アメリカ政府はイランとの戦端を開く出来事を創り出すのだろうか
[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領は、イランとの緊張で国家非常事態にあるとして、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダンへの80億ドル規模の武器売却を承認した。
議会はサウジなどへの武器売却を阻止してきたが、武器輸出管理法には、国家非常事態の場合は議会で審議しなくても大統領が武器売却を承認できると規定されている。
ポンペオ国務長官は声明で、武器売却が「同盟国を支援し、中東地域の安定性を強化するほか、イランから自国を守る一助となる」と強調。さらに、議会を回避したことについては「1回限りの決定」と説明した。
トランプ政権は同日、3カ国に対する22件の武器売却を進めることを議会に通知。ロイターが入手した通知文書には、3カ国に提供される製品やサービスが広範囲にわたって記されており、レイセオンの精密誘導弾(PGM)やボーイングのF15戦闘機へのサポート、レイセオンとロッキード・マーチンが製造した対戦車ミサイル「ジャベリン」などが含まれている。
議会筋によれば、通知文書には議会が阻止してきたあらゆる防衛装備が記されているという。
上院外交委員会のボブ・メネンデス議員
上院外交委員会のボブ・メネンデス議員(民主党)は「トランプ政権は再び国家安全保障上の長期的な利益の確保や人権保護を優先せず、代わりにサウジアラビアのような独裁国家に便宜を与えようとしている。驚きではないが、失望する」と語った。
外交委のリッシュ委員長(共和党)は、「複数の武器売却」を進める意向が記された正式な通知を政権から受け取ったと明らかにし、法的な正当性について精査していると述べた。
ホワイトハウスと国務省は現時点でコメント要請に応じていない。
このようなニュースに目が釘付けになった。イラン戦争をアメリカ政府は目論んでいるのだろうか。アメリカ国民の目はトランプ大統領に集中しているようだ。なんとかアメリカ国民の目を海外に向けたい意向がトランプ大統領にはあるようだ。トランプ政権維持のために中東で戦争を起こす。このようなことが起きるのだろうか。イランは中東の大国だ。1978年に起きたイラン革命によって親米政権であったパーレビー朝は倒れている。
パーレビー朝はイランの西欧化政策を進めたがイラン国民の支持を得ることができなかった。このことは「白色革命」と言われている。アメリカ政府が考える諸制度をイランに強制しても、根付かないことにアメリカ政府は気づいていない。アメリカ政府はイラン人のための政治体制を考えていなかった。アメリカ政府に都合がいいような政治体制を作ろうとしたので失敗した。アメリカ政府の意図がイラン国民に見抜かれてしまったからだ。
イラン革命は民族自決主義の実現だった。以来40年、イラン国民は貧困に苦しめられてきた。政治的にも経済的にも厳しい状況にあるイランを攻め倒そうというのがトランプ大統領の狙いなのだろう。しかし成功する確率はないだろう。最貧国のベトナムは世界最大の軍事大国アメリカと戦い、勝利している。どんなに貧しく弱々しい国であっても民族独立のためには最強の軍隊が出現するようだ。
アメリカ政府がイランに戦争を仕掛ける意図がトランプ政権維持のためであるなら、その意図はイラン政府に見抜かれているだろう。全世界民衆の目がアメリカ政府を見ている。アメリカ政府の対イラン政策が全世界民衆に支持されるはずがない。
イラン政府はイラン革命以来40年間永らえてきている。この間、西側諸国からの経済制裁を受け、苦境を乗り越えてきている。
国際社会もまた、アメリカ政府がイラン政府打倒のための戦争を許さないであろう。トランプ大統領はイラン戦争を仕掛けることができないのではないかと考えている。