宮応かつゆきの日本改革ブログ

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ユーゴスラヴィア解放戦争(上)「最初から国民解放戦争をめざす」-「スターリン秘史」第20章(1)

2014年08月26日 | 綱領関連

 第20章は、38頁に及び貴重な歴史的資料も加えられた読み応えのある内容です。 ユーゴスラヴィアの解放は、他のヨーロッパ諸国とは違った解放の歴史があったことは、かねてから言われていたことでした。 今回の連載で、その内容、プロセスが解明されようとしていることに大きな関心を惹きつけられます。

 「ユーゴスラヴィアは、第二次世界大戦において、自力、すなわち自国自身の解放戦争で侵略者からの国の解放をかちとった。 ヨーロッパで唯一の国です。 しかも、その解放戦争は、ドイツ軍自身が人民戦争軍を『交戦国』の一つとして扱って、この戦場を連合国と戦った他の戦場に匹敵する重要性を持つとまで意義づけ、数十万の兵力をそこに釘付けにせざるをえなかったほど、ヨーロッパ戦線で重大な地位をしめしていました」(「前衛」9月号199頁)

 不破さんは、「ユーゴスラヴィアの解放戦争がなぜ、そのような、他国に例を見ない壮大な発展と最終的な勝利をかちえたのか、その秘密を、解放戦争の経過を追いながら考えてゆきたいと思います」とこの問題の解明への意欲を語っています。

 「4月10日、すでにザグレブはドイツ軍に占領されていましたが、そのザグレブで、ユーゴスラヴィア共産党は中央委員会を開きました。 そこで、今後の国民解放闘争の基本路線を決定し、4月15日、ユーゴスラヴィア人民に呼びかける中央委員会声明を発表しました。 後にチトーは、この声明の意義について次のように述べています」(同紙202頁)

 「1941年4月15日、ユーゴスラヴィア王国の崩壊」の前に、ユーゴスラヴィア共産党中央委員会は声明を発表し、そのなかで、ファシストの侵略の結果起こった情勢を分析し、ファシスト侵略者に対する武装闘争が戦われなければならないこと、この闘争から『新しい世界』が生まれ、そこから新しい社会主義的ユーゴスラヴィアへの展望が開かれることを明らかにした」(「76年チトー演説」)(同前)

 不破さんは、このチト演説を踏まえて、2つの「特質」次のように指摘しています。

 「第一に、ユーゴスラヴィア共産党が決定した武装闘争の方針は、侵略者の支配に対する抵抗闘争にとどまるものではなく、ファシズムを打ち破ってユーゴスラヴィアの独立と自由をかちとる国民解放闘争とその勝利をめざしたものだったことです」(同202頁)

 「第二にユーゴスラヴィア共産党は、この闘争が、侵略者を駆逐して、”4月戦争”前の状態ーー旧体制を復活させるだけのものであってはならないことを、よく理解していました。 旧体制とは、多くのユーゴスラヴィア人民にとっては、専制主義と勤労大衆の抑圧、諸民族の無権利の体制でした」(同203~204)

 (つづく)

 


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