■■■■■■■■■さらば さらば■■■■■■■■■
去年(こぞ)今年 貫く棒の 如きもの 高浜虚子
⚫️令和3年の日本を振り返ると、虚子が言う所の「一本の棒」の
ごとくコロナの猛威を上手く凌いで、なんとか安寧に過ごした長
い長い一年だつた。
中でも一年越しの世紀のイベント「東京オリンピック」が、無観
客とはいえ無事に開催できた事は、特筆に値すると言えるだろう。
それにしても わずか5ケ月前に開催された「東京オリパラ」が 何
故か遥か遠い出来事のように思えるから不思議でならない。
風花の大きく白く一つ来る 阿波野青畝
七十二候の「朔風払葉」(北風が この葉を払う)によると 年の暮れ
に姿を見せる厳しい北風が 今年も本格の冬将軍を誘うという。
この一年の出来事を 生活者目線で、図説による回顧録として取
りまとめる事にした。新しい年の糧になりうれば幸いである。
■■■■■■■■図説で辿る2021年■■■■■■■
⬛️⬛️1)今年の主な出来事) ーーーーーーーーーーーーーー
1 月)・バイデン米国大統領就任(米国)
2月)・新型ワクチン接種開始 (日本)
・ミヤンマでクデター,国軍が全権掌握(ミヤンマー)
3月)・香港選挙制度を変更,中国全人代(香港)
4月) ・日米首脳会談(日米)
・米国、アフガンから撤収開始(米国)
5月) ・宇宙飛行士野口聰一さんがISSから帰還
6月)・米ロ首脳の初会談(米&ロ)
7月) ・東京オリンピック開催,史上最多の58メダル
・「奄美、沖縄」「北海道、北東北」が世界遺産に(日本)
8月)・東京パラリンピック 51メダル
・米国、アフガン戦争終結
9月) ・デジタル庁発足(日本)
・菅首相が退陣表明、自民党総裁に岸田氏選出(日本)
10月) ・総選挙、自民単独過半数、維新第3党に躍進(日本)
・岸田氏、首相に就任(日本)
・真鍋淑郎氏ノーベル物理学賞(米国)
11月)・次期ドイツ首相にシヨルツ氏(独)
12月)・新型コロナ変異株「オミクロン株」感染拡大(日本)
■■■■■■■■■■日本の経済■■■■■■■■■
●今年はコロナパンデミックで一般消費が減退し経済は停滞した。
●産業特に自動車は、半導体の供給不足で生産調整を迫られた。
■コロナの動静
●コロナ感染者の推移)
●昨年来のコロナ不況で後退した景気は、2月以降 東京オリン
ピックを目前に復活局面を迎えた。
■株価)(株価は 経済のバロメータ)
●2020年の株価は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて
3月に1万6000円台まで急落。
しかし各国の大規模な金融緩和や財政出動が相場を押し上げ、
12月30日の東京株式市場は、2万7444円17銭となり1989年以来
31年ぶりの高値を付けた(毎日新聞2020,12,31)
●2021年の株価は、堅調な国内決算による2月の日経平均3万円
をピークに年末まで堅調に推移している。
●2020→ ●2021→
■日本の消費)
●コロナの蔓延で消費は落ち込み景気は低迷した。
(一般消費は日本のGDP(国内総生産)のほぼ6割を占める)
●企業の生産性は、半導体などのモノ不足で低迷した。
●企業は当面、脱炭素、SCDsを目標に業績の回復を目指す。
●世界規模でみると日本のGDPは、
米国、中国に次いで第3位の経済大国の位置を占める。
しかし1人当たりでのGDPは世界19位と出遅れている。
●去る10月,菅総理が退陣し,岸田自民党総裁が総選挙の末,総理に
就任した。総選挙では自民が過半数を維持、立憲民主は後退、
日本維新が3位に躍進した。
●岸田内閣の政治スローガンはーーーーーーーーー
「新しい資本主義の実現」
「成長と分配の好循環」である。そして
「芯の通った政治」
「分断から協調へ」
「公平からやさしい」を目指すという。期待したい。
●当面の課題は
・当面するコロナ対策
・経済の復興
・家庭子供庁の開設、など山積する。
■■■■■■■■日本の国の予算■■■■■■■■
●当面する来年度予算案が期末国会で成立した。
●コロナ対策予備費も計上した。
●税収の不足分は国債を発行して賄う。
●過去最大規模の国家予算となった。
理由は高齢化による「社会保障費増」や「コロナ対策費」
加えて「国防予算の増大」である。
■■■■■■■日本の人口と高齢化■■■■■■■
●日本の人口は、やがて1億人を割り込むという。
人口の減少は、国力の縮小につながるため至近な対策が急がれる。
4人に1人が高齢者。やがて百歳時代が訪れるという。
しかも子供が生まれない。
そして先進国の中で最も、高齢化が先行する。
●当面の課題は、高齢者増による毎年増加する膨大な
社会保障費(介護費、医療費、年金)である。
■■■■■■■日本の安全と国防■■■■■■■
●日本を取り巻く安全保障環境は厳しい。
テロやサイバーの脅威、尖閣や竹島、北方諸島など
国境問題もゆるがせにできない。
米中の覇権問題や人権がらみの台湾問題は、日本にとって
国境問題だけに避けて通れない。
●日本の国防予算は、GDPの1%が基準とされたが、隣接する
中国などの反体制国家が 異常な軍事費を投入するにつれ、拡大
せざるを得ない状況にある。
但し平和憲法により先取防衛が原則だが、無頼な仮想敵には抑止
のために備える事も肝要とされる。
併せて国民合意による憲法の改正も急がれる。
■■■■■■■■■世界と日本■■■■■■■■
●コロナに明け暮れた今年一年、今年ほど生活者として「世界」
と「経済」を意識した事はない。
●世界が 取り組み始めた「自然への回帰」のための「脱炭素」
プロジェクトが 世界規模で軌道に乗りつつある。大いに期待
したい。
■■■■■■■■■歳の暮れ■■■■■■■■■
ゆく年のひかりそめたる星仰ぐ 久保田万太郎
冬がれや世は一色に風のおと 松尾芭蕉
行く年や膝と膝とをつき合わせ 夏目漱石
老が恋忘れんとすればしぐれかな 蕪村
漱石が来て虚子が来て大三十日 正岡子規
ともかくもあなた任せの年の暮 小林一茶
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