家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

2011年11月19日上級特派員便り

2011年11月25日 | Weblog
上級特派員便り

2011年11月19日 @伊勢原校   雨

今週も引き続きキャビネットの製作。
今週はキャビネットを上に置く台輪の製作と天板の製作。
台輪は、樺サクラの角材からフレームに組む加工を行う。
加工材を手サンド掛けの後、寸法取りを横切盤で行い、業界用語で言うところの、メチボソ加工をしてから左右の側板と前板の留め加工。留め加工は、中級で写真フレームを製作した時に習ったが、留めの内側を、気持ち、ほんの気持ちだけ開ける(薄紙1枚の厚さ程度)。こうするとフレームを組んで締めこんだ時に外側直角部分が隙間なく糊づけされて綺麗に映える。これが留めのコツ。もちろん正確な機械加工あっての話。
留め加工は横切盤で角度治具を使って切断するが、ノコ刃を斜めに当てるため材が刃の方向に引っ張られるのでしっかり両手で押さえるて切削することが肝要。
加工後ベルトクランプで絞めてボンド付け。隅木もボンド付けしておく。
午後から工場に移り、天板加工。天板は、同様に樺サクラの3枚板接ぎ。接ぎはすでに済んでおり、先ずは表裏面の歪みを取るため、幅1メートルほどの大型ベルトサンダーで研削(#180)。
天板の縁の3辺を、ダニエル社がダイニングテーブルによく使用する「おたふく面」のような縁取り加工を自動送りスピンドルで木口面から行う。ビットの切れがよく抵抗はほとんどない。自動送りだし。
天板背面は手押し鉋で直角を取り、天板表裏をさらにレベルサンダーで仕上げる(#180)。

本日の佐宗おやつは、「山梨県産巨峰入りベイクドチーズケーキ」。甘さ控えめで大人のお味。クリームチーズのこくと「山梨県産」巨峰の酸味が加わって濃厚な味を醸し出している。前日作ったものを失敗して実習前の早朝に作り直したとか。おおきに。

次回は扉の仕上げと引き出し製作。各位鉋を持参のこと。

写真1: 台輪の側板 横切盤による留め加工

写真2: オフコーポレーションで購入したラチェットベルトクランプで台輪を固定

写真3: ワイドベルトサンダー

写真4: レベルサンダー

写真5: 本日のおやつ 「山梨県産巨峰入りベイクドチーズケーキ」

『お道具拝見コーナー』その7(三枝氏投稿)
今回は 佐宗先生が最近購入して使用した結果満足できるとご推薦の、砥石の紹介です。
シャプトン硝子砥石3本組  木工用  #1000・#3000・#8000-S

使用してみた筆者の感想は、とても下りが良い砥石です。
真黒な研ぎかすが出て、滑らかに、素早く研げる割に、目詰まりがあまり感じられ無い事は驚きです。研磨材と結合材の割合が適切なのでしょう。従来の砥石の半分の時間で研ぎ上がると思います。
この砥石は砥粒の精度が良く、研削力も高いので、間に別の砥石を入れず、同種の3本を使い、順次研ぎ進め、最後に天然仕上砥で研ぎ上げるのが、ベストな使い方と思われます。 従って3本セットで取りそろえることをお勧めします。
また この砥石専用の面修正器、研ぎ台、研ぎ盆、収納台が有るので、これらも揃えると良い結果が期待できそうです。 特に専用の面直しは、早く面の修正が出来る様です。  
難点は、値段が高い事で、砥石以外に面修正器も含めると、相当のとなり、手道具愛好家としてはもう少し安くなって欲しい所です。 
ダニエルでは樹脂トレーの上に研ぎ台を置き、トレーの水を使って研いでいますが、研ぎかすが混じるので、研ぎ水は別に用意して研いだ方が、良い結果が得られると思います。 
繰り返しますが、この3本の砥石を揃えるだけで、相当の出費となります。 
佐宗先生は 既に良い砥石を何本も持っておられる様ですし、これ以上の砥石は必要無い様にも思いますが、更に新しい砥石を購入して、研ぎの精度を上げる努力を怠らない探究心に敬意を表します。
勿論研ぎは砥石だけで決まる物では無く、各種の要素の複合ではあると思いますが、研ぎの精度改善を目指し努力する姿勢が、技術の向上や精度の高い製品の製作に繋がる物だと思います。 もって範となすべき物で有りましょう。

写真6: シャプトン硝子砥石3本組

文責・編集  堀江

コメント
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