国政策理解不足で銀行に預金しない檀家老人に「泥棒さんには天国だよ。危ない橋を渡らずとも各家に照準を合わせた方が簡単に。傷害事件にならん事を願うばかり。基本世の中は狐と狸の化かし合い。経済はお金の奪い合い。色々と不満はあろうがお金は銀行に。箪笥にお金が無きゃ泥棒は家には来んよ」と。
父在世時、法要中突如不整脈に。導師を私と交代し無事終了。「どうね」と客殿を訪ねると「怒るなよ。法要前牡丹餅を8個。あれが悪かった」と。対し女房殿が「お父さん。いい加減にしなさい。何度言えばわかるの」ときつくお叱りを。今女房殿の仏壇お供えは必ず1個。向こうで心臓悪くせんように、と。
父(先代)の3回忌に息子から「爺ちゃんが手術台で内臓を出された状態を見た時どう思った」と聞かれ、色んな事が走馬灯の様に脳裏を。「そうだな。先ず思い出すは檀家さんの放った一言『私達が住職を使い殺した』かな。その『私達』の中には当然父さんも」と。年忌法要の度に受けた恩を思い出す。
檀家90歳婆様が「昨今の若者は自分の主張ばかりを立て並べおって。馬は乗ってみんと、人は添うてみんとわからんもんじゃ。私等の頃は大戦で金やら銀やらは皆死んで、残りもんから。が、その中にも掘り出しもんはおる。嗅ぎ分ける力を持たにゃ。『待てば海路の日和』などない。自らで探さんかい」と。
上げ膳据え膳で一流を歩んできた若者が就職で初の挫折、落胆して寺に。「日本企業の99、7%が中小企業。とすればこの国を支えておるは。そこに入り『俺の力でこの会社を』ぐらいの根性持てんかね。28歳他界高杉晋作は『筆と硯などに仕えていられるか』と藩を離れ外へ。君も他を頼らず決断を」と。