標記の小論文を掲載する山口県県史編さん室『山口県史研究』第26号(2018年3月)が完成し、自宅にも届けられました。
《修史研究》という論文種別は学界でも珍しいですが、掲載誌の投稿要領によれば「県史・市町村史・地域史などの比較研究をはじめ、編さん方法や資料処理についての研究など」と、定めてあります。その珍しさゆえ投稿者が少ないようであり、バックナンバーを確認すると、平成8年(1996)3月発行第4号の青山忠正《修史研究》「『奇兵隊日記』原本の伝存状況」から21年間も掲載のない状況が続いていました。しかし、せっかく設けられた論文種別がこのままなくなってしまうのはもったいないと考え、1つ投稿してみたわけです。22年ぶりに《修史研究》が掲載されました。
本稿の内容は、1960年代~モータリゼーション(車社会化)時代の公共交通史が残した教訓を、山口県内の自治体史誌編さん事業史を素材にしつつ見通していくための、基礎的な資料整理の成果を示すものです。山口県内で発行された史誌の現代通史編をすべて読み、そのなかからモータリゼーション・公共交通に関する記述を拾いあげ、取りあげ方の傾向を一覧表に整理してみました。こうして、かかる研究の課題点と展望を示しています。