毎年1月に掲載される米原潜の日本寄港回数の2020年実績が、「しんぶん赤旗」11日付に掲載されました。原潜の寄稿回数とどのような原潜が入出港しているかは大変重要な安全保障上の情報です。以下、同紙から1部紹介させていただきます。
「米海軍原子力潜水艦の日本への寄港が2020年の1年間で19回、のべ52日に上り、前年比で寄港回数・滞在日数ともに約半分に減少したことが、寄港地を抱える自治体の集計でわかりました。寄港回数は1982年以降で最小となりました」
「最も減少したのは長崎県の米海軍佐世保基地で、前年比11回減の2回でした。沖縄県うるま市の米海軍ホワイトビーチは4回(同6減)、神奈川県の米海軍横須賀基地は13回(同3減)と続きました。寄港地別の滞在日数をみると、横須賀基地は38日(同31減)、佐世保は10日(同24減)ホワイトビーチは4日(同6減)でした。横須賀基地と佐世保基地での減少が目立ちました」
「背景に米軍基地内での新型コロナウイルス感染症の拡大があるとみられます。横須賀基地では昨年7月21日以降で累計382人の陽性者が確認されています(8日時点)。佐世保基地では36人(4日時点)、ホワイトでは計2人(8日時点)が確認されました」
「潜水艦は密閉性が高いうえ、多数の船員が長期間にわたって共同生活を送るため、集団感染のリスクが高いと指摘されています。感染拡大を避けるために、潜水艦の運用を制限したとみられます」
「横須賀基地では乗組員の休養や物資の補給、機器のメンテナンスを行うため、数日~10日程度滞在していました。しかし、20年は1~2間の短期間の寄港が多く、5日以上停泊したのは4回(前年8回)にとどまりました。感染者が多い横須賀基地から潜水艦へ感染が拡大することを懸念し、短期間の寄港にとどめたとみられます」
横須賀基地への原潜の寄港は、原子力空母打撃軍との一体運用が欠かせないことから、他港との寄港回数の違いが生まれていると思います。また、寄港した原潜のなかに、バージニア級のミシシッピが1回、ノースカロライナが2回入港しいることが注目されます。他港の寄港原潜は、いずれもロサンゼルス級です。
バージニア級原子力潜水艦について、ウイキペディアの解説を見てみたいと思います。
「バージニア級の兵装は533mm魚雷発射管×4門にトマホーム用VLS×12基で、ロサンゼルス級後期型と同様である」「バージニア級は開発当初からSEALsの活動を想定して設計された最初の艦である。魚雷室の搭載魚雷を減らすことで、空いた空間にSEALs潜水隊員用の居住コンパートメントを設置して最大40人程度のSEALs隊員を輸送することができる」
「船体上部には、アクアラングを装備した最大9名のSEALsが水中に同時に出入りすることができるエアロック・チャンバーも備えている。セイル前方側面には艦外収納庫があり特殊部隊用の装備を格納できる。SEALs輸送用の小型潜水艇ASDSの開発は中止されている」
いままで、横須賀基地などに寄港している原子力潜水艦は、かつての旧ソ連の原潜に対抗して開発、配備されてきましたが、今、攻撃型原潜の役割は大きく変わっていることが明らかになっています。SEALsの運用、トマホークの搭載など、米軍の前方展開戦力の最前線に配備されています。
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