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■■■■■■■■■■新年の課題と構想■■■■■■■■■■
🔵新しい2024年が,スタートした。
アフターコロナ2年目の今年は、なんとしても良くなって欲しいと
念願していたところ、新聞の年頭論調や経済専門家の予測が出揃い,
新年の課題が,ほぼ明確になって来た。
■[新年の課題」
●中国の台湾問題(戦争の危惧)
●中東ハマスの戦争によるペルシャ湾、石油輸送路の危機。
●特に政治の腐敗、自民党のキックバック問題。
国民は,こんな人達に日本の政治は任されないと,真剣に考え始めた。
特に自民党の人たちは、去る15年前の2009年の総選挙の自民大惨敗
を思い出して欲しい。
あの自民大惨敗(民主300議席、自民115議席)を忘れたのか!
民主鳩山政権になったが,政権能力なく日本は大きく低迷し,後退した。
日本を代表する経済誌や評論誌は、こぞって日本の先行きについて、
特に政治は極めて難しい年になると予見している。
🔵「週刊東洋経済」
●鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。先にあるのは活況化か暗転か。
・台湾有事の可能性は極小、
・国政で与野党のねじれ発生
・選挙ラッシュに世界が揺れる。際立つ大国の「老い」
・ウクライナ戦線、ロシア軍有利に
🔵「週刊ダイヤモンド」
●これまでの常識が覆る。主要国で 選挙イヤー始まる。日本と世界が大きく変わる。
・日本株、史上最高値更新に現実味、
・春から夏に米利下げ開始年末130円台に、
・マイナス金利は撤廃へ、米利下げ見通しは、バラツキも、
・実質賃金プラス実現は、微妙、
🔵「文春2024年の論点100」
●戦争が続き,AIが台頭するなか, 世界は,選挙イヤーを迎える。未来は何処へ向かうか。
・異次元緩和はもはや限界、
・週刊朝日 休刊で考える雑誌の未来
・猿之助不在の歌舞伎の将来は、
・維新の「高校完全無償化」が教育を破壊する。
・新薬「ㇾカネマブ」で認知症は予防できるか。
■■■■■■■■■■再びタイの大運河構想■■■■■■■■■■
🔵折しも,中国の南シナ海の覇権問題に絡んで,中国によるタイ大運河
構想が[週刊新潮](12月14日号)記事で表沙汰になり,話題を呼んだ。
新年の最大の課題「米中の台湾問題」の序章に ならなかればいい
がとの思いが強い。 当ブログでも2017年来、その構想とその行方に
ついて,何回かお伝えしてきた。
しかし,膨大な建設予算が必要な事と,運用主体の タイ政府の政変で、
いつぞや話は消えかかっていた。そこへ突然再浮上という譯である。
中国による南シナ海の覇権問題と絡んで、大型空母によるインド洋
や中近東への進出が危惧されるだけに,この問題の行方は,今年のアジ
アの注目課題と言っていい。
🔵まず「週刊新潮」のスクープの内容に触れてゆきたい。
●中国の空母「遼寧」
いまや人口14億の中国は、巨大な内需と生産力を,常に満たす必要
に迫られている。そしてあらゆる手段で物資を入手して製品化の上、
その販路を確保しなければならない。
中国が,タイのマレー半島に運河を望むのは,予てから中国が推進中の
「一帯一路」構想の参加国が南米やアフリカを含め150ヶ国に及び、
資源や物資の海路の運搬ルートが,不可欠になってきた事である。
中国としては「一帯一路」構想による、世界の協賛国の鉄道や高速
道路や港湾などのインフラ建設投資に円ばらまいた総額は35兆に
達すると言われる。今回のタイ,マレー半島の大運河構想は、その総
仕上げと言っていい(作家,早瀬利之氏談)
🔵この「一帯一路」構想は、もともと米国のオバマ政権の環太平洋
連携協定(TPP)に対抗するために,習近平が編み出した中国の世界貿易
圏構想であると言われる。
南シナ海沿岸国のカンボジアのタイランド湾にあるリアム海軍基地は、
既に中国の空母の独占寄港基地だが,その南にあるシンガポール港は、
常に米国の空母も寄港しており、中国としては,インド洋に向う南側
の海路寄港ルートがない。
そのため早くからタイのマレー半島に刮目した中国は,20世紀に入り、
タイの退役軍人クラブを動かし,タイ政府(軍事政権)に働きかけを
して来た経緯がある。
🔵現在,太平洋からインド洋へ抜ける方法は, 地図でもわかるように、
全ての船は, シンガポールを南下して、狭いマラッカ海峡を北上し、
インド洋に抜ける。
(出典:船乗りさんのブログ)
中国の危惧は,もしもの時の米国による(マラッカ海峡)の閉鎖にど
う対処するか。今のところ対応策を持ち合わしていない。
🔵中国が危惧するアジアの海の要衝(海峡)
そのためにもマレー半島の大運河構想は, 是非とも進めたいプロジェ
クトとして,再浮上してきたとも言える。
石油の全てを運ぶ日本にとっても, 片道4日短縮可能なタイマレー半
島大運河構想は,格別のプロジェクトである。
今後この運河構想の主要運用国タイ政府の取り込みについて, 中国を
はじめとして, 米国や日本など枢軸国側と、中国とのタイ国の取り込
み合戦が予測される。
🔵クラ運河の建設構想は, 17世紀にはじまり 当時のシャム国王の
パーマ1世が,アンダマン海の防衛の見地から具体化を図ったが 実現
しなかったという。
19世紀に入り,スエズ運河会社が開発に乗り出したが、シンガポール
の国際中継港としての優位性を保つために,英国植民地と関係がある
タイ王室が許可しなかった。
1935年には,外国の資金を使わないで, タイの自力で建設する方向に
シフトしたが、資金調達の目処が立たず頓挫した、
近年でも1973年には 日本やタイ,米国,フランス4ヶ国の合同チーム
によるクラ運河構想があったが, これも 残念ながら 構想倒れになっ
た経緯がある.
