醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより  241号   聖海(白井一道)

2016-03-21 17:13:16 | 随筆・小説

  「フィンランディア」で野党共闘を励ます

侘助 昨日(3月20日)、渋谷駅前で「市民のつながりで野党共闘を応援しよう」という集会が開かれていた。
呑助 ワビちゃん、参加したんですか。
侘助 いや、ネットで見たんだ。
呑助 どんな集会だったんですか。
侘助 駅前広場でオーケストラ演奏が始まったんだ。あー、聞いたことがある曲だなと思ったが、曲名が思い出せない。突然、思い出したんだ。「フィンランデァ」だ。
呑助 野党共闘応援になぜ「フィンランデァ」なんですかね。
侘助 「フィンランデァ」という曲を作曲したのはシベリウスだよね。
呑助 フィンランド人ですね。「フィンランディア」はフィンランドの第二国歌と云われている曲ですよね。
侘助 なぜ、「フィンランディア」がフィンランドの第二国歌とまで言われているのかというと、それはシベリウスが生きた時代のフィンランドはロシアの植民地だったからなんだ。帝政ロシア帝国はフィンランドから税金を無慈悲に搾り取った。特に皇帝ニコライ二世の時代になるとロシア政府の財政が窮乏し初め、圧政は強化されていたようなんだ。
呑助 日本の明治政府が朝鮮を植民地支配したような状況だったんですね。
侘助 そうなんじゃないかとおもうね。シベリウスが「フィンランディア」を作曲した1899年はまさにロシア革命の前夜だと言って時代だよね。
呑助 フィンランド人はこの曲を聞くと心が奮い立つという話を聞いたことがありますよ。
侘助、そうらしいね。フィンランド人のロシアからの独立心を奮い立たせる曲だからね。この曲には最後に合唱がついているよね。
呑助 そうですね。心に秘めた熱い思いを静かに歌っていますね。
侘助 渋谷駅前でも合唱をしているんだ。アンサンブル・フォー・ピース、平和と自由を愛する合唱団が歌っていた。あまり歌詞が分からなかったがね。
呑助 フィンランド語の詩はどのような内容なんですかね。
侘助 合唱団員の女性が最後に合唱の歌詞の内容を説明しながら、戦争法に反対する理由を述べていたよ。
呑助 合唱は何を歌っているんですかね。
侘助 さあ立ち上がれ,
スオミ,高々とあげよ
偉業の記憶の花束で飾られた自分の頭を
さあ立ち上がれスオミ,お前は世界に示した
他民族による支配をはねのけたことを
圧政に屈しなかったことを
お前の一日が始まるのだ,祖国よ
呑助 「スオミ」とはなんですか。
侘助 「フィンランド」のことをフィンランド人は「スオミ」というらしい。
呑助 独立運動に立ち上がれという歌なんですね。
侘助 だからね。日本はアメリカの属国だという認識なのかな。アメリカから独立しろというメッセージを発していたんだと思ったね。
呑助 確かに、沖縄の状態など見ているとアメリカの属国に日本はなっているのかなと思いますね。
侘助 ほんとにそうだよね。tppの内容などを知るとそう思うよね。
呑助 tppとはそんなひどいものなんですか。
侘助 元外交官だった孫崎享さんは「オールジャパン:平和と共生が主催する「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」の席上で発言していた。tppは売国の条約だと静かに力強く発言していたよ。
呑助 なぜ、tppは売国の条約なんですか。
侘助 isd条項がtppにはあるでしょ。日本の法律や規制が日本に進出してきた外資に損害を与えた場合にはwtoの仲裁裁判所に外資は訴えることができる。この仲裁裁判所の判決は日本の最高裁判所の判決に優越するようなんだ。これは日本が主権を失い事だとね。