醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより  238号   聖海(白井一道)

2016-03-18 12:04:11 | 随筆・小説

 甘利明議員の疑惑


侘助 甘利元大臣の存在感 が無くなってしまったな。
呑助 睡眠障害で国会には出て来ていないようですよ。
侘助 そうらしい。新聞報道によると診断書が出て、更に二か月間は国会に登院できないらしいね。国会に登院できないほど、睡眠障害とは重い病なのかなぁー。実に国民を馬鹿にした振る舞いだと思うな。睡眠薬を飲めば済むことなんじゃないのかな。
呑助 そうですよね。国会でいろいろ質問されるのが嫌なんでしようね。
侘助 自民党という政党はそのような我儘を認める政党なんじゃないのかな。
呑助 甘利氏は有力な議員だからじゃないですかね。
侘助 強い者ほど我儘が認められるのが今の自民党の政治なのかもしれないな。
呑助 そんなもんなんじゃないですか。
侘助 そういうことを許しちゃならないね。どんな有力者であっても悪いことをした場合には法の前にあっては平等に罰せられるのが民主主義の基本だよ。
呑助 甘利氏の問題は既に過去の問題のようになっていますよ。
侘助 そうしてはならずと、民主党の大西健介議員らが中心になって甘利氏が千葉県白井町にある薩摩工業から50万円を二回貰っていることが斡旋利得罪になるのかどうかという事を調べているようだ。
呑助 なぜ、このようなことが表ざたになったんですかね。
侘助、2016年1月21日発売の『週刊文春』に記事が出てから表ざたになった。この事件の概要をトップ屋に売り込みをした人がいるんだ。
呑助 誰なんです。そんなことをした人は?
侘助 一色武さんという方だったそうだ。この方は千葉県白井町にある薩摩工業の総務担当のようだ。
呑助 詳しいですね。
侘助 民主党の大西健介議員の話だよ。
呑助 なぜ、また薩摩工業社員の一色さんが『週刊文春』に売りこんだんでしようかね。
侘助 千葉県白井町にある薩摩工業敷地の一部に国道が通ることになった。薩摩工業の敷地は借地のようだが、独立行政法人都市再生機構(ur)に薩摩工業は補償を要求した。薩摩工業は一色武さんにurとの補償交渉を依頼した。一色さんは生え抜きの薩摩工業の従業員ではないようだ。一色さんは薩摩工業からurとの補償交渉の依頼を受け、少しでも有利な交渉をすべく、甘利事務所に相談した。具体的には甘利元大臣の公設第一秘書の清島健一氏に相談した。清島健一さんという方は元江田憲司の秘書だった方だそうですよ。現在清島健一さんは失踪しているため、どこにいるのか不明だそうですよ。
呑助 なんとなく、生臭い匂いがしてきますね。
侘助 薩摩工業から補償交渉の依頼を受けた一色さんは甘利氏の秘書に1.200円余りのお金を渡し、urとの有利な補償交渉をしてもらい、2億2.000万円の補償金を得たがそれだでは満足できず、全部で四項目の補償を要求した。
呑助 2億2.000万円の補償だけじゃ、満足しなかった。
侘助 もともと初めから一色さんは四項目の補償要求をurに求めていたようなんだ。ところが一つ目と二つ目の補償交渉で2億2.000万円の補償金が出たところで、甘利氏の秘書たちは日和ってしまった。urとの交渉で清島氏は身の危険を感じたのか、補償交渉が進まなくなってしまった。このことに不満をもった一色氏は事態の打開のために、『週刊文春』に補償交渉の経過を書いた原稿を売り込んだかなと推測しているんだ。大西健介議員の話を私なりに解釈するとこのようなことになった。
呑助 昔読んだ梶山季之の小説のような話ですね。
侘助 政治家のスキャンダルの蔭にはお金を巡る男たちの戦いが今も昔と変わらずにあるということなのかもしれないなぁー。