夫が 知能テストで
俺は たしかめ算をしたよ
といったので
娘に
知能テストでは たしかめ算をしないで
とくりかえし 見送ったら
お母さん、たしかめ算をしない方がいいのは
分かっていたけれど
やっぱりたしかめ算をした、という
こいつ ばかだな と思った
七十を過ぎた夫は 仕事の修正に追われ
たしかめ算をしている
四十を過ぎた娘は
夢の中で人生のたしかめ算をしている
私は今
たしかめ算をしているのだろうか
たぶん している
横になり立ち上がり メモしたり
行って戻って
取って戻って
作業をくりかえしている
知能テストでは
無駄なことを
それはいってみれば
確認努力ということだろうか
短距離型の私は
老いて やっと
マラソン型になれたのだ
夫 娘 息子はマラソンが得意だった
ぱんっ!
マラソン開始の ピストルが鳴る
夫、私、娘、息子は、
同時に 走り出す
R3.4.28
付記
中学2年の頃、隣の組の一面識もない男子が来て(大塚は、だれだ)と言うので(私だ)と名乗ると、廊下で(自分の父は教師だが、今回大塚の知能テストは、学年1だったそうだ)と言った。
そうかと思ったが、中学の知能テストは、即断・即決で出来た。
高校の知能テストは、即断・即決の次に(考える)という私の苦手部門で、低迷した。
高校では、作業テストというのがあり、どんな職業に向いているかのテストで、短距離型の私は5~10分は、全速力で書き込めるが、飽きて冷めてしまい(こんな事をして、何になるのか!)と途中放棄して、だらだら解いていたので、最悪の結果だった。
70にして、漸く悟った。どの、分野でも(残った)のは、
(マラソン努力型)だという事を。悟るのが、遅かった。