■■■■■■■■■■情報の革新■■■■■■■■■■
(小さな電話機が世界を変えた)
⬛️⬛️「携帯電話物語」
携帯電話なるものが私達の周辺に出現したのは、今を去る30年程前
のことである。
最初、私たちにとって、趣味の域をこえることはなかつたが, ネット
ワーク網が全国的に広がっていくことに呼応して、機器自体の性能
が大きく向上した。次いでデジタル化による液晶画面や、受発信の
機能が改良された。2つ折りの携帯電話機能が,一体型の小型な物に
進化した。かつて電話と言えば家庭にある固定電話か、街頭にある
赤電話が全てだった。
⚫️当初の携帯電話は,まさに電話の受発信専用で、価格も高いため
企業などの外部に出向く営業マン向けに普及したと記憶している。
おりしも企業では、PC(パーソナルコンピュータ)の普及が進み、
データ管理はもとより,メールによる国内外向けの情報交流が進んで
いた。併せて,シャープの「ザウルス」など、携帯可能の小型コンピ
ュータの開発も進んでいた。
高性能によるコンピュータや携帯電話機器の小型化,携帯化は,時代の
要請だったと言える。SONYやシャープは, 先端の情報機器 メーカー
として、こぞって小型の携帯電話機を発売した。
⬛️⬛️「デジタル&ネットワーク&パーソナル」
⚫️その後の携帯電話機の進化は著しく、年々新しい趣向の機種が相
次いだ。それはドコモやKDDIという主に電波を担当する側の携
帯波の進化や、液晶の進化による機器の構造的な変動もあったと考
えられる。
何しろ携帯機器メーカーの方も, 手探りで模索しながら、製品開発
に当たっていたと思われる。
後に今のように
・万能の液晶画面を備え
・音声の送受信はもとより、
・カメラと動画撮影と送信、
・情報の記録保存機能など,
・PCと録音機能など
を,くまなく搭載するなど,携帯電話初期は予想だにしなかったと思は
れる。しかも振り返ると2000年頃から最初のiphoneが出現するまで,
日本の携帯メーカーは, PCやソフトの進化を横目にしながら,全く思
考錯誤の状況だった。
⚫️そこへ画期的な事が起きる。米Apple社のiphonの登場である。
小さなスマートフォンの誕生で, 私たちの生活の利便性が一変する。
それは驚きの連続だった。
僅か一台のスマートフォンで,
・世界の情報が瞬時に手に入るし,
・手軽に写真や映像を撮ることもできる
・そして,いつでも何処でも特定の相手と自由に話せる。
今の携帯電話の形式になったのは,2007年誕生のAppleのiPhoneが
世界初だった。当時のiPhoneは、
・音声の送受信と、
・デジタルによる情報言語の送受信が一つの機器で行える、
・しかも利便な携帯型であるという事、
液晶やカメラ部分には,日本の技術が生かされていたという。
(ステーブジョブス) (出典:JIJI)
そのコンセプトは、
・「デジタル」
・「ネットワーク」
・「パーソナル」
これから、生まれた21世紀の小さな怪物だった。
当初は, 価格も高く,日本での普及が危惧されたが、東京,大阪という
営業拠点主義と独自のソフトと差別的な構造で,瞬く間に市場を席巻
した。
後にカメラを搭載し,コンピュータ機能を備え、全世界で15億台を
売ったと言う。まさに、ステーブジョブスの偉業だ。
それによってamazonやmicrosofoftの巨大な世界企業が生まれた。
人々は,その使い勝手の良さで, その利便性に満足しているようだが,
その小さな巨人は, 21世紀の世界の情報のあり方を根底から 変える
事になる。
⬛️⬛️「情報の変遷」
⚫️世界の近代史の中で,日本の明治維新による文明開化の150年の歴
史は、世界屈指のものと言われる。
かつての世界の革命や革新は, 少なくとも国や地域単位で起こったも
のだが 21世紀のデジタル革命は、全世界を巻き込んでの情報革新だ
った。
それは通商とか外交とかはもとより、民間ビジネスの基盤である 情
報通信のあり方を根底から変えるものだった。
しかも従来の企業や国単位の拠点的な統御から, 電波を中核とする情
報通信として国単位で急速に普及した経緯がある。
🔵デジタルとネットとS N S が,新しいビジネスを創出する。
情報通信に限らないデジタル技術は,応用科学として広く工業や民生
にもひろがり、今では、軍事関連分野にも普遍する。
⚫️この情報革命の核心は,デジタルに他ならないが, なんとしても個
人個人が保有して使うスマホに象徴される。
僅か20年足らずの間に, ほとんどの成人の一人一人の手に,この最新
鋭のスマートフォンが普及して,現に存在する事である。そしてSNS
の普及で,今やその一人一人が, スマホで自由に情報発信する事が可
能となった。小さな小さな放送局と言える。
試みに手元の携帯(スマートフォン)で「YouTube」のアプリをクリ
ックして欲しい。様々なユーチューバーの題名が出てくる筈だ。
それぞれのアイコンの下には, 配信日時と視聴者数が明記されている。
🔵今やテレビにとって代わる勢いのYouTubeの存在である。
いま評判の「YouTube」「経済数理学者の高橋洋一」が、
毎日の配信数で視聴者数100万人を突破,第1位を独占,話題に。
次いで最近,新党 日本保守党を立ち上げ話題を呼んだ,作家百田尚樹と
ジャーナリスト有元香の「あさ8」や「新党日本保守党」が,
40から50万人を超すレギュラーの視聴者を持つという。
そして大企業の良質のCMが,続々と番組のスポット枠を埋めている。
「YouTube」の台頭で, 衰退著しいテレビ朝日やフジテレビが, 遂に
赤字決算に追い込まれたという。
家庭のテレビ配信が、NHKなど 従来のテレビU局から,個性豊かな
