今年最大の映画と呼ばれる「硫黄島からの手紙」はアメリカのイースト・ ウッド
監督の「父親たちの星条旗」の2部作で、日本を主として描き、主演 も日本の
俳優による作品でした。 ー渡辺謙 主演
硫黄島 小高いのが擂鉢山ーここに
米軍は星条旗を掲げた
東京都に所属し世田谷区の半分にも満たない島、硫黄島で日米あわせて
8万人 もの兵士が戦をしたのです。19年6月に栗林中将が硫黄島へ降り
立った時から のドラマで、サイパン陥落後、硫黄島へと上陸してくる米軍との
凄絶な戦いでし た。そのさまは筆舌には尽くせませんが、戦場にあっても兵士
たち、栗林中将、 西中佐(、オリンピック馬術優勝者)などの人間性は温かいもの
があり、胸をつかれました。
渡辺謙演じる 栗林中将 西中佐 伊藤少尉
戦のない時は家族へ手紙を書き送り妻へは細かい指示までしていたようです。
5日で墜ちると思われた硫黄島が36日間も戦い尽くしたのは、栗林中将の
「最後の1人になっても戦え」と自ら死んでいくこと(万歳戦争)を禁じた から
でした。・・・何のため?・・それは首都東京を守るためにでした。 硫黄島は
サイパンと東京の中央に属し、東京への射程距離だったからです。
空爆、地上からの爆撃戦は思わず目を覆いたくなるほどのすさまじさで、 スケ
ールの大きな撮影にアメリカならではを感じました。
「予は常に諸子の先頭にあり」と呼びかけ、最後400名の先頭に立ち、果敢 に
立ち向かう姿は栗林中将の軍人としての1つの美学だったのでしょう。
アメリカに於いてさえ、敵将栗林総司令官は高く評価され、硫黄島の捕虜は
特別扱いされたとのことです。
映画では、最後傷ついた体に自ら拳銃(アメリカ留学の際もらったコルト)で
自決しましたが、実際には、最後を見届けた者は1人も生還していない
そうです。
決別の電報には
「国の為重きつとめを果たし得て、矢弾尽き果て散るぞ 悲しき」
が添えられていました。 現在硫黄島にて発掘の遺品の中の数多くの届かな
かった手紙が舞い上がる ラストシーンに涙しました。
先日のテレビ、ドキュメントを交えた「硫黄島ー戦場の郵便配達ー」 と共に
戦場の悲劇を痛切に感じ、戦争のない今を守っていくことを声を 挙げて叫ば
ねばと思いました。
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