戦後まもなくの映画です。戦時下において戦争反対を唱えた京大の滝川事件
(教授が反戦自由思想で大学を追放され、学生が抗議行動する事件)とゾルゲ事
件が土台になった映画です。
わたしが中学校時代に担任のK先生が熱い思いでこの映画の説明をして
くれたことは印象深く残っています。
教授の「自由は華やかだが、裏には苦しい犠牲と責任があるのだ。」という
言葉と共に・・・
その後わたしもテレビで何度か見ましたが 今日はNHKBSで上映でした。
黒澤作品と言えば「羅生門」「七人の侍」「用心棒」「生きる」など男性が主
で、これぞ黒澤作品だと印象づけていますが、「わが青春に悔いなし」は黒澤氏
初期の作品で、単なる青春物でなく、 反戦運動に青春を捧げた学生の物語で、
時代に翻弄された若者たちと、如何なる弾圧にも屈せず自分の考えを貫き生
きる女性の激しく、悲しくも美しい青春映画です。
「紅萌ゆる 丘の花・・・」旧三高寮歌が流れていました。
あらすじ
大学教授の娘・幸枝をめぐって、学生の野毛と糸川が競い合う。野毛は
反戦活動家に、糸川は検事となり、互いに正反対の道を歩む。野毛と結婚
した幸枝も逮捕される。
「わたしは野毛の妻です。」と獄死した野毛の貧農の実家に入った幸枝
は「スパイ」と非難される・・・
草深い田舎でスパイ事件に関わって死んだ者の、家族へのさげずみの眼、
その眼を逃れて夜中に田植えをする。すっきりした気分で帰った後、見回っ
た田に
「スパイ入るべからず」 「売国奴」などの立て看板
整然と植えられた苗が、引き抜かれたり、踏み荒らされたりした田の光景
だった。義母と共にそれらを取り除く。
すさましい形相で泥田に入って田植えをし直す主人公が、呪文のように
「自由の裏には苦しい犠牲と責任がある」 「省みて、悔いなく…」
とくり返す独り言で試練に耐えていた。・・・「わたしは平気よ」と・・・
そして終戦、時が裁き、教授は大学へ復帰する。しかし、幸枝は一旦
実家へ帰るが、また田舎へと・・・省みて悔いなく・・・と生きた。
「永遠の処女」と言われた往年の原 節子さん主演(珍しく黒澤作品に主演)
で、監督はじめ出演者の殆どは亡くなられています。大河内伝次郎・藤田進・
志村喬・杉村春子さん等・・・・
半世紀以上(62年前)が過ぎ、映画は古くモノクロですが、考え方に
おいては古さを感じない『わが青春に悔いなし』でした。
よく知っていますね。
おけいはんはあまり映画もみませんでした。
だからわからないけど
昔は映画しか楽しみなかったね。
いつもおけいはんへコメントありがとう。
この映画は、特に注目していました。わたしが中学生の頃ですよ。話題になったのは・・・
の原節子さん、いつまでも若い頃の姿だけが残っています。
小津作品が多いでしたが・・・
毎日病院ですか、もうしばらくでしょう。退院まで、・・・
トタン屋根のいそべ座、鵜方の国際劇場、中央劇場
など遠い昔?を思い出します。
よっかた映画はいつまでも頭のすみに残っていますね。
昔の映画もたまにはいいですよ。学校時代よく見に行きました。洋画(心の旅路・赤い靴・ハムレット・若草物語など)も良かった。黒澤作品もしっかり
見ましたよ。
鵜方の映画館へも行きましたね。30年ぐらい前までやってたね。