中東問題(5)
呑助 IS、イスラム国は突然、報道されるようになりましたね。
侘助 そんな印象があるよね。突然出現したテロ組織という印象が確かにあるね。
呑助 そうですよ。
侘助 アメリカがサダム・フセインを倒し、新しい傀儡政権を作った時にサダム・フセイン政府にいた役人たち全員を首にしたそうなんだ。それらの役人たちは自分たちが生きるためにアメリカの傀儡政権とは別に自分たちの生活基盤を作ったものがイスラム国になったようなんだ。サダム・フセインを倒した多国籍軍がイスラム国を作ったと云っていいのかもしれないなぁー。
呑助 イラクの油田地帯キルクークを中心にした地域を占領し、そこをイスラム国と名のったんですね。
侘助 自分たちの生活を支える油田地帯を占領したわけなんだ。しかし、どうやって石油を掘り出すのか、掘り出した原油をどのように売りさばくのか、難しい問題があったはずなんだ。
呑助 掘り出した原油をどうやって売っているんでしようね。武器をどのように買っているのか、そのあたりの報道はほとんどありませんね。
侘助 イランの日本語ラジオ放送によるとアメリカがISに武器を供給しているという放送があったね。また食糧などもね。
呑助 アメリカはイスラム国に爆弾を落としているんじゃないですか。
侘助 不思議なんだ。またアメリカの中古トラック自動車がイスラム国に渡り、そのトラックの後ろに機関銃が据えられている映像が流れたことがあるそうだ。トラックの脇に書かれた文字によってそのトラックがアメリカの中古自動車だという事が分かったようだ。
呑助 へぇー、そんなことがあったんですか。
侘助 、その他にもイスラム国の指導者、バクダディが怪我をしたとき、イスラエルの病院で治療したというイランの日本語ラジオ放送があったよ。イスラム国は不思議なことにイスラエルを攻撃しないようなんだ。イスラム国が欧米諸国の敵となることによって、イスラエルの平和、安全が増したということはありそうなんだ。
呑助 アメリカの中東政策はダブルスタンダードなんですかね。
侘助 そうなのかもしれない。中東諸国にあってイスラエルの敵は同時にアメリカの敵でもあるからなぁー。イスラエルもまたイスラム国を攻撃することはないみたいだからね。アラブ諸国にあってアラブ諸国に敵対するイスラエルとイスラム国をアメリカは作ったのかもしれないなぁー。
呑助 アメリカという国は恐ろしい国ですね。まさに陰謀を張り巡らす国なのかもしれませんね。
侘助 先日、ロシアのプーチンとアメリカのケリー国務長官が会談し、イスラム国掃討について話し合ったという報道があった。本気になってアメリカはイスラム国に爆撃をしているという報道が日本ではあるがどこまでアメリカは本気になっているのか疑問に感じるな。
呑助 アメリカはシリアのアサド政権を倒そうとしているんですよね。
侘助 そのようだよ。シリ
アはイスラエルに対して敵対しているからね。アラブの春が来たとき、反アサドのデモ隊をアメリカは焚きつけ、シリア反政府武装組織、自由シリア軍を支援している。
呑助 アラブの春はなんとなく「アラブの冬」のような印象がありますね。シリア難民が徒歩でヨーロッパに逃げ出している映像がテレビで放映されていますからね。
侘助 ロシアはアサド政権を支持する明確な態度を示しているが、アメリカやEUはアサドが敵なのか、イスラム国が敵なのか、態度を鮮明にすることが今、世界から求められているように思うね。本当にイスラム国は欧米諸国にとって敵なのか、特にアメリカはイスラム国が敵なのか、それともシリアのアサドなのか。