小さな独立局の「YouTube」に、静かに静かに移行し始めたという。
🔵日本の消費を支える広告費は ,テレビ広告からインターネットへ
大きく軸足を移しつつある。
これは最近のテレビ広告の出稿傾向を調査したデータである。
一時期全ての広告種類のトップを占めた従来のテレビ局の広告費が,
大きく後退し,新しいインターネットが台頭しつつあ事を示している。
マスコミの情報社会が,急激にパーソナル化をすすめつつある確証と
みていい。
これら多くの情報の進化は、
・デジタル化と
・パーソナル化
という,ほぼ30年を経過したデジタル化による進化の結果とみていい。
これらの傾向は 同時に世の中の消費動向(傾向)をも 表しているもの
で,そう簡単には戻らないのが常だといっていい。
この傾向は今後も変わらず, かつて旺盛を極めたマス媒体の新聞やテ
レビの衰退は進むばかりだ。
そして デジタルに代表される「YouTube」にとって代わる 時代が
やって来たと予測する専門家が多い。
🔵テレビ広告が大きく後退し,インターネット関連が伸びる。
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⚫️デジタル化で変わったのは, 何も情報分野にとどまらない。
あらゆる分野で、旺盛にデジタル化が始まりつつある予感がする。
中には新旧交代を告げるものもあるし, 中には,古いと思われたもの
が、再生,復活するケースもある。
インバウンドなどで,市場環境が変わり、商材の見直しが始まったと
いうものも多い。かって閑散を極めた日本の地方の街が,外国人観光
客によって,賑いを取り戻したという事例も多い。
これもデジタル化で、消費のマーケットが、世界規模に広がった事
に起因する結果と見ていい。
あらゆる事が,デジタル化という事象で, 視点を変えての見直しを
迫られていると言っていいのではないのか。既成概念が通じ無くな
った顕著な事例と言っていい。
🔵「都心のミニシアター(座席100席ほど)が大盛況」
一時期,テレビの普及で衰退した都心の映画館が, コストを低減する
デジタル化のミニシアターで見事に蘇った事例がある。
最近では,仏のジャンリュックゴダール監督の特集を組んで, 連日満
員を記録したと言う。文化事業の復活事例である。
⚫️近代におけるデジタル化の最も顕著な成果の事例は、
・エイズの抑制
・創薬効果
・生命科学(長寿社会)
だと言う。
中でも顕著な成果は、世界の生命の概念を大きく変えたという。
1920年の男子42,06歳が、2020年に81,56歳に
女子43,20歳が、 2020年に87,71歳に
「デジタルトランスフォーメイション」いわゆる 情報通信
の発達は、
・インターネットの接続
・コンピーターの持つ可能性
・仕事のオンライン
・ITの発達
・データのクラウド化(誰でもアクセスで出来る)を求めて,どんどん
発達の足跡を重ねている事である。
🔵選択可能な情報量が増えた。大いに利用したい。
🔵おひとり様老人のお元気確認にも,極めて有効らしい。
⬛️⬛️「情報力を生かす」
⚫️「移りゆく30年」の著者スタンプフォード大学の故青木昌彦氏は
「新しい制度体系に移行するには、一世代30年かかる」と予言した。
1998年には、アジア危機(アジア通貨危機)があった。
そして2008年には,リーマン破綻による世界金融危機が起こった。
その後、日本にデフレをもたらした
・東西冷戦の終結と
・安価な中国の労働力、
その構図が、米中対立やウクライナ戦争で逆転した。
しかしデジタルによる情報の変革は, いまも進化を続けている。
🔵最近, この情報について 長らく生き永らえてきた私なりの貴重な
思い入れがある。
「便利」という言葉を「利便」という言葉に 逆転する事によって
関わる物事が大きく変るという事に気付いた事である。
これは,言葉の綾ではなく,日本語の語彙に秘められた蘊蓄のようなも
のが,現に存在するするという事である。
まさに,全ゆる事象に対する「逆転の発想」の教えではあるまいか。
🔵情報とは、知識や知性の源となるものである。
・時に情報インフラとしてサイバースペースやITにもなる。
・また蓄積されると、貴重なデータにもなる。
・識者によると戦争の起因である民族の覇権が,情報によつて大きく
左右されるとも言われる。
だからこそ,正しい情報を,正しく伝える努力を,惜しんではならない。
🔵今を去る20年前, ある一人の男の発想から生まれた小さな携帯電
話機が, 通信機能のみならず映像送信など, デジタルな領域を網羅し
て,持ち手それぞれが,世界の人々と自由に情報交流できる基盤を創つ
たと言う。
そして世界が共有するあらゆる情報やデータが, いつでも,どこでも,
自由に入手することが可能になった。「情報の自由化」である。
私どもは,いまこの世に生存し,期せずしてその恩恵に浴している。
このことを決して忘れてはならない。
いま書いて,いま発信した私の書状のメールが, 僅か10秒で 遥か東南
アジアのタイの友人の手元に届くという不思議,そして常識、
これも 全てデジタルという 最新情報技術がなせる業に他ならない。
だからといって、この現実を決してないがしろにしてはなるまい。
世界のあらゆる仕組みの中で,人類がこよなく平和を享受する為には、
正しい情報を惜しみなく 正しく伝えていく事が, 絶対に欠かせない。
特に激動期には,,情報伝達の質が問われる。
情報が枯渇すると行く先を誤る事にもなる。
情報は人類の糧と言われる所以だ。 (Yama)
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