新しい老眼鏡

　去年の夏くらいから、使っていた老眼鏡が行方不明になってしまった。毎日色んなものの在処を探してばかりいる私だけど、見つかるものもあれば、見つからないと諦めるものもある。老眼鏡はあればあったで便利だが、なければないで済ませないわけではないので、多少の不便は我慢して半年ほどないままで過ごしてきた。
　が、ここ最近、裸眼では小さな字が半端なく見えなくなってきた。
「何て書いてある？」
と生徒に訊くことも度々になってきたので、さすがにこれではいけないだろうと、老眼鏡を新調することにした。



　視力を合わせてからできあがるのに１週間もかかった。
「なんでそんなに時間がかかるの？」
と店員さんに訊いてみたら、
「レンズを取り寄せて・・・」
などと説明してくれたが、要を得なかった・・。
　昨日からかけ始めたが、手元の小さな字が驚くほどよく見える。本当？と驚くくらい・・。でも、その反動なのか、１ｍ先になるともうぼやけて判然としない。さすが老眼鏡。
「かけ続けていると余りよくないので、時々外して下さい」
と受け取る時に店員さんは言ったが、なるほど注意した方がいいだろう。

　でも、これで「何て書いてある？」などと生徒に訊くことがなくなるだろうから、ちょっと嬉しい。