『感染列島』 - goo 映画
(C)2009 映画『感染列島』製作委員会
映画の日で\1000なり。
公開直後のネット評判どおり、いろんな意味で残念な映画だった。
満足度90%ってのは、わかります。パンデミック関係なく、泣ける映画ならなんでもいいんでしょ。違うか?
新型インフルエンザ対策でこの映画を見ても無意味です。
そういう人は、原作となっている吉村達也の『パンデミック』ではなく、川端裕人『エピデミック』を読むべき。
っつーか、パクリ?
まず納得できないのが、二人の主人公の役柄と役割がミスマッチになっている点。これは男性-女性の差とか、年長者-年少者の差とかの入れ違いではない。医師とWHO職員の役割が入れ違っているのだ。なんで勤務医が感染源を東南アジアまで探しに行くのか、そして、なんでWHO職員が山の中へ治療行為に出かけるのか。製作スタッフは医師とWHOの区別が付いていないのでしょう。
また、血清抗体の取り扱いについて。毒性ウィルスに血清抗体が効く可能性があるのは事実であって、医学的に証明されていないものではないでしょ。問題は、副作用の問題が大きいことであって、効果が証明されていないからではないはず。最初の患者が治癒したときに、まず血清抗体の可能性を探るのは当たり前の手段だと思うんだけど。製作スタッフは血清抗体による治療がホメオパシー並のトンデモ治療だとでも思っているのか?
いや、実際にパンデミックが発生したときに、半端な知識で血清よこせとか言われるの避けたのか。でも、最後がアレじゃ、返ってそういう人が増えるんじゃね。
そもそも、治療スタッフが対症療法で立ち向かうかしかないのは、封じ込めに失敗しているからでしょうに。感染から発症まで2、3日しかかからないのであれば、封じ込めは比較的簡単なはず。それでも、人道的な問題や、我侭野郎の無理解によって、封じ込めを成功させるのは至難の業。あの幸運な男子の親は、自分の我侭のせいで新潟を一大感染源に変えればよかったのに。
あと、癌との共存と、ウィルスとの共存はまったく別な話。それこそトンデモ治療に嵌ったあげく、そこら中にウィルスを撒き散らす感染者を生みかねない。
封じ込め、トリアージ、風評被害、院内感染……。
パンデミックをめぐっては、様々な問題があり、それぞれ掘り下げるとそれぞれにドラマが生まれるはずなのに、手を広げ過ぎて、おざなりになってしまっている。パンデミックはゾンビ物と違って、明日にでも発生しうる身近な危機として捉えるべきなんだが、ただのラブストーリーの背景にされてしまっては……。
さらに納得いかないのが、最後に出てきた言葉。「明日、地球が滅びようとも、今日、君はリンゴの木を植えるだろう」。
そもそもこれは間違った文章で、正しくはググレカス。終末に対しでも希望をすてずに“平穏な心で望もう”という意味のもので、ウィルスと戦う主人公にはまったく不似合い。地道に対症療法を続ける他の医師たちにこそ捧げられるべき言葉。なんであのシーンでこの言葉が出てくるかもわからないし、これで感動できる理由がわからない。
そうこういっても、映画としてどうだったかといえば、悪くはないです。特に、隔離病棟のスタッフを募るとき、真っ先に手を上げた国仲涼子の表情がすばらしい。オレ的には、そこがクライマックスで、あとはダラダラした感じだったけどね。
(C)2009 映画『感染列島』製作委員会
映画の日で\1000なり。
公開直後のネット評判どおり、いろんな意味で残念な映画だった。
満足度90%ってのは、わかります。パンデミック関係なく、泣ける映画ならなんでもいいんでしょ。違うか?
新型インフルエンザ対策でこの映画を見ても無意味です。
そういう人は、原作となっている吉村達也の『パンデミック』ではなく、川端裕人『エピデミック』を読むべき。
っつーか、パクリ?
まず納得できないのが、二人の主人公の役柄と役割がミスマッチになっている点。これは男性-女性の差とか、年長者-年少者の差とかの入れ違いではない。医師とWHO職員の役割が入れ違っているのだ。なんで勤務医が感染源を東南アジアまで探しに行くのか、そして、なんでWHO職員が山の中へ治療行為に出かけるのか。製作スタッフは医師とWHOの区別が付いていないのでしょう。
また、血清抗体の取り扱いについて。毒性ウィルスに血清抗体が効く可能性があるのは事実であって、医学的に証明されていないものではないでしょ。問題は、副作用の問題が大きいことであって、効果が証明されていないからではないはず。最初の患者が治癒したときに、まず血清抗体の可能性を探るのは当たり前の手段だと思うんだけど。製作スタッフは血清抗体による治療がホメオパシー並のトンデモ治療だとでも思っているのか?
いや、実際にパンデミックが発生したときに、半端な知識で血清よこせとか言われるの避けたのか。でも、最後がアレじゃ、返ってそういう人が増えるんじゃね。
そもそも、治療スタッフが対症療法で立ち向かうかしかないのは、封じ込めに失敗しているからでしょうに。感染から発症まで2、3日しかかからないのであれば、封じ込めは比較的簡単なはず。それでも、人道的な問題や、我侭野郎の無理解によって、封じ込めを成功させるのは至難の業。あの幸運な男子の親は、自分の我侭のせいで新潟を一大感染源に変えればよかったのに。
あと、癌との共存と、ウィルスとの共存はまったく別な話。それこそトンデモ治療に嵌ったあげく、そこら中にウィルスを撒き散らす感染者を生みかねない。
封じ込め、トリアージ、風評被害、院内感染……。
パンデミックをめぐっては、様々な問題があり、それぞれ掘り下げるとそれぞれにドラマが生まれるはずなのに、手を広げ過ぎて、おざなりになってしまっている。パンデミックはゾンビ物と違って、明日にでも発生しうる身近な危機として捉えるべきなんだが、ただのラブストーリーの背景にされてしまっては……。
さらに納得いかないのが、最後に出てきた言葉。「明日、地球が滅びようとも、今日、君はリンゴの木を植えるだろう」。
そもそもこれは間違った文章で、正しくはググレカス。終末に対しでも希望をすてずに“平穏な心で望もう”という意味のもので、ウィルスと戦う主人公にはまったく不似合い。地道に対症療法を続ける他の医師たちにこそ捧げられるべき言葉。なんであのシーンでこの言葉が出てくるかもわからないし、これで感動できる理由がわからない。
そうこういっても、映画としてどうだったかといえば、悪くはないです。特に、隔離病棟のスタッフを募るとき、真っ先に手を上げた国仲涼子の表情がすばらしい。オレ的には、そこがクライマックスで、あとはダラダラした感じだったけどね。
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