世界の富豪85人の資産が世界の半分の富を持つ
侘助 ノミちゃん、オックスハムという国際NGO団体を知っているかい。
呑助 何をしている団体なんですか。
侘助 1942年、ナチス軍の攻撃で窮地に陥ったギリシア市民に、オックスフォード市民5人が、食糧や古着を送ったことが、オックスファムの始まりのようだ。その後、世界の人々が貧困から抜け出し、自らの力で豊かになるため、世界の様々なところで活動をしている団体のようだ。この国際NGOが2014年に衝撃的な事実の発表をした。
呑助 どんなことを発表したんですか。
侘助 その前にダボス会議という全世界の有力な政治家や学者、グローバル企業経営者が集まって話し合う世界経済フォーラムがあるんだ。毎年、スイスのリゾート地、ダボスで寒い冬の一月に開催される。
呑助 へぇー、そのダボス会議では何が話し合われるんですか。
侘助 そこで話し合われ、コンセンサスが得られたことが世界経済に大きな影響を与えているようなんだ。
呑助 どんなことが話し合われているんですか。
侘助 新自由主義的な経済政策を世界的にどのように進めていくかという事のようなんだ。経済学者の植草一秀氏は「強欲巨大資本の年次集会」と揶揄している。日本の強欲資本の代弁者竹中平蔵氏はダボス会議に出席する代表的な「学者」の一人らしい。
呑助 その強欲巨大資本の年次集会、ダボス会議の直前にNGOオックスハムはどんなことを発表したんですか。
侘助 世界の富裕層の上位1%である85人の総資産が、全世界約71億人の半分の資産を占めるという事実をダボス会議に先立ち発表したんだ。調査報告書によると、富裕層の上位85人の資産総額は110兆ドルで、日本円にして1京円を超える計算になる。つまり、約36億人分に匹敵するということだった。、
呑助 もの凄い格差が世界的に広がっているんですね。
侘助、格差というものが国境を越えて広がっているということなんだ。格差拡大が最も豊かな国だと云われているアメリカで貧困層が増大している。EUにあっても、日本でも貧困層が増えている。
呑助 確かに身近にもいますね。東京のM大を卒業し、中堅会社に入社し、その後二度ほど転職した知り合いがいるんですよ。その方は定年退職後、一人でアパート住まいをしていましてね、聞くところによるとお正月もご飯一膳と鰯の缶詰で元日を迎えたと言っていましたよ。
侘助 そうですか。私も聞きましたよ。外見では一戸建ての家に住み、何不自由なく過ごしているように見えても一日三百円ぐらいで生活している人がけっこういますよという話を近所の人から聞きましたね。
呑助 まぁー、私らの時代はいいとして、私らの子どもたちはどうなるんですかね。年金はもらえないと思っているようですからね。
侘助 そうなんだよね。年金の基本は仕送り方式だから、少子高齢化だと仕送りする子どもたちが少なくなっていくので、私らの子供たちは直観的に今のままでは年金は無くなると思うんでしよう。
呑助 少子高齢化なんだから、年金が無くなってもしょうがないでしょと言われると困りますね。
侘助 世界一の大金持ち、ビルゲイツ氏は税金の支払いが嫌いのようです。好きなのは慈善事業だと言っています。貧しい人々に恵むのが好きらしい。税金は払わないが施しはする。
呑助 ビルゲイツを写真で見ると優しそうな顔をしていますね。
侘助 自民党の大金持ち、総理経験者のA氏などと比べるとそうですね。
呑助 日本人の金持ちは税金の支払いも嫌いだし、施しもしないのかもしれませんよ。
侘助 嫌々ながら税金を払い、貧乏人を見下げている。