◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

6月15日(土)

2013-06-15 07:58:26 | Weblog
●小口泰與
繍線菊や日光寺社の遥かなり★★★
雨に雨百日紅咲く朝かな★★★
彼方から来しか水田に通し鴨★★★

●迫田和代
【原句】葉桜の土手道のみどり冴えわたり
【正子添削】葉桜の土手のみどりの冴えわたり★★★

楚々として句集を渡す衣更え★★★
故郷を心に偲び粽解く★★★

●小川和子
金の蘂かがやき未央柳群れ★★★
天に向き合歓の花咲く里の夕★★★
紅々と花を点して合歓やさし★★★

●多田有花
虎尾草や岩攀じ登る男あり★★★★
虎尾草が咲いている岩であるが、攀じ登る男性がいる。ロッククライミングの練習か。何かをとろうとしているのだ。離れて見れば、面白い光景だ。(高橋正子)

六月の夕暮れ藍色長く引く★★★
よく眠り目覚めて静か梅雨の雨★★★

●桑本栄太郎
喜雨来れば窓開け放ち聞きにけり★★★
雨だれの音にまどろむ昼寝かな★★★
夕涼や鳥鳴き風の雨上がる★★★

●河野啓一
釣り上げし魚万緑の中に跳ね★★★★
渓流釣りであろうか。釣り上げた魚がぴちぴち跳ねる。万緑の中なればこそ、いっそう生き生きとしてくる。(高橋正子)

夕凪の瀬戸の浜辺や烏賊焼く煙★★★
釣鐘草やっと咲きたる濃むらさき★★★

●佃 康水
流鏑馬の先触れ受けて菖蒲葺く★★★
平らかな生垣蜘蛛の囲の数多★★★
雨の輪の光溢れる植田かな★★★

●小西 宏
梅雨晴の空は広場の真ん中に★★★★
空が広場の真ん中にあるという着目に驚かされる。雨があがったばかりで、広場に人はいないのかもしれない。たしかに青空は、広場の真ん中に堂々とあるのだ。(高橋正子)

梅雨晴の里山遠く緑眩し★★★
梅雨晴れ間今日一日の暮れゆける★★★
コメント (3)
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