志位和夫日本共産党委員長は昨日の衆院本会議の代表質問で、「安倍政権の5年間で、格差が拡大し、貧困が悪化した」と次のように、質しました。
「安倍政権の5年間は何をもたらしたか。 大企業は史上最大の利益あげ、内部留保は400兆円を超えるまで積み上がり、一握りの超富裕層の資産は3倍にもなりました。 その一方で、働く人の実質賃金は年額で15万円減り、実質消費支出は20万円減りました。 総理、安倍政権の5年間で、格差が拡大した --この事実をお認めになりますか」
安倍首相「安倍内閣発足後の格差・貧困を示す指標の動きをみると、長期的に上昇傾向にあった相対的貧困率については、政権交代後、雇用が大きく増加するなど経済が好転する中で低下に転じた。 ~安倍政権の5年間で格差が拡大し、貧困が悪化したとの指摘はあたらない」 ときっぱりと否定しました。 この認識の違いについての論戦は、日本経済の現状認識を問うと同時に経済改革の展望に関わる大問題です。 予算委員会などでの引き続く論戦を注目していきたいと思います。
労働問題総合研究所(労働総研)が18日に発表した2018年春闘提言は、労働者の生活悪化を厳しく指摘しています。
「2017年の日本の実質経済成長率(見通し)が1・5%に対し、米国は2・2%、欧州2・4%、世界全体の3・5%と比べて低くなっています。(OECD[経済協力開発機構]の世界経済見通し)」
提言は、「その主な原因が賃金の低下にあるとして、第2次安倍内閣が発足した12年と16年を比較すると、先進7カ国と韓国をあわせた8カ国の中で、日本だけ賃金が低下しているとしています。 日本経済全体を見ると、経常収支は20兆3451億円へと大幅に改善したものの、このうち15兆9650億円が、主に海外子会社からの収入である所得収支によるものであり、国内生産が回復したわけではないとしています」
また、求職者1人にどれだけの求人数があるかを示す有効求人倍率について、安倍首相は『正社員の有効求人倍率は調査開始以来、初めて1倍を超えた』と自画自賛しています。
このことに対して、提言は、厚労省の「一般職業紹介状況」(17年9月)をもとに、次のように指摘しています。
「例えば、求職者が多い、『一般事務』は0・35倍と低いのに対し、『接客給仕』3・87倍、『介護サービス』3・74倍、『飲食物調理』3・24倍だとして、『この3職種の有効求人倍率が高い原因として、労働条件が悪いために離職率が高く、常時求人しているものの応募者が少ないことがあげられる」と分析しています。
提言は、「国民生活を見るうえで、消費支出にしめる食費の割合を示すエンゲル係数が上昇していることも見逃せません。 エンゲル係数は高いほど貧しいとされ、長年21~22%で推移してきました。 しかし、安倍内閣の4年間で1・8ポイント上昇し、24・4%に達したとして、『近年見られなかった現象』となっています」と指摘しています。
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