■■■■■■■■タイへ出発■■■■■■■■
(なぜ,タイで介護を!)
中西英樹
タイ王国チェンライ市在住、ロングスティヤー
■■ロングステイクラブに入会」
●若いころから、将来ヒマになったらどこか海外でのんびり暮らした
いなあと思っていた。それで50歳近くなって「ロングステイクラブ」
に入会した、海外での長期滞在をめざす退職者夫婦が中心の任意団体
だ。クラブの会報にはすでに海外でロングステイをしている先輩の経
験談が載っていた。その中で今でも心に残っているものがある。
「私は人に勧められるまま、働き続けて69歳になってしまいました。
今,ロングステイをしていますが、なぜ早くこういった生活に入らな
かったのかと悔やまれてなりません。 69才の人間にはもう69才の楽
しみしかないのです」
●日本人の健康年齢は75歳までという。
75を過ぎると、腰、ヒザが痛む、血圧が高くて、とか物忘れが始ま
ったとなる。そうだ,頭もそこそこ働き、まあ体も動く60才から75歳
をどう生きるか、それによってその人のクオリティ・オブ・ライフが
決まってくるのではないか、60過ぎたら仕事はやめて好きなことをし
て暮らそう、と心に決めた。
「あに、五斗米のために腰を折らんや」というほどの志があるわけで
はなく、ただ自分が元来の怠け者だからだろう。
■■タシケントの還暦】
●60才の誕生日はタシケントで迎えた。今日で60か、年金がもらえる、
その方、引退苦しからずと、お国が言って下さる。嬉しくて、嬉しく
て抜けるように青いタシケントの空が一段と青く見えた。
その日は丁度土曜日だったので、バザールに行き、昼からバルチカビ
ールを2本も抜いて一人でお祝いをしたものだ。
■■本命のタイを目指す」
●タイにはここ十数年、年1回は訪れている。
初めのころは趣味のダイビングのため南の島に行っていた。ここ数年
はタイ北部中心だ。中年の男が一人でタイに行くというと決して好感
は持たれない。
特に家人からは白い眼で見られた。その非難をかわすため、タイ旅行
にあたっては、友人、知人のコネを駆使し、タイ観光庁の副総裁やバ
ンコク銀行幹、政府高官、あるいは現地で暮らしている邦人を紹介し
てもらい、そのインタビューをまとめてロングステイクラブの会報、
盤谷日本人商工会議所会報、NGOのブログなどに載せてもらった。
●タイ旅行は決して遊びではなく調査のため、という大義名分を作る
ためだ。実はJICAのシニアボランティアに応募した時もタイを希望
していたのだが、たまたま自分に適合するポジションがタイには無か
った。
●JICAから、代わりにウズベキスタンはどうでしょうという電話があ
ったときは、正直、即答することができず、とりあえず電話を切って、
ウズベクをよく知っているというシニアボランティアOBに会いに行っ
た。「断ったらまずいでしょうか?」「まずいな、悪い国でないから
是非行け」といったやり取りがあって 結果的には2年間、多くの素晴
らしい人たちと知り合い、ウズベク生活を満喫したのであるが、やは
り本命はタイだったのである。
●タイに来るたびに増えた知人に助けられ、母を連れてタイに移り住む
こととなった。人間、無駄な経験はしていないものだというが、散々
カミサンにイヤミをいわれた結果がこれだとすれば、そう悪い成り行き
ではないのかという気がしている。 (続く)
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