではないのか。

尖閣や竹島問題を通じて、私の見るところ、飽くなく問題提起を
して来たマスコミは存在し
ない。政党も政治家もいない。
先送り体質」になれ染まった政治屋ばかりである。

国民は、この辺の安全の指標を本来、政治に求めているはずだ。
結果「先送り」のために、全ての事が「後手」に回り,スキを突か
れることになる。
その「後手」の結果については、たれも責任を取らないし、反省
もないし、リスクも負わない。政府も行政もだんまりを決めて平
然そのままである。

今回のウクライナ侵攻が世界的な問題になると、マスコミも、政
治屋もこぞって右へ
ならへと動く、コロナの危惧もどこかえ飛ん
でいった感じに豹変する。
機を見て敏はいいとして、全て自分のためだけの不和雷同的な対応
に終始する。
日本の明日は大丈夫かと声を大にして問い質したい。


致知の極み
試みに国語辞書を引いてみた。
・「備えるとは?」ーーーー
物事が起こった時、それができる様に準備する」とある」
・「備える」の反意語は、「凶作」「不整合」「欠く」とある。
ことばがある古い時代から、人々は、生活の知恵として安心のた
めに常に「備え」に格別の留意をはらってきたことがよく判る。
試みに、備えの句を引いてみた。
・「備え有れば患いなし
・「転ばぬ先の杖
・「後悔先に立たず
・「渇に望みて井を穿つ
・「Lay by something for a rainy day」(雨に備えておきなさい)

念のために、世界の危機を告げる言葉」を探ってみた。
・「可視化された矛盾
・「動き出した世界
・「不可逆的な混迷の世界
・「何かと分断された世界
・「改めて 言葉の価値が問われる
・「「もう」は「まだ」なり。「だは」は「もう」なり

国防の理念」ば、全てこの備えの格言から派生したと言っていい。
未然の備え」(まだそうならな時の備え)のための「国防」と
理解したい。勿論「抑止」もこの中に包含される。


他山の石
今回のウクライナ侵攻は、周辺に同じよいうな危惧を抱える日
本に、多くの警鐘を鳴らし
てくれた。
そしてこの侵攻後の1ヶ月間のウクライナのあらゆる立場での発
言や行動は、その政府や行政や政治家の本質を知るに足る結果を
もたらしてくれた.

世界のどこかでの危機を他山の出来事として傍観するか、または
我が事として類推して
次に備えるかは、特別な立場の人にだけに
要請される事では
ない。
同じ国際環境にある私ども日本人全てが、
意識する必要がある。


一部の人は、今の日米関係は蜜月と揶揄するが、共同防衛と共存
は、日本にとって最高の国際関係と言っていい。安部前首相暦年の
外交努力の成果と評価したい。

安倍前総理の憲法改正のシナリオは、最低でも9条の1,2項を残して
自衛隊の存在を明記することで、真の独立を回復し日米対等の相互
防衛を実現することだった。これは菅、岸田と受け継がれている筈
だ。そのためには、衆参で過半数を占める国民の総意(国民投票)
が必要と
なる。 
今までたれも成しえなかった事を実現することは、すごく大変に
いない。だが日本の安全と平和のためには、誰かがリードして早急
に実現しなければならない。
特に
尖閣、中国の挑発行動
韓国の新政権と竹島
ウクライナ問題を抱えるロシアと北方4島
北朝鮮の邦人拉致問題とミサイル開発問題
重ねて
緊迫する台湾問題
米中貿易と覇権問題の推移
決定的機能不全の汚点をさらした国連常任理事会の否決権問題
など、大きな国際課題が山積する。

今までは、攻められた時の事を想定して防御力を蓄えてきたが、
これからは最小限の「対攻撃能力」を持たないと、本当の抑止力
にならないことが判って来た。
今回のロシアのウクライナ侵攻がそれを如実に物語っている。
そのためには、最小限の「対攻撃能力」を持つための国民理解
を、どう形成して行くかが課題になってくる。
日本の未来のために「国防の強化」の先送りは許されない。
(山)

 

■■■■■■■■■■■関係の資料■■■■■■■■■■■
■「日本の国防費出典:内閣府)





■「世界の軍事費


中国の軍事費


■「米中覇権争いをうらずけるGDPデータ

  


■「太平洋戦争の直接被害の実情
 (項目)     死亡)      (行方不明
軍人軍属  155万5308万人     30万9402人
銃後国内   29万0948万人   36万8830人

太平洋戦争では、日本人約186万人、行方不明約36万人
   という多大の犠牲者が出た


  


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