日本共産党の志位和夫委員長は8日、党本部で記者会見し、同日、天皇が高齢の問題から「生前退位」を示唆する発言をしたことについて次のように表明しました。 以下、「しんぶん赤旗」9日付の記事を紹介します。
「高齢によって象徴としての責任を果たすことが難しくなるのではないかと案じているというお気持ちはよく理解できます。政治の責任として、生前退位について真剣な検討が必要だと思います」
「日本国憲法で、生前退位うぃ禁じているということは一切ありません。日本国憲法の根本の精神に照らせば、一人の方が亡くなるまで仕事を続けるというあり方は検討が必要だと思います」
日本共産党の綱領は、「憲法の全条項を守る」という旗を明確にしています。その点について、志位委員長は、「綱領教室」愛3巻の中で次のように説明しています。
「なぜ新しい綱領で『憲法の全条項をまもる』という旗を明確に書き込めたのか。それは、新しい綱領で憲法における天皇条項の問題での認識と対応の重要な前進があったからなのです」
「改定前の61年の綱領では、民主主義革命のなかで、憲法改定が必要とする『君主制の廃止』をめざすとしていました。そのため『全条項をまもる』という旗を掲げることが、論理の必然として、できなかったのです。新しい綱領では、日本国憲法と天皇の制度について厳格な分析をくわえ、この問題での新しい踏み込みをおこないました」(111頁)
「第1条と第4条によって、天皇の制度とのかかわりで二重に国民主権の大原則が保証されているのが日本国憲法です。それでは、『国政に関する権能』をいっさいもたない『君主』というのがありうるだろうかということを考えますと、世界にそういう『君主』というのはないのです。立憲君主制の制度をとっている国はあり、イギリスなどはそうですが、これは、形のうえでは国王が一定の統治権をもち、それを憲法や法律などで制約して、事実上、国民主権の枠組みのなかに押し込んでいるというような制度となっています」(同「116頁」)
「しかし、日本の天皇の制度というのは、こうした立憲君主制でもありません。いっさいの統治権をもっていないわけですから、日本国憲法における天皇というのは、君主ではなく、元首でもありません。日本の政治体制というのは、どんな形であれ君主制の国とはいえず、国民主権の国だということを、新しい綱領では明確にしました」(同前)
こうした立場を踏まえた、志位委員長の重要な新たな表明だと思っています。
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