ROCK & CINEMA DAYS

映画とROCKと猫が大好きです

いつもいっしょに

2008-05-08 22:37:40 | 
いつもいっしょに/
こんのひとみ・作 いもとようこ・絵



私はけっこう絵本が好きなんですよ。
若い時は興味なかったんですけど。
子供ができると必然的に絵本に接する機会が増えます。
そうするとですね、
絵本って子供だけでなく
大人に向けてもメッセージを発信してるということがわかったんです。

特に動物が出てくる話ね。
擬人法でストーリーが進むんですよ。
人間だとリアルすぎて子供は引いちゃうかもしれない内容でも
ソフトに伝わりますね。
私は「いもとようこ」さんの絵が大好きです。
弟たちができて戸惑う兄を描いた「ぼくはおにいちゃん」とか
題名はわすれちゃったけど、ねこの子供たちがけんかしたり、おかあさんにくっついたりする話とか
ほんわかする絵で癒されますよ。

今日は本屋に行ったら
たまたま、いもとようこさんの
「いつもいっしょに」をみかけたんで
得意の立ち読みをしました。
実は私は立ち読み名人で、本屋さんの敵なんですわ。
でもたまには買いますよ(笑)。
この本は非常に評価の高い絵本なんで
前々から気になってたんです。

ストーリーは
ひとりぼっちで暮らしているくまのところに
ある寒い夜、うさぎがやってきます。
寒さにふるえているうさぎに
くまは温かい食事を作ったりして世話をしてあげます。
いままでひとりだったくまは
誰かのために一所懸命してあげることに喜びを覚えます。
ベッドでふたりで眠ると、暖かくて落ち着きます。
くまはとても幸せになりました。

でも
うさぎは、いつもニコニコしているだけで
何もしゃべりません。
うれしいとも、おいしいとも言いません。
だんだんくまは不安になり
ある日、うさぎに大声で怒鳴ってしまいました…。

結末は書かないよ~。

とても切ない話です。
くまは、うさぎを失って初めて
「愛する人と一緒にいるだけで幸せ」
ということに気づきます。
うさぎはニコニコして一緒にいるんだから
くまのことを嫌いなはずないのにね。
でもくまにしてみれば
「こんなに尽くしてあげてるのに、本当はどう思ってるんだろう。
自分のひとりよがりなんだろうか」
と不安になるのも無理ないことです。

こうした、ちょっとした心のズレで
いろんな別れと出会いが生まれてくるわけですね。
絵本といえども
決して子供だけに向けて創られているのではありません。

でも
「一緒にいるだけで幸せ」

「そばにいるだけで気分が悪い」
に変化するのもよくある話だよね。

なんて
ひねくれた考え方をするようになった自分がコワイや。