🔵因みにスエズ運河会社は、
・年間通過船舶数2万隻、
・外貨収入約591億ドル(2021年)
・従業員数7万5千人
である。
しかしこの運河開設に反対するのは、輸送タンカー大国シンガポール
の巨大財閥資本だ。 そして南シナ海の覇権がらみで,クラ運河の建設
を目論むのが,近年になって経済大国2位に急成長した 人口14億の
中国という訳だ。
🔵「クラ運河の地勢と利点」
🔵クラ運河の場所は、タイとミャンマーの国境が混在するマレー半
島の中央部に位置する。その最も狭い部分は44キロ、最高の地点が
75メートルである。
地図で見ると観光地で著名な,サムイ島やプーケットより北部、半島
の一番狭い当りにある。ここに運河を建設して,西のアンダマン海と
東のシャム湾を繋ぐ。
大型タンカーが,マラッカ海峡を経由しなくても、中近東、インド洋、
太平洋を直接結ぶという大動脈構想である。
この実現で,マラッカ海峡の海賊問題も解決されるし航路が大幅に短
縮されるので,輸送コストの大幅な削減が可能となる。
最近でも中国は,この「クラ地区」に10万トンクラスの大型空母が
緊急通過できる運河を作る事を画策して、タイ政府に申し入れたが,
度重なるタイのクデターなどで進まなかった経緯がある。
今回タイの政権が代わった事から, 改めて運河構想を持ちかけたと
見ていい。
もう一つの「ソンクラ地区」は、かって大東亜戦争当時,日本軍の
南方軍総司令部第25軍の辻参謀が,自ら乗り込んで 上陸作成に成功
した謂れの海岸地体である。対岸のマラッカ海峡までの距離は, 約1
00キロである。
🔵日本の30万トンクラスの マンモスタンカー (VLCC)は,ほぼ
連なる形で,アラビア湾からインド洋,太平洋を経て, 南シナ海を通り
片道20日,往復40日をかけて石油を日本に運んでいる。日本のエネ
ルギーは,中近東の石油に依存するところが極めて大きい。
●特にシンガポールを抜ける「マラッカ海峡ルート」は 日本はじめ
中国のマンモスタンカーが列を連ねており、オイルロードで一番の
難所と言われる。現在は年間、日本と中国のタンカーなど
・年間 14万隻がこの海峡を通過する。
1日に換算すると
・往路で1日19,178隻(全てマンモスタンカー)
・1時間に 約1600隻(全てマンモスタンカー)
・1分間に 約 27隻 (全てマンモスタンカー)
昼夜関係なく,船影は列をなして往く。壮絶としか言いようがない。
戦後の日本は,常に経済外交で平和を志向して来たが ,日本の中東か
らの石油輸送は,全てこの南シナ海の安全運航が 前提になっている。
今を去る80年前の戦前をふりかえると、ー日本は,国のエネルギー
源である石油の糧道を絶たれために,致し方なく東南アジアに活路を
求めた結果,戦争に及んだ苦しい経緯がある。
そして石油価格と為替動向と輸送価格を含めて,生活物価の中核を占
める電気料金をどうするか,常に政府関係当局は厳しい判断を迫れて
きた。それだけに輸送コストの削減はさることながら,公海の自由と
航路の安全が、最大の課題と言える。
「米中の台湾問題」
「中国の南シナ海の覇権問題」
新年は,当面する2つの大きな課題の行方に,注目して行きたい。
公海の南シナ海の大半を、自国の領海扱いする中国に抗議したい。
🔵話は変わるが, 中国は、日本に対抗して,多くのアジアの国々に、
一帯一路構想の一端として「新幹線工事や港湾の新設工事]を低価格
で売り込んで受注する。しかしその後,脱線事故や工事ミスが続出し,
相手国の信頼を大きく失う。
「利他」を標榜する日本と「利己」を優先する 中国のお国柄の違
いが,ようやくアジア諸国にも浸透しつつある。
今回の中国政府による「タイマレー半島運河計画」についても,
タイ政府は、慎重な姿勢を崩していないと聞く。
🔵石油資源の輸入の全てを中近東に依存する日本は, なによりも
・南シナ海の公海の安全航行、
・アジアの平和
を最優先の課題とする。
だからこそ日本は、アジアの平和を基調にしたASEANの経済振興と,
それを前提にしたタイ政府の [クエ運河」実現に向け「利他」の
精神で尽きせぬ努力と協力を払うべきだと考えている。(Yama)
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