「21世紀はアジアとの時代」 (Jtiro🔴Jpn) SDGs.Webサイト(Editor: K.Yamada)

●Copyright © 2024.All rights reserved.●Since2008.
  

■チェンマイなひと(1)

2018-10-11 | ●古都チェンマイ

■■■チェンマイなひと■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■「極めて奇特な日本人
●言葉も習慣も異なる遠く離れた異国で、そこに住まう人たちのため
に ひたすら仕事に励む極めて奇特な日本人がいる。
20年近い日タイ国際交流の活動を通じて、偶然この人たちに出会い、
永らくにわたり、お世話になった。
この人たちは,些かもぶれることなく、チェンマイを第2の故郷として 
現地社会のために、いまも働き続けている。頭が下がる思いがする。
 

●私がこの人たちの事を「チェンマイなひと」というのは、それなりの
理由(わけ)がある。
チェンマイのイメージといえば、小さな古都にも拘らず不思議な重厚
感と、人なっこさと、スローなリズム感と、静かな風情の趣きであるが、
この人たちは、まっとうな日本人にも拘らず この街にすっかり溶け込
んで、古都チェンマイを象徴するに足る素晴らしい働きを続けている。
 
●最初にご紹介する「チェンマイなひと」は、高橋敏さん、
現地チェンマイの日本語情報誌「ちゃお」の発行人兼編集者である。
ロングスティヤ—はもとより、初めてチェンマイを訪れる日本人観光客
は、ほぼ、この日本語フリーぺーパー「ちゃお」のお世話になる。
 

●タイの古都チェンマイは、市街地の人口(チェンマイ市)約16万人、
チェンマイ県全体の人口160万人、その中、日本人在留者数3800人
だが、「ちゃお」は、在留邦人のよりどころ的貴重な存在となっている。
「ちゃお」は、現在月2回発行され、発行部数は1万部を誇る。
そしてチェンマイをはじめ、北部タイ全域の主要都市や、首都バンコ
クの主要ホテルや空港で無料でもらえる。

●私が最初に「ちゃお」と出会ったのは、2003年の暮れ、 ロングス
ティの現地協議で、チェンマイを訪れた時の事だった。
投宿先のチェンマイプラザホテルで、日本語フリーペパー「ちゃお」
の存在を知り、早速、当時の編集担当だった高橋敏さんに連絡を取
り、お会いすることができた。

そして、現地チェンマイの日本人事情を伺ったり、チェンマイの実情
について、詳しくお尋ねした事を覚えている。不慣れな私どものため
に, 懇切にアドバイスいただき大変お世話になった。
   
    
●当時の「ちゃお」は、創刊直後の様だったが、そのころからチェンマ
イに進出する日本企業の駐在員や、チェンマイロングスティヤ—や、
日本人観光客がふえるにつれ、日本語フリーペーパーの存在価値と
評価
は、日増しに増大していった。
フリーぺーパ―の収益源は、読者を対象にした広告ページ情報だが、
途中、発行人を引き受けた高橋さんのひたむきな経営努力によって
紙面が大幅に改善され、カラーページが増えることで、現在のような
海外地域情報誌としての不動の地位を確立したと思う。

●特に北部タイの魅力である伝統的な民芸や工芸、山岳民族の生態
紹介や、歴史的な遺跡の紹介など、古都チェンマイを拠点とする文化
情報誌として、大変魅力的な構成である。
中でも「チャオ掲出版」は、在住日本人の活動情報を公開交流するた
めに貴重な存在だが、異国で過ごす邦人にとって、日本語と日本語
情報は、欠かせない生活の糧と言っていい。

●現在380号を数えるが、表紙は、視覚的にもクオリlティペーパ―を
思わす重厚感があり、15年前の100号当時とは雲泥の差である。
その生い立ちの側面を知る私どもからすると、それは全て高橋敏さん
のご苦労の賜物と映る。今後のご活躍を期待したい。

日本では、Webサイトからも「ちゃお」最新号を読むことができる。
・また当ブログ右欄の「ブックマーク」「ちゃお北タイ日本語情報誌」を
 
クリックすると、ご覧いただける。

 
■「日本の国際協力事業
当時まだ後進国だったタイは、1970年代に道路優先政策に舵を
切り、
全国の国道網の完全舗装化をはじめた。
それに即応して1990年以降、日本の
ODA(日本政府による、発展
途上国への開発支援や出資事業)による
北部タイのチェンマイを
中心にする高速道路や橋梁の建設がはじまる


当時チェンマイでは、産業基幹道路の建設が急がれていたが、
に日本の国際協力事業によるODAで、日本の大手建設会社によ
る主要な幹線道路の建設がスタートした。
現地の人たちは、チェンマイ出身で当時の首相だったタクシン氏に
因んで、いまもこの道路の事を「タクシン道路」と呼んでいる。


■「タイの動脈であるアジアハイウエィの路線

 ■「タイに対する日本の援助の推移」支出純額、単位:百万ドル

暦年

贈 与

政府貸付

合 計

 

