かっぱらぱ編集室 つれづれ

かっぱら編集長がつづる日常のあれこれ。

「忘れ物」が多い子どもへの支援と対応

2022-08-08 15:07:34 | 実践心理学講座

中学校の相談室の飾り

 

小中学校で勤務していると、時々、いくら先生が声をかけても忘れ物がなくならない子どもに出会います。

小学校の低学年の時には、先生が家に連絡すると、

保護者が時間割を手伝ってくれることも多いので、多少忘れ物が減ったりします。

 

しかし、小学校の高学年にもなると

保護者も「もぅ自分でできるでしょ」と、子どもから手を離してしまいます。

 

突然、手を離された子どもは大変です。

今までは親が手伝ってくれていたのに、「もう4(5、6)年生だから」と言って、突然ひとりでやらされるのです。

加えて、高学年にもなると荷物も多くなり、持ち物も複雑になっているので、どうしたら良いのか分かりません。

 

高学年になると周りの目も気になり出す年頃です。

先生には、「また忘れたの?」と叱られ、友だちにも「だらしないやつ」と見られます。

親には「なんでそんなことができないの」と言われ…。

 

その内できないことを「面倒くさい」という言葉に置き換えて、

学校が嫌いになっていってしまいます。

 

そんな子どもに気付いたときには、

先生や保護者に以下のことをお話しします。

 

忘れ物が多いのには、原因があります。

人間は皆同じではありません。

人間には多様性があるのです。

 

走るのが速い人や遅い人がいるように、他の人と比べて「できる、できない」がある他に、

個人の能力の中にも、「強みと弱み」があります。

 

忘れ物が多い子どもは、

「集中力の弱さ」「目で見る力の弱さ」「記憶力の弱さ」などがあるのかもしれません。

 

方向音痴の人は、「空間認知能力」が他の人より少し劣っているかもしれません。

パズルが苦手な人は、「目で見て、推測する能力」が他の人より劣っているかもしれません。

しかし、それが出来ないからといって生活に大きく支障がないため、問題視されないだけなのです。

みんな何かしら苦手なことはあるのです。

 

大切なのは、「自分の苦手な能力に気づき、それを自分の得意な能力で補えるようにしていってあげる」ことです。

 

保護者や先生は、その子が自信を失わないように配慮しながら、

本人の困り感に寄り添い、どのようにしたら忘れ物をせずに済むか、

一緒に考えていってあげて欲しいと思います。

 

忘れ物が多い子どもの保護者は、本人が学校生活で困らないように、

できれば中学卒業まで、本人が「もう大丈夫」と言うまで、

学校の支度の手伝い(確認)をしてあげて欲しいと思います。

 

そしてもう一つ、

忘れ物をする子どもの原因があります。

 

それは、家庭が上手く回っていない場合です。

家の中に勉強をするスペースがない、物がどこにあるかわからないなど、

家庭に問題がある場合もあります。

そんな時には、学校はSSW(スクールソーシャルワーカー 家庭と福祉をつなげてくれる人)に相談をして、

いろいろなところと連携を取りながら家庭を支援していく必要があります。

 

どちらにせよ、学校の先生は、忘れものがあっても他の子にバカにされないような温かいクラスづくりと

忘れ物をすることを前提とした配慮(学校に置いていっても良い物は置いていくなど)をしてあげてください。

 

忘れ物が多い子どもの困り感について

学校のスクールカウンセラーに相談することで、

その原因がどこにあるのか、発達や愛着の問題か、家庭環境の問題か等、一緒に考えていってくれますよ。

 

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