◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

6月21日(金)

2013-06-22 10:59:57 | Weblog

●河野啓一
紫陽花の軒端に雨水たっぷりと★★★★
紫陽花が咲く軒端に雨水がたっぷりと溜まっている。たっぷり溜まった雨水がゆたかで涼しい。(高橋正子)

梅雨寒の庭に雨傘挿して出る★★★
雨受けて葉蔭に育つ青柿一つ★★★

●小口泰與
あけぼのの赤城を映す植田かな★★★
青空の足尾銅山茂りかな★★★
万緑や明智平のロープウェーイ★★★

●藤田裕子
刈り込まれ青葉の輝き街筋を★★★
雨に咲く紫陽花の青無垢の青★★★
視野を越え小さき夏蝶木々に消ゆ★★★

●桑本栄太郎
大阪府三島郡とや青田波★★★
青梅雨や駅のホームの島本町★★★
サントリー大山崎の青嶺かな★★★
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6月20日(木)

2013-06-22 10:41:08 | Weblog

●小口泰與
じゃがいもの花や赤城は靄の中★★★★
雄々しい赤城の山も靄の中に消え、薄紫のじゃがいもの花が優しく咲く。じゃがいもの花が咲く頃は、雨の後など靄がかかりやすい。季節がよく捉えられている。(高橋正子)

夕映えに包まる雲や桐の花★★★
驟雨にも列を乱さず蟻の列★★★

●祝恵子
厨にはまだ濡れ輝いてミニトマト★★★
風のでて布袋草かすかに揺れる★★★
親来れば子つばめ口となる三羽★★★

●河野啓一
長雨に雨水湛えて合歓の花★★★
百合白く行列したるデイの庭★★★
ようやくにいつものような梅雨となり★★★

●多田有花
梅雨の蚊にしたたか喰われ目覚めけり★★★
雨濡らす梅雨の緑のいきいきと★★★
低山の頂隠し梅雨の雲★★★

●桑本栄太郎
明日ありと希む高さや立葵★★★★
立葵はまっすぐ茎が立って花が咲き昇る。空に咲き昇る花の光景は、「明日がある」と希望をもたせてくれる。(高橋雅子)

雨乞いの滋賀の山並み遠きかな★★★
草叢の被う流れや夏の川★★★

●小西 宏
子らの畑に茄子の実太くぶら下がる★★★
梅雨晴に玉蜀黍の花盛ん★★★
病院の裏手に夏の野の花々★★★

●高橋秀之
店内に立ち込む鮑焼く香り★★★
通勤の鞄が重し梅雨の朝★★★
葉桜の雨に打たれて色映える★★★
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6月19日(水)

2013-06-22 10:39:28 | Weblog
●小口泰與
石竹や髪をなびかす女学生★★★
青空へとけて声のみ夏ひばり★★★
夕さりや畔の十字の余り苗★★★

●桑本栄太郎
風が吼え木が吼え朝の青嵐★★★
西山の隠れ見えざる白雨かな★★★
坂道をつたい小路の夏出水★★★

●河野啓一
荒梅雨も天の恵みと受け止める★★★
福祉士の笑顔嬉しき梅雨の朝★★★
青簾茂るを夢見てゴーヤ植う★★★

●小西 宏
ベランダの手摺一列燕の子★★★
親鳥に急かされ空へ燕の子★★★
梅雨空に揺れて清しき寒枯藺(かんがれい)★★★

●佃 康水
浴衣着の少女ら駅に待ち合えり★★★★
少女たちは駅で待ち合わせ、夏祭りに出かけるのだろう。浴衣をすがすがしく着て友達が来るのを待っている。楽しそうなこと。(高橋正子)

緑陰の葉擦れの音へ将棋指す★★★
田の隅へ固まりそよぐ余り苗★★★

●川名ますみ
青梅雨を語るひと日よ伯父の来て★★★
葉も枝も裏を見せたる青嵐★★★
青あらし世界の回る音がする★★★



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