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二兎を追うなかれ!

2020-11-21 15:49:57 | より良き我国のために

 冬を目前に控えてコロナ禍は第3波の様相を呈しています。このところ日毎の新規感染者が2000人を超え、8月の第2波のピークを越えました。寒さと乾燥はウィルスを延命させます。換気もついつい億劫になることでしょう。今のこの事態は予め十分に予測出来たことです。第3波の特徴は第2波に比べて高齢者の感染割合が高いことです。活発に動き回る若者の感染割合は変わらないとしても、夏よりも長持ちするようになったウィルスが家庭内で高齢者を感染させる割合が高まったのではないでしょうか。高齢感染者が増えた分、重傷者も増えて医療体制を逼迫させています。

 然るに菅義偉政権はGoToキャンペーンの中止に二の足を踏んでいます。命と経済の二兎を追うと言うよりもむしろ経済優先の姿勢なのです。二兎を追えばあぶはち取らずとなり、一兎も取れない結果になるでしょう。ここは台湾が成功した道に倣い、先ずは命を優先してパンデミックを抑え込むことが肝要です。十分に抑え込んだ後に経済を徐々に回していくべきだと思うのです。

 10月の自殺者は2000人を超えました。前年同月比で男性が2割強、女性が8割強の増加です。恐るべき事態です。特に女性が倍増の勢いで増えています。これは明らかにコロナ禍における女性の職場の激減に拠るものでしょう。今の女性は飲食業、介護施設で働く非正規職の割合が高く、このコロナ禍で多くが職と収入を失った結果なのです。従ってその内訳は年金暮らしの高齢女性よりも働き盛り、子育て真っ最中の若い女性が多いものと推測されます。

 然るに菅政権は「自助、共助、公助」を唱え、先ず自助、次に共助を求めます。その結果が女性自殺者倍増なのではないでしょうか。今この未曽有の疫病災害においては最初から公助で救う必要があるのです。GoToキャンペーンは感染者増加をあおるので中止し、立ち行かなくなる事業者には補助金を出して救済すべきです。収入の減った働き手にも生きるための助成金を支給すべきです。

 菅政権にとって、経済を後回しにして命を優先することは国の借金が更に増えることで悩ましいのでしょう。何しろ1000兆円を超える借金はGDP比約2.4倍で世界最悪なのですから…。1990年のバブル崩壊以降、平時にもかかわらず漫然と借金財政を重ねてきた自民党を主とする歴代政権の怠慢の結果です。しかしそれでもなお、今は国民の命を守ることが政治の最も優先すべき使命だと思うのです。



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