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■果たしてタイは変わるか。

2018-10-24 | ●タイの政治

■■■■■■■■■■タイの国情■■■■■■■■■■
■「国家予算を占う
●そのメコン諸国の中核を自任するタイ国が、2019年度の国家予算
を決めた。
予算総額は、3兆3000億バーツ(約11兆2000億円)
主な予算は、
・教育省予算、最大の  2973億5000万バーツ
・国防省予算、            1175億8000万バーツ(約3880億円
・内務省予算              439億バーツ

●因みに日本の2019年の国家予算は、初めて100兆円をこえた。
(日本の国防予算は、5,3兆円)

タイの国家予算は、ざっと日本の9分の1程度と理解すればいい。
 
■「
世界の軍事力ランキング」(参考資料)
順位) (国名)  (軍人数)     (航空機)    (戦車) (潜水艦)
1位    米国   140、0万人  13,444    8,848     75 
2位    ロシア   76,6           3,42 9  15,398      60
3位    中国   243,0        2.942    9,150     68
4位    
日本    25,0        1,590      678     17  ●
5位    インド   132,5        2,086     6,464     14

7位      韓国  
   62,5         1,451      2,381     15
13位   台湾      30,0          815   2,005      4
16位    タイ      31,0            551      722      0  ● 
 (出所:世界軍事力総合評価2016)
 


●去る2015年、暫定軍事政権が鋭意策定した 経済発展計画の
タイラン40」は、
2019年も継続的にその実現を目指す事になる。
その計画とは、2036年までに 国民1人当たりGDP13000ドル
実現して、
高所得国の仲間入りを果たす というものである。

そのための経済の重点10分野とは、――
次世代自動車
・スマート・エレクトにクス
・医療と健康ツーリズム
医療ハブ

・農業とバイオテクノロジー
・未来食品
・ロボット産業
・航空、ロジスティック
・バイオ燃料、バイオ科学
・デジタル産業
本来の農業国から大きく脱皮して、輸出主導型の先端的な経済産業
国を
目指すという。。
そして別にタイ・デジタル経済社会開発20ヵ年計画を策定し
て、21世
紀型のデジタル立国を志向する。
    
●いまではタイは、東南アジアなかんずくASEANでは、最大の貿易
輸出国
である。
主な貿易相手国はーーー
・中国                  11,9%
・米国                  10,1%
・日本                   9,7%

主な輸出品目はーーーー
・自動車と部品     10,7%
・コンプーター       7,8%
・宝飾品          4,4%

 
主な輸入相手国はーーー
日本                  16,4% 
・中国                  15,1%
・アラブ首長国連邦 6,9%
主な輸入品目はーーーー
・原油                  15,5%
・機械                   9,3%
・地金                   7,1%
(出所:JTIRO 2017年)

輸出依存度が高いという事は、景気によって左右されやすい経済シス
テムの国
でもある。特に最近では中国への輸出依存度が高いために、
米中の貿易戦争
など、いわゆる「チャイナリスク」が、経済の不安要因
にもなりかねない。

そのために近年では、ベトナムやミヤンマーなど近隣のASEANの伸
長国への
輸出に力を入れて、リスク分散型の貿易国への変貌に努める
という。

●加えて今後、タイの少子高齢化が進み、経済の停滞が危惧されると
いう。高齢化率は、アジアでは、日本に次ぐ。
高度な産業化が進むが、いまでは生産に当たる人出が足りない。
経済専門家の話によると、タイの先進国入りの可能性は、今後の政治
の安定と、経済の高度化と併せて、急速に進む高齢化との相克(戦い)
の結果によるとみる。
 
■「タイのGDPの推移」 ーーーーーーーーーーーーーーー■


  
■「苦い苦い経験
●中進国のタイには、苦い苦い経験がある。それは1997年、今を去る
20年前
のタイバーツ危機、いわゆるアジア通貨危機のダメージである。

当時の東南アジアASEANは、成長著しく、特に先端を行くタイは、
ひときわ輝い
ていた。、

●1994年メキシコに端を発したアジア通貨危機は、より安全な投資先と
して、東南アジア
へ資金の流入が加速した。 
当時のタイは、ドルとバーツの固定変動制だったが、
急激なドル高バー
ツ高になったため、タイの国際競争力はみるみる低下した。、
そして海外からの急激な資金の流入による、経済のバブル化で賃金が
高騰した。そのためタイ
に生産拠点を持つ日本企業などが、安い雇用
コストを求めて一斉に生産工場を
中国に移行し始めた。 
結果、タイの通貨バーツは、1日で18%も下落した
それにより不良
資産が滞留し、タイはIMFに経済救済を求めた。


