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■■■■■■■■■■■■紛争の海■■■■■■■■■■■■
■「紛争の海」
⚫️かって自由に往きかった世界の海は、いま資源や安全保障をめぐって
時として、激しい争いの場になる。
EEZ内の水産資源や海底の鉱物資源の採掘については、沿岸国がその資源
の保存や環境保護の責任を持つ。しかし海で接する日中両国の東シナ海の
場合、日本は境界線を日中両岸からの等距離の中間線を主張し、中国は、
大陸から迫り出す大陸棚までと反論して、その中間点でのガス田試掘を勝
手に進めており、既に紛争を引き起こしている。
そのうえ東シナ海の覇権を狙う中国は、日本の尖閣周辺海域に自国の公船
を連日のごとく侵入させ、日本を揺さぶる。
■「中国側から見た太平洋への出口の地図」
⚫️アジアの海のトラブルは東アジアにとどまらない。
中国は 一帯一路という現代版のシルクロード経済構想を掲げて、はるか陸路
欧州まで事業の拡大を模索中だ。しかし太平洋に向かう東への海路は、尖閣
を含む日本の領海が、行く手に大きく横たわり、極めて邪魔な存在に見える。
尖閣諸島周辺の接続水域への公船による度重なる進入は、太平洋への海洋新
進出を目指す、中国権益の既成事実化を狙うものとしか思えない。
●中国の海の野望は、広大な太平洋を米国と2分して、西半分を統治する
ということらしい。 そのためにまず、着々と「第1列島線」進出の布陣を
終えて、次いで「第2列島線」まで進出するという狙いがある。
ところが第2列島線ということになれば、そのほとんどが日本の領海か日
本のEEZ域内である。
●既に南シナ海では、中国は、南沙諸島や西沙諸島、スカボロー諸島など
島々の軍事施設の建設と領有化を進めており、既に周辺諸国から相当の反
対が寄せられている。
米国のバイデン大統領は、米中経済関係の悪化に伴い、覇権拡大を狙う中
国への対抗処置を強めるために、南シナ海の中国の領有権主張問題で米国
が積極的に介入することを決めている。既に米空母など2隻が南シナ海に
常駐して中国の動きを牽制する。
⚫️いまアジアの海は、安寧ではない。
アジアの海ば,日本海、東シナ海、南の南シナ海、ジャワ海、アンダマン海
まで,半閉鎖の海と言われ続けてきた。そのために常に沿岸国の利害の対立
がおこりやすい。
我が国を取り囲む広大な海も一見,自由の海でありながら、実は海で境界
しているため 常に多くの沿岸隣国と対面する極めて難しい立場にある。決
して当方から押しつけがましい行為は、慎まなければならない。
⚫️本来、航海の自由、航海の安全であるべきアジアの公海が、世界の大国
の覇権のために 大きく揺らいでいる。つねずね「太平洋安保の危機」「波
立つアジア」と言われる所以である。
■「問われる海洋外交力」
●日本はアジアの海の平和を願って 1997年に「太平洋島サミット」を東
京で主宰開催した。 招聘者は時の橋本竜太郎首相が務め 参加国は16ヶ国
だった。
⚫️それから24年の今年、第9回「島サミット」は、米国も加わり20ヶ
国200人が参加して、時節柄テレビ方式で開催された。
今回の主題は1)新型コロナへの対応と回復、2)法の支配による持続可
能な海洋、3)気候変動と防災 4)持続可能で強靭な経済発展の基盤強化
だった。アジアの海の平和を目指して、いつでも話し合える場の構築を目指
す。
●参加国は日本、豪州、キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、
ツバル、トンガ、ナウル、ニューカレドニア、ニュージランド、ニウエ、
バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ,フィジー、仏領ポリネシア、
マーシャル,ミクロネシア、米国 である。
参加国は、南太平洋の島国が多いが、全て独立国で国連加盟国である。
大半が日本の猛烈な支持国でもある。特に南太平洋は最近、中国が一帯一
路戦略で矛先を伸ばしており、米中確執の折から いかに平和な南の海を
維持していくか、注目が集まる。
それだけではない。日本の石油の糧道といわれるれるマンモスタンカーの
公海の海路でもあり、その公海の安全はもとより異常気象、自然環境、海
洋汚染など多岐にわたる取り組みが期待される。
(👆太平洋サミットの国々)
●本来、日本のインバウンド(海外観光客の訪日)では、外国人観光客
の訪問先は 京都や奈良など、いわゆる定番の観光地が、再優先と考えら
れていた。しかし蓋を開けると大きく目算が狂った。
3000万人を超す訪日観光客のほぼ2割は猛烈なリピーターと目される人達
で、その行き先は意外や意外、瀬戸内の島々であったり、地方の隠れた観
光地の島や温泉や雪質のいい山間のスキー場や、海の景勝地が多い。
⚫️外国人観光客が日本へ来る主な理由は 海の景観だけではない。寿司や
刺身など、日本にしかない海の幸も狙いだ。しかも漁港にある地場の小さ
な食堂にまで足を伸ばし、正真の味を食べに行くという。それを生み出す
のも麗しい日本の海にある。
今はコロナ・パンデミックで一時的な閉鎖に追い込まれてはいるが、いち
早い再開が待たれてならない。
・世界とつながって来た大きな海
・かって自由に往き交った世界の海
・文化を繋ぎ、自由と変化をもたらした偉大な海
⚫️様々な現実の中で、海の平和を求める逞しい試みが明日へつながる。
しかも北から南まで、日本の海は、語りつくせない魅力に溢れている。
・北海道・利尻島の魅力・礼文島の魅力
・長崎・五島列島の魅力も欠かせない
・島根・隠岐、石川・舳倉島、山口・見島
・瀬戸内島々、直島、鞆浦、尾道、宮島など
しかも日本の海は、島々の歴史を基に、海に纏わる多くの伝統文化を育ん
できた。どんな曲面であろうと 自由で平和な海がある限り、日本の前途は
希望に満ちていると言っていい、素晴らしいに尽きる。
●「海」日本の童謡唱歌(作詞 林柳波 作曲 井之上武)
海は広いな 大きいな
月が登るし 日が沈む
海は大波 青い波
ゆれてどこまで続くやら
海にお船を浮かばして
行って見たいなよその国。
●私のアフターコロナの夢は、東シナ海の日本最南端の島、石垣島と宮古
島を訪れ、その後、定期客船で台湾へ渡り 故宮博物館を見て台湾新幹線を
体験したいと、膨らむばかりだ。
なにはともあれ、一日も早いコロナの終息と、日本の尖閣海域の領海侵犯
を犯す中国の蛮行が収まる事を念願したい。
●予告●
●週末からの東京五輪の開幕に際しJTIROでは、日本サッカーの権威である、
松本光弘 筑波大学名誉教授による「東京オリンピック,世界サッカー特集」
(サッカーの見方など)を特別構成でお届けします。ご期待ください。
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