無償資金協力

技術協力

支出総額

支出純額

 

1990

76.02

96.34

172.36

330.76

246.21

418.57

1991

51.03

100.82

151.85

363.52

254.32

406.17

1992

42.69

116.79

159.47

386.68

254.50

413.97

1993

24.80

135.38

160.19

363.50

189.96

350.15

1994

27.36

137.36

164.72

425.34

217.83

382.55

1995

14.75

147.46

162.21

744.90

505.16

667.37

1996

1.86

135.41

137.27

722.91

526.73

664.00

1997

1.58

127.07

128.65

530.20

339.61

468.26

1998

18.57

121.74

140.30

624.20

418.12

558.42

1999

2.09

123.99

126.08

1,014.59

754.18

880.26

2000

1.51

121.04

122.55

872.40

512.69

635.25

●2000年頃、チェンマイ在住の日本人といえば、基幹道路の建設に
当たるJICAや、
工事を担当する日本の建設企業の人たちだった。
その人達は、既にチェンマイに在住し、現地の工事に従事していた。
いわばチェンマイ・ロングスティの先駆け的存在だったと言っていい。
私たちが日タイ国際交流の一環として 「チェンマイ・ロングスティ」の
活動を開始したのも、ちょうど2000年の暮れの事だった。

 
●当時チェンマイ在住の倉又 孝さんには、大変お世話になった。
倉又さんは、統計調査の専門家で、JICAからチェンマイに派遣され、
ODAのための現地調査にあたっていた。
チェンマイの国勢事情や、インフラの実態、在留日本人事情などを、
つぶさにリサーチしていた。

●既にチェンマイに滞在する在留日本人は、数百人だったようだが、
その生活実態調査では、まず住居形態、その賃料、食料事情、通信
形態、情報収集の方法など、広範に及ぶもので、緻密に足で調査さ
れた貴重な統計資料だった。
その調査データをお借りしたり、それによる「チェンマイ・ログスティの
生活モデル」の構想についても、いろいろとお力添えをいただいた。

2003年、タイ政府とJTIROで共催した本格的な日本初の「チェンマイ
・ロングスティ、ミーティング」(参加者700人)では、元通産大臣の塩川
正十郎氏ともどもパネラーとして参画いただき、大変お世話になった。
思い出は尽きない。
一昨年5月、鎌倉のお宅で逝去されたとの訃報に接した。残念でなら
ない。この倉又孝さんも、まがいなく「チェンマイなひと」である

(お住いのある鎌倉逗子のNPO団体を訪ねた倉又孝さん(右)

●「参考文献
・「倉又孝さんのJICAシニア海外ボランティアのチェンマイ調査報告書」 
 URL:www.sridonline.org/j/doc/j201208s06a01.pdf
 ・JTIRO関連ブログ「チェンマイロングステイ欣快」(2017,07,15号)
 は、当ブログの右欄「カテゴリ」より 抽出してご覧ください。

あれからほぼ20年を経て、いまチェンマイ・ロングスティは退潮傾向に
ある。これは日本における「
シニアの海外ロングスティ」が、トレンドだった
証であると同時に、衰退も世の流れと思うほかない。 しかしこれによって
多くの日本人が 古都チェンマイと出会い、日タイ国際交流が大きく前進
した事は、まがいない事実である。いまでは大変よかった
と評価している。

●そこに願ってもない朗報が飛び込んできた。
世界的な観光情報によると、古都チェンマイが世界観光都市の第2位
にランクされたという。
   
   

■「世界の観光都市人気ランキング2016
米国旅行誌「トラベル&レジャー)
順位) (都市名) (国名)  ン(評価点)
1位:チャールストン(米/サウスカロライナ)91.66点
2位:チェンマイ(タイ)91.25点           
3位:サン・ミゲル・デ・アジェンデ(メキシコ)91.19点
4位:フィレンツェ(イタリア)89.85点
5位:ルアンプラバン(ラオス)89.85点
6位:京都(日本)89.75               
7位:ニューオリンズ(米/ルイジアナ)89.75点
8位:バルセロナ(スペイン)89.60点
9位:サバンナ(米/ジョージア)89.57点
10位:ケープタウン(南アフリカ)89.46点
11位:ローマ(イタリア)89.22点
12位:ベイルート(レバノン)89.00点
13位:シェムリアップ(カンボジア)88.96点、
14位:バンコク(タイ)88.96点
15位:クスコ(ペルー)88.95点

光インフラは、人為的な所業だけで世界的な評価を得ることは難しい。
何十年に及ぶ「チェンマイなひと」たちの地ならし的な活動の所産あってこ
その快挙である。
この
ような古都チェンマイのイメージ創りに、日本から参画する事になった
チェンマイなひと」たち、 中でも 今回ご紹介したレゼンド
のの存在は、極
めて貴重であると同時に
日本の誇りでもある。(続く)   

                                                                        

                                                        
     


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 前の記事へ | トップ | ■ロングスティの行方 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