志位委員長の特別講義⑧が、「しんぶん赤旗」2月28日付に掲載されました。テーマは「共産主義、天皇制」でした。 この講義のなかで生徒の質問に答えた、「社会が発展するとともに、人間の考え方、価値観も大きく変わる」と述べた部分を紹介させていただきます。
「生徒 共産主義にもしなったとして、人間というのは差があって、怠けてしまう人と、しっかり頑張る人がいると思うのです。その時に怠けてしまう人が、働かずに何かを得てしまったり、怠けて人と頑張った人との差が出てしまったりというのは、社会の発展を止めてしまうのではないかと思うのですが、その点についてはどう思いますか」
「志位 社会主義・共産主義の社会になったとしても、自分自身と、その家族、社会全体の生活を維持し、再生産するための労働が必要となることに変わりありません。ただし、そうした労働の性格は大きく変わるだろうという展望を、マルクスはのべています」
「資本主義のもとでは、少なくない場合、労働自身が苦痛で、多くの人々が苦しみながら働いているけれども、社会主義・共産主義では、搾取がなくなり、労働者が、自発的に協力して働くようになるもとで、労働自身が喜びにみちた、楽しいものに変わる。マルクスはそのことを、『自発的な手、いそいそとした精神、喜びにみちた心で勤労にしたがう結合労働』と言っています」
「つまり、社会が発展するとともに、労働に対する人間の見方、考え方が大きく変わるだろう。あまり、『怠ける』ということを心配する必要がなくなるのではないでしょうか。さらに、さきほどお話ししたように、労働時間そのものが短縮されるもとで、誰もが自由な時間を手にすることになります。そうした自由な時間ができたら、その時間を遊んで暮らそうという人もいるでしょし、それもいいんです。自由な時間ですから、何に使ったって自由です。ただやはり、そういう自由な時間ができたら、多くの人たちは、自分の能力を自由に全面的に伸ばすことに使うのではないでしょうか」
「さきほど、マルクス・エンゲルスの『各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件になる結合社会』という言葉を紹介しましたが、一人ひとりがその能力」自由に全面的に発展させることは、社会全体をうんと豊かにして、社会全体の力を大きく増すことになります」
「そして、そのことは、一人ひとりの自由な発展の条件をますます豊かにする。こういう好循環が生まれてくることを、私たちは展望しています。こうしたなかで、人間の考え方、人間の価値観も大きく変わってくるのではないでしょうか」
「人類の歴史を考えてみても、原始共同体の時代があった、奴隷制の時代があった、封建制の時代があった、そしていまは資本主義の時代です。それぞれの時代ごとに、人間の価値観も大きく変わってきているでしょう。奴隷制や封建制の時代には、人間の『自由』や『平等』はおよそ問題になりませんでした。しかし、今日の時代では、それが世界の大きな流れになってきているのではないですか」
「人類が、いまの資本主義社会の『利潤第一主義』の仕組み、搾取の仕組みを乗り越えて、新しい社会に進んだら、新しい価値観、考え方、新しい生き方を人間はもつことになる。私はそう考えています」
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