●それから20年、タイは農業国から先進の工業国への転換を目指して、
苦渋の
選択と努力を続「けて来た。

その後、2001年のタクシン政権の発足、その後2014年のクーデター
よる軍政の
誕生まで、政治体制は大きく変わったが、タイ国経済はAS
EANの中進国としての、
前進の歩みをたやさなかった。

  

■「経済の中進国化
●タイは、1980年代後半の冷戦体制の終焉によって、国内の民主化
が進んだ。
特に
情報社会の到来
少子高齢化の進展
等教育の大衆化など
で、国民
の意識が変わり、経済的にもタイの中進国化がすすんだ

●途中、政治腐敗による
「黄シャツの都市中間層」と
「赤シャツの農村貧困層」の対立
で、
体制変革のクデターがおこって、微笑みの国が微笑みを失った国に
変容したが、
構造改革がうまく機能して、経済は安定を続けている。
それをもって政治は三流、経済は
ほぼ一流と言われる所以である。
何はさておき不思議な国である事に変わりはない

  
■「
暫定軍事政権の確信

●あくまで素人的な所見だが、このところの暫定軍事政権の政策対応
を見ていると、
当初の軍事的な独裁から4年間を経過して、政権維持
への自信を持つたことで、
来春に迫った民政へのシフトを、明確に狙
っている節が、ありありと見えてくる。
そのためか暫定首相は、一時の中国偏向政策を改め、米国トランプ
大統領を友好
訪問したり英国やドイツを友好訪問したり、日本の安倍
総理を訪ねたりで、このところ
軍服を脱ぎ捨てての全方位外交を展開
中である。

●得意のタイ観光のインバウンドも絶好調である。
日本では、新たに九州、福岡に大阪に次ぐ第2の総領事館を開館した。
アッタカーン・ウィンチャナマース氏が、初代総領事として就任した。
西日本の人たちにとって、タイのビザ取得の利便性が向上する。
タイ政府の前向きの
外交戦略を評価したい。


■「
地方行政組織
●タイは、欧米型の行政理念を取り入れた、アジアでは珍しい先進の
成熟した行政組織を持つ
国家である。今回はその地方行政組織の概
要について触れておこう。
  (
(JTIRO,チェンマイ県知事を表敬訪問)

●「タイの地方行政組織の概要』(2018)
(順位)(都県名)                   (人口)        (備考)
1位   バンコク都                     824万人     首都
2    ナコーンラーチャシーマ― 県    261
    ウボンㇻーチャターニー県       184
4     コーンケーン県                178  
5    チェンマイ県                  166         古都 ●
6    ブリーラム県                    157
7    ウドーンターニー県              156  
8    ナコーン
シータンマラート県     154 
9    サコンナコーン県             146
10     シーサケ―と県              146 
 
20位  バトウムター二―県           105
30   プラナコーシ―アユタヤ県      80
40   ルーイ県                       63
50   バッタルン県                  52
60   プレー県                      46
70   アーントーン県                 28
77   ラノーン県                     18   

 
        
   
●タイの地方行政組織は、ASEAN諸国の中でも、最も進んだものと
いつていい。
タイには首都バンコクを含めて全国77の県が存在する
県知事は、政府内務省の
行政官が任命されて、各県の地方行政に当
たる。 ある意味で極めて中央集権的である。
加えて首都バンコクに人口が極端に集中し、首都の一極集中は日本
の比ではない。
首都バンコクをのぞいては、地方に殆ど大きな都市が存在しない。
当面、人の移動促進のため国土縦断の幹線高速鉄道網の近代化整
備が急がれる所以である。

■「危惧されるタイの高齢化」  (人口動態資料)


■「タイ国の明日
●当面のタイの課題は、衆目の一致するように、ーーーー
・1)民意による民政化の行方
・2)少子高齢化と労働力不足への対応、(豊かになる前に老ける危惧
である。
後タイが、現政権を含めて、当面する課題にどう善処していくのか、
友好国として、
熱いまなざしで注視していきたい。

 

 

 


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