ブダペストの食肉加工工場に、臨時雇いの若き女性検査技師がやって来る。
妥協という概念を持たない理系女子。仕事は全て規則・規定どおりに。それまでAランクが付いた食肉も、おしなべてBランクになってしまうほど。
必然に職場の仲間とはうまくいかない。
上司は、片手が不自由な初老の財務部長。人を愛するという感情を捨てようとしている。人生を諦念の上に送っているような男。
ある事件をキッカケに、二人に好意の感情が生まれ、女性は初めての恋情を知るが、それをうまくコントロールできない。そして、理系女子の方法論で恋を成就させようとする。
もちろん男性の恋心も屈折している。
池を挟んだ、2頭の鹿の映像が諸所に挿入され、それがストーリーのキーになる。
初めて見るタイプのラブストーリー。
この春の僕のお奨め。