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共通テスト

共通テストが終わったが、数学をはじめとしてかなり難化した科目が多く、平均点がかなり下がったと言われている。私の塾生たちも苦戦を強いられたようで目標点に達しなかった者が多かった。だが、受験者がほぼ全員できなかったわけだから、さほど落胆せず、二次試験に向けて頑張れば必ず良い結果が得られる、と励ましている。

 今年の共通テストと言えばなんと言っても1日目に起こった事件が衝撃的だった。いくら鬱屈があったとは言え、己の鬱憤を晴らすために他人を巻き添えにしていいはずがない。他人に迷惑をかけちゃいけないという最低限の道徳をこの事件の加害者は教育されてこなかったのか、と昨今頻発するこの類の事件に接する度に感じた怒りで叫びそうになるほどだったが、しばらく時間が経つにつれて、この事件の加害者が私の卒業した高校の2年生らしいということが明らかになってきて、一層やりきれない気持ちになった。
 超エリート集団の高校とかなんとか耳目を引く言葉で加害者を語ろうとする記事が多かったし、その後通っている高校からの謝罪文ではコロナ禍による疎外感をこの生徒の心の闇の中心に据えようとしていたが、私が感じたのは違った。確かにそうした見方も正鵠をいている点はあるだろうが、この生徒が高校から入学したことが大きな要因ではないかと私は思っている。この学校は中学で360人ほどが入学し、高校では40人程度入学しているが、厳しい受験勉強を経て男子校独特の校風の中で3年間を過ごした者たちと男女共学で公立中学3年間を過ごした者たちとは、学習面、生活面で様々な乖離があるだろう。それをある程度の猶予期間を入れながらも一緒にしてしまってはどうしたって数に劣る高校から入った生徒たちにはかなりの精神的疎外感が生まれるのではないだろうか。私は中学から入って高校から入学した生徒たちとの交流もあまりなかったから、確かなことは言えないが、なんとなく違うということは常に感じていたから、それは今も変わっていないだろうと思う。(私たちの頃は中学から450人、高校から100人だった)
 塾に通っている三年生とも話したが、こういう事件を中学から通っている生徒が起こすことはないように思う。「変な奴らばかりだけど、学校の外で暴れたりはしないよ」と塾生は言っていたが、私もそうだと思う。この事件は確かに様々な人たちを不幸に陥れた許されないものであるが、私が指摘した事案を高校側がもうちょっと対処しないとまた同様な事件が起こらないとも限らない。高校からの入学者など入れずに、中学の定員を増やせばいいのに・・。
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