■■■■■■■メコンに挑むNPOの足跡■■■■■■■
NPO メコンウオッチ
今年は「日メコン交流年2009」の記念年です
ーともに未来へ、日本とメコンー
インドシナ半島の大米作地帯を潤す母なるメコン。
その広域の大メコン流域の自然保護のために、われわれの仲間である
日本のNPO団体が大きな国際貢献をしています。
今回の「日メコン交流年2009」を支える、NPOメコンウオッチの活動の
全容を紹介します。
■「メコン河開発】
●メコン河流域では様々な開発事業がおこなわれています。
事業によっては、自然に深く依存する農業・漁業といった地域住民の
生業に負の影響を与えてしまうことがあります。
メコン・ウォッチは、開発による貧困化や社会的不公正の拡大を防ぐた
め、開発事業とそれを取り巻く環境に関して継続的に情報収集・モニ
タリング・政策提言をしています。以下は、メコン・ウォッチが取り組んで
いる活動事例です。
■「タイ」
a.. J-Power発電事業
b.. パクムンダム
c.. サムットプラカン汚水処理プロジェクト
d.. ヒンクルート石炭火力発電所
e.. ゲンコイ第2複合火力発電所
f.. ラムタコン揚水式水力発電所
g.. タイ農業セクタープログラムローン
h.. シリントンダム
i.. バンパコンダム
j.. メクワンダム
k.. タイ導水事業
■「ラオス 」
a.. ナムトゥン2ダム
b.. トゥンヒンブンダム
c.. セカタム水力発電ダム
d.. ナムマン3ダム
■「カンボジア」
a.. 国道1号線改修事業(JICA・日本政府助成区間)
b.. 国道1号線改修事業(ADB融資区間)
c.. カムチャイ・ダム
■「ベトナム」
a.. アーヴォン水力発電ダム
b.. セサン川ダム開発
■「ビルマ(ミヤンマー)」
a.. バルーチャウン第2水力発電所
b.. サルウィン川ダム開発
c.. イェユワ・ダム
■「中国雲南省」
a.. メコン河上流(瀾滄江)連続ダム
b.. メコン河上流浚渫
c.. 昆明市上水道整備
d.. 怒江ダム開発
■「越境 」
a.. メコン河本流ダム開発(上流部)
b.. メコン河本流ダム開発(下流部)
c.. メコン河上流浚渫 d.. セサン川ダム
e.. タイ導水事業
■「メコン開発に果たす日本の足跡】
●従来、日本と経済・文化的にも関係の深いこれらの国では、
開発事業は国際機関や日本政府の援助が主導してきた歴史がありま
す。
しかし、タイのみならず中国やベトナムの経済的成長で、その枠組み
は崩れてきています。今や、流域の開発は「投資」という形で主に流域
国の民間企業の手に移っています。
この流れの中では、きちんとした環境・社会影響調査も実施されず、大
型のインフラ事業が進む事例も増える傾向にあります。
このような変化は、流域の社会・環境に強い影響を及ぼし始め その一
部は各国の国境を越えて起こっています。
●2007年1月16日メコン地域5か国の外相(カンボジア、タイ、ベトナム、
ミャンマー、ラオス)が日本に招待され、初の日メコン外相会議が開催
されました。
この会議では、「『希望と発展の流域』である 同地域に対する日本の
コミットメントを再確認し、日本の対アジア外交の足下を再度固める」こ
とを狙い、「信頼・発展・安定」をキーワードとして、包括的協力姿勢を
示すことが謳われました。
■「メコン開発に取り組む日本の役割】
●それぞれのキーワードに対し日本政府は、
「信頼」:2009年を日メコン交流年に、5年間で1万人の青年招聘
「発展」:ODAと貿易・投資の有機的連携、東西回廊物流効率化支援
として2000万ドル 「安定」:国境を越えた問題への対処、ミャンマー情
勢という協力や対応重点項目を示しました。
●また会議に先立ち、日ラオス投資協定、対カンボジア無償援助交換
公文、「開発の三角地帯」関係文書(2000万ドル)の署名式が実施され
ました。
●私たちメコン・ウォッチは1993年の設立来、メコン河流域で起きてい
る環境問題に取り組んできました。
現在のメコン河流域は、急速な開発により経済的な発展が達成されて
いく一方、自然環境の劣化、農村部で暮らす人々の食糧の安全保障
の問題、国や人々の間の経済格差、経済開発に伴う人権侵害といった
様々な問題を抱えています。
●私たちは「日メコン交流年」という機会に、現地の人びとの声を日本
の市民のみなさんにお届けして、環境や人の生活という視点から日本
とメコン流域の人々のこれからの関係を考える機会を提供したいと考え
ています。
※本事業は独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を
受けて実施されています (記事提供、NPO メコンウオッチ